花心 野苺の実を 口にそへ しばし夢にも 君をとどめむ
*これはインスタグラムで詠った歌ですね。確か遠い国のお菓子職人さんに贈った歌です。なにがどうなっているかわからぬが、その歌の意は向こうにも届いているらしい。
まあ、今は別に細かくは追及しません。それはそれとして。インスタグラムでは、わたしたちの感覚に引っかかる美しいものを作っている人を見つけてフォローしています。そして気に入った作品には歌を差し上げている。
かなりよろこんでもらえてはいるようです。
冒頭の歌は、その外国のお菓子職人さんが作った、とてもきれいなケーキに寄せて贈ったものでした。苺色の宝石のようなケーキです。どうやって食べたらいいか迷うほど見事なので、歌を送ってみました。
花心、という言葉がなぜか浮かんできたので、それから歌を引き抜いてみた感じです。花心というのは、散りやすい花のように、移ろいやすい心という意味です。
花のように移ろいやすい心を持っているあなた。野苺の赤い実をあなたの口に添えて、しばし、夢の中にも、あなたをわたしのもとにとどめよう。
麗しいでしょう。恋などできないわたしたちだが、恋の思いをこのように美しく詠むことはできる。あなたがたはその恋ができるものたちなのだが、時にその恋に溺れて自分がわからなくなる。そのあなたがたを、わたしたちは向こう岸から見ている。
美しいときも怖いときもあるが、きれいなものにしてやりたいという、愛が湧く。
それほどに、恋をすることができる霊魂というのは、かわいらしいのだ。
歌を送った職人さんにはどうやら恋人がいるらしい。インスタで彼の写真なども見るのだが、女性に愛されている幸せを感じる表情をしています。
愛し愛される女性がいることは、男性にとってもこの上ない幸せであるようです。