久住 久住 久住
追いもせず、追われもせず、前後に1台の車もいない。
たまに後ろに迫る者が来れば、左に寄り先にやる。
天気も気持ちも晴れ晴れと、久住の山道を走る。
草原をかすめる風に、滝が弾き飛ばす細かな水しぶきに体細胞を洗い、
そして身が冷えれば温泉が温めてくれる。
11月3~5日の2泊3日、Go Toトラベルを利用した久住の旅へ──。
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大分自動車道・九重ICから紅葉の名所、「十三曲がり」の九酔渓を目指す。
くねくねとカーブが2㌔ほど続き、途中茶屋の駐車場に入る。
ちょうど見頃とあって、たくさんの人たちがカメラ、スマホを手に絶景に見入っている。
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茶屋のすぐ側に「天狗の滝」があり、天狗が
履いた?赤い大きな下駄が飾ってある。
九酔渓をさらに上っていくと、日本一の吊橋・九重〝夢〟大吊橋だ。
なんとしたことか。確かにシャッターを押したはずなのに写っていない。
やむを得ない。ネットから借用する。
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やまなみハイウェーの要所の一つ、長者原へ。
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タデ原湿原越しに三俣山を望む。
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広がる湿原のすすきをなびかせながら、やや冷たい風が走る。
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久住の日没は、この時期だとだいたい17時20数分。2頭の牛のシルエットが消えていく。
旅の2日目が明ける。
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日の出は6時30数分だ。朝日にすすきが輝く。
車には薄く氷が張りつき、車載の温度計は1度だった。
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明るさは増し、右手に目をやれば阿蘇五岳がくっきり。空気が澄んでいる。
この日は同じ大分県竹田市ながら、宿泊施設から車で1時間少々、
荻町陽目(ひなため)へ。やはり紅葉の名所である陽目渓谷が目指す所だ。
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ただ残念、紅葉は見頃にやや早かった。
でも、さすが「大分県百景」の一つ、流れる水の美しさは言うまでもない。
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ここにはもう一つ見所がある。駐車場から遊歩道を500㍍ほど上っていくと、
「白水(しらみず)の滝」に行き着く。38㍍の高さから豪快に落下する滝の水が、
小さな小さな飛沫となって周囲を包んでいる。
途中にも「母滝」など小さな滝がいくつもあり、豊の国名水15選の一つだ。
さて、帰路はどこを巡っていくか。
くじゅう花公園前の交差点を左折し、くじゅう連山を前に見て広域農道の方へ。
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ガンジー牧場にちょっと寄り、そのまま道なりに走ると、
くじゅう連山を背景にして草原が広がっている。そこに愛車を止めパチリ。
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放牧されている馬たちのかわいいこと。
この道路は男池に続いていた。ここに来たのは5年ぶりになるか。
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今年7月の豪雨で痛めつけられたようで、随分荒れているように見える。
ただ、岩をむんずと掴んだ木は健在、再会を果たすことができた。
往路と同じように、九酔渓を経て九重ICから一路帰路へ。
442㌔、大自然のオゾンをたっぷり浴びた癒しの旅だった。