イコンのもとに


在宅介護16年が終了後、やっと自分のために生きられる。イコンも描いてます。ブログは書いたり書かなかったり、気分で。

針と鍋

2022年03月07日 | 在宅介護
生きていれば120歳半ばの
祖父の口癖が
「戦時中、針も鍋も供出したので、
うちからも、ご近所からも、
針と鍋が全くなくなって、
縫い物や煮炊きに困った」
ということでした。

供出(きょうしゅつ)って言葉、わかりますか?
ここで書くより、検索してみて
自分の眼で、供出の意味を確認してみてください。

供出命令が出たら、
剥ぎ取られるように、持って行かれるのです。
残っているのを誰かに見られたら、密告され、非国民と言われたのでした。

晒(さらし)や着物をほどけば糸はあるけど、針まで供出されて、
縫い物が全くできなかったそうです。
供出された金属は溶かされて、武器になりました。

ジブリの、もののけ姫に出てくる
ジコ坊という帝の命を受けたお坊さんが
背負った荷物に鉄鍋をぶら下げていましたね。
あの姿は終戦後、リュックに小さな鍋をぶら下げた日本人の姿だなと思い観ていました。
アシタカの米を煮て、ジコ坊が味噌を入れて粥を作ります。
あの当時の味噌は帝の関係者しか持てない食品だったそうですよ。
味噌を持つジコ坊がアシタカより位が高いのがわかるそうです。

今、ウクライナから近隣国へ避難されているウクライナの方々の中にも
荷物の中に小さなミルクパンを持っている人がいるかもしれません。
鍋はやかんになり、食器にもなりますから。

私が母の在宅介護をしていると、
私を憐れんで
「介護ばかりしていて、どうするの⁉️」
という人がいるのですが、
私は心の中で
「何勝手なこと言ってんの❓
14歳で終戦だった母を不幸な死なせ方させてたまるもんですか。
今、戦争でないだけ幸せなんだよ。
介護ができるなんて幸せなんだ」と思っています。

ウクライナの映像を見ても
寝たきりや歩くのが難しい高齢者は
避難できていません。
爆撃の音を聞きながら地下壕で過ごされています。
病院も水や電気が止まったと言っていました。
胸がつまり苦しくなります。
日本人の現在は、本当に幸せなんだと思います。

ニュースを見ていると鬱になる人が増えていますが、
自分を奮い立たせて、
自分から楽しみを見つけて。
日本はまだ戦争じゃないんです。

そして、ウクライナとロシアの普通の方々、
戦争をしたくない方々のために
何かできることがないか、考え続けます。
ウクライナだけではなく、
ウクライナとロシアです。
両方の国が平和にならないとだめです。



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