イコンのもとに


在宅介護16年が終了後、やっと自分のために生きられる。イコンも描いてます。ブログは書いたり書かなかったり、気分で。

イコンの賞

2013年08月04日 | イコン
私はギャラリーの方から聞きました。

イコン画家が「私にイコンの賞をくれるってIさんが言っていたけど
いつくれるのだろうか?」と言うのです。
私も直接、画家から聞きました。

その賞は岡山の芸術や文化に貢献した人にあげる賞でした。

仏画家が個人的な賞をもらったというのは聞いたことがなかったので、
イコン画家に「イコンの世界というものは、
個人の画家が賞をもらってもいいのですか?」と聞きましたら
「私はあれだけの仕事をしてきたのよ。
賞ぐらいもらってもいいでしょ?」と言いました。

私はイコン画家の世界と仏画家の世界は違うのだなと思いました。

でも、当時、イコン画家には賞はありませんでした。
岡山にはイコンの研究者がいるので、
賞を決める方にアドバイスされたのだと思いました。

「イコン画家というのは、あの画家のような考えをするのか?」と何回かいろんな方から質問がありました。
私はその度に「ニコライ堂に、日本正教会に聞いた方が正しい返事がもらえると思います」と答えています。

母や私個人の考えとしては、
イコンでイコン画家に賞が与えられるなんて
とんでもないと思っています。

いろんな人に「なぜ私に賞が与えられないのかしら?
なぜ私を称えないのかしら?」とイコン画家は言っていますから、
真剣に、
私に賞がないなんておかしい、と考えているのだと思います。
そして、イコン画家に賞をあげたい人はあげたらいいのではないかと思います。

けれども、宗教画家個人に賞をあげて称えるなど、
母や私は聞いたこともないので、
たいへん奇妙だと考えました。

賞が欲しいのであれば、もらえばいい。
だけど、それは私の思うイコンの世界ではない
ということです。
ですので、そのイコン画家から学ぶのは難しいと判断しました。

イコンの世界は荘厳でスケールの大きなものですが、
各々、個人の中では
小さな灯りが心に灯るようなものだと
私は解釈しています。
日本のイコンって、そういう小さな灯りから始まったと考えます。

小さな灯りに賞などいらない。
賞など、あんな人間世界の作った薄っぺらなものは
イコンに必要ありません。
相応しくないとは、このことです。

心にしっかり灯って
心の支えとなればいいだけです。

母や私は、そう考えています。

被災地にイコンを!と切に思います。
私は現在、母の手術で描けない状態です。
イコンを描ける人は描いてあげて欲しいと思います。
信仰の有無に関わらず
イコンを必要とされる人はたくさんいらっしゃると思います。










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