イコンのもとに


在宅介護16年が終了後、やっと自分のために生きられる。イコンも描いてます。ブログは書いたり書かなかったり、気分で。

言霊

2012年11月25日 | イコン

今年は「言葉の力」というものを強く感じた年でした。

「人に言った言葉は必ず自分に返ってくる。
天に唾を吐いたら自分に返るように」

…と昔からおじいちゃんやおばあちゃんたちに言い聞かされてきたのですが

私も同じように孫世代に言い伝えると思います。

言葉は信頼にもつながります。

キム・タックにも儒教の言葉をパンの先生が言っていました。

「出乎爾者 反乎爾者也」 爾に出ずる者は 爾に反る 

自らの行いが 自らに反えってくる



私もお世話になった方ではありましたが

あまりにも岡山、岡山県人への批判や
学歴による差別発言、
カラオケをするから知的レベルが低い、など
「金箔は私にしか売らない」という独占販売も

常識で考えれば理解できない発言。

母は黙って聞いていましたが
「痴呆の私でもわかる。
知的レベルが低いのはどっちだ?」とよく言っていました。

人をけなしたり差別する言葉は
常日頃から脳で考えていないと口からは出ません。

祖母や私が教えていただいた先生方(鏑木清方や林司馬)に比べるとあまりにも精神性が低く
画家として学ぶには、もう無理だろうと思い教室を辞めました。

イコンは個人のものではなく、人類のものであると思います。
仏画もそうです。

そのような人類の財産に関わる者が
自分の気にくわない人をけなしたりするのはどういうことかと
信徒でない生徒まで言い出しました。

これでは教室というコミュニティは全く成り立ちません。

自分の理想を生徒に押しつけるのは間違っていました。
理想は自分が実現すればいいのです。

正教会の信徒でない生徒たちの方が
「イコンの大切さ」をわかっていました。

イコンの無銘性を厳しく守るようにと千年伝えられてきたのは
画家個人の欲を律するためだと思います。

仏画でも多くは工房で管理するのは
個人を出さないためでもあります。

メディアを利用したイコンの大宣伝はいらないし
イコン画家を奉る必要など全くありません。

イコン画家は神様の伝達者であってただの職人です。

イコンは信徒たちが命をかけて守ってきたものであるので
それを伝えていくだけでいいのです。

祖母も仏画を描いていましたが
「画家は絵のことだけを思いなさい。
他に手を出してはならない」と言っていました。

林司馬先生も「他のことは考えてはいけない。
毎日、絵のことだけ考えなさい。
画家はそれだけでよい」と口ぐせのように言われました。

それは実に正しかったと思います。

私は自分が「イコンを描いているおばちゃん」⇒「イコンを描いているおばあちゃん」になったらいいなぁと思っています。

これからは
被災地のために描いていきたいです。

 


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