Toshiが行く

日記や趣味、エッセイなどで描く日々

宿題

2020年10月01日 15時28分26秒 | エッセイ

    さだまさしの「無縁坂」を、いつものようにYou Tubeで聞いている。
    グレープ時代6枚目のシングルとして1975年11月に出しているから、
    もう45年も前の歌だ。
    もちろん作詞・作曲ともさだまさしで、
    デビュー曲とも言える「精霊流し」に続くヒット曲となった。
    母の人生を坂道にたとえ、その年老いた母に対する
    息子の想いを綴ったものだ。

この歌を初めて聞いた時、「はて、『無縁坂』というのはどこにあったか」と、
頭の中で長崎市の地図を隅々まで引っ掻き回した。
言うまでもなく、さだまさしは同じ長崎市の出身。
さらには、長崎にはこちらの方がはるかに長く住んでいた。分からないはずはない。
だが、どうしても見つからない。
諦めて、そのままずっと放っておいた。

    それから随分経って、誰と話していたのか思い出せないが、
    その人が「あの坂は、東京にあるんだよ」
    本当にぽろっと教えてくれたのだ。
    ネットの時代。検索してみると「東京都文京区湯島4丁目」にある坂だった。
    何だかがっかりした。
    故郷恋しの思い……「長崎の坂」であってほしかった。
            
3月に予定されていたミュージックスクールのライブで、
これを歌おうと練習を積んでいた。
だが、コロナウイルス禍。ライブが中止されたのはもちろん、
以降、スクール通いも止めてしまっている。
思い切り声を出すこともなかったから、もう出ないだろう。
実際、You Tubeに合わせて歌ってみても声はかすれるだけ。

    スクールに通い始めたのは70歳の時。もう8年にもなるのか。
    ここで、止めてしまうか。いやいや、もう一度ステージで歌ってみたい。
    「無縁坂」と、もう1曲、同じさだまさしの「僕にまかせてください」、
    この2曲を期限のない宿題として抱え続けていくことにしよう。