うすゆきの とけてなみだと ながれゆく 人の冬こそ 夢となりけれ
*これはスピカの歌ですね。なんとなく風合いでわかる。スピカのファンは多いようです。かのじょのようなやさしい歌を多く詠んでくれるからでしょう。
わたしたちにもそれぞれ個性があります。スピカはとてもやさしい天使で、このようなかわいい世界がかなりすきだというひとです。甘やかにことばを繰る。男性でも、こんな人はいますね。あまり女性的なかわいい世界が好きだなどと、表立って言うことができないから黙っているでしょうが、別に恥ずかしいことではない。
自分が好きだと思う世界は素直に追いかけてみるがよろしい。それはおもしろいことができますから。
これは、平昌オリンピックの開会式があった日に詠まれたものです。当日、当地は厳寒であったらしい。氷点下の空気の中で、半裸で旗を振っていた選手に話題が集まっていました。この項が発表される頃にはもうとっくに終わっているが、いかがでしたか。いろいろとおもしろいものが見れたでしょうか。
薄雪が解けて、涙となって流れてゆく、人の厳寒の時代も、夢となってしまった。
厳寒の時代とは、嘘ばかりが繁栄していい目を見る時代のことです。ご存じの通り、今の時代は馬鹿があらゆることをやって、自分をいいものにし、世間を全くさかさまにしているという時代です。目立つところに出ている人間は馬鹿ばかり。それが好きなようにしている。派手な衣装を着て、嘘でつくった自分をひけらかし、甘い夢を見ながら、栄華に酔っている。
嘘で作った自分が本当になれたかのように。
だがそれももう夢だ。みながみな、あれらの正体を見抜いている。
美しいフィギュアスケートの選手の中に、みっともないちびがいるのが見える。軽々と空を飛ぶかっこいいスノーボードの選手が、まるで馬鹿に見える。
みんな嘘なのです。夢のようないい人生を送りたい馬鹿が、全部自分で勝手に作った世界なのです。
神は冷たい目で彼らを見ている。
オリンピックはそんなものになっている。一体いつからでしょう? それは歴史を振り返ってみればわかるでしょう。人間の世界は、もうとっくに嘘にむしばまれていた。
嘘で生きるほうが楽なのだとばかり、みな平気で嘘ばかりついてきた。
そしてそれがとうとう破たんする。
嘘が吹き荒れる世界の中でも、まことを大事にしてきた人間は救われるでしょう。だが。
嘘だけを頼りに、あらゆるものを馬鹿にしてきた馬鹿は、とうとう人間を追われるのです。