比企の丘

彩の国・・・比企丘陵・・・鳩山の里びと。
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長崎の旅・・島原の子守歌・・・口之津から・・天草が見える

2006-09-19 | 道を行く 九州の諸道
島原・天草の乱の原城の丘からです。岬の先は口之津です。天草が霞んでいます。

   おどみゃ島原の おどみゃ島原の 梨の木育ちよ
  何のナシやら何のナシやら 色気ナシばよ しょうがいな
  はよ寝ろ 泣かんで オロロンバイ
  鬼の池ん 久助ドンの連れん来らるばい
   (後略)

島原の子守唄」の一節です。「まぼろしの邪馬台国」(講談社1980年刊)の著者宮崎康平さんの採譜作詞といわれています。この先の口之津はむかし外国へ石炭を積み出す港がありました。「鬼の池ん」は対岸天草の港です。この歌は辛い歌なのでここで終わります。

久しぶりで山崎朋子サンダカン八番娼館」(筑摩書房1972年刊)を読みました。
ある事件で頬に傷跡をのこした中年の婦人、山崎さんと「おさきさん」の最初の出会い。天草の埼津の町の食堂で会ったおばあさんにヒョコヒョコとついていってあばらやの中のムカデが這う茣蓙の上で昼寝をしてしまいます。再び訪れて麦飯と塩で味付けしたジャガイモで三週間の居候をすることから取材が始まります。トイレはありません。

山崎さんの取材に対する姿勢がいい。メモも鉛筆もテレコも持ってません。そしていつ取材のことが分かるかヒヤヒヤしています。マイクを持って人の心の中に土足で入るような取材は絶対にいけないのです。最後に取材のことを洗いざらい話して泣き崩れるます。ここは泣けます。
おさきさん」のピュアーさに感動します。人の人格は学歴や職業ではありません。内容については本を読んでください。この本のことを語るのはあまりにも辛すぎます。

この本を出版した筑摩書房と臼井吉見さんはすごい。


サンダカンはマレーシアの東側、ジャワ島の北側に位置するボルネオ島の北東端の港町。東南アジアの最高峰キナバル(4094㍍)は近く。ボルネオ島はマレーシア、インドネシア、ブルネイの三ヶ国からなっている。西欧の植民地支配が影響してるのだろう。

島原紀行は「骨噛地蔵」「島原・天草の乱」「島原の子守唄」で終わりです。


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2 コメント

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取材の姿勢 (菜花)
2007-07-10 08:17:56
早速、記事読ませて頂きました。

ただ、本のタイトルは見たことがあるのですが、残念ながら内容は読んだ事がありません。

また機会を見て中身を見れれば、と思いました。
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コメントありがとうございます (菜花さんへ・・・ヒキノ)
2007-07-10 22:26:28
冒頭の「久助ドン」はカラユキさんの女衒です。子守唄って残酷です。「サンダカン・・・」は三つ目の図書館でようやく見つけました。山崎さんは菜花さんと同じ元教員の方です。ふとした旅行で「おさきさん」と偶然に逢い、貧しい研究者の夫に子供を任せ取材が始まります。職業は下宿屋さんです。原稿を新潮社で商業用に改竄され取り返します。臼井さんに原稿を改変することなく出版してもらいます。印税の一部をおさきさんの迷惑にならない程度に使ったようです。ビデオもあるようですがレンタルではあるでしょうか。
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