名を「レジリエンス」という。
「困難から回復する力」などといった意味があるそうだ。
野口聡一さんら4人の宇宙飛行士を乗せ、
打ち上げられた新型宇宙船「クルードラゴン」。
その機体に野口さんら飛行士が、そう名付けたという。
「世界が新型コロナウイルスで苦しむ中、傷ついた状態から立ち直り、
元の生活に戻っていく力になりたい」そんな願いを込めている。
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折しも、コロナウイルスは再び感染拡大期に入っており、
専門家でさえ予測がつかないほど、新規感染者が急カーブで増加し始めている。
期待を持たせるワクチン開発に関する明るいニュースも報じられているが、
まだまだ先が見通せない状況で、年末年始にかけ滅入るような日々を
送ることになりはしないか、少々心配である。
そんな地球に向け、宇宙から「共に頑張りましょう」とのエールである。
めげず頑張ろうではないか。
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加えて、今回打ち上げられた「クールドラゴン」は
宇宙に対する新たな夢を大きく広げてくれる。
米宇宙企業のスペースXが開発したもので、今回ファルコン9ロケットで打ち上げた
宇宙船をISS(国際宇宙ステーション)に送り届けたのだ。
この「クールドラゴン」は再使用が可能とあって、
それだけ打ち上げコストが安くて済む。
日本の「H2A」など同等の能力を持つ他の使い捨てロケットの打ち上げ費用が
約100億円かかるのに対し、この「クールドラゴン」は約50億~60億円だという。
また、ISSに宇宙飛行士を送る際、宇宙船には4人搭乗するのが基本だが、
この「クールドラゴン」は最大7人搭乗できるようになっている。
つまり、スペースXは一般人の宇宙旅行サービスに使うことを計画しているのだ。
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宇宙旅行が夢ではなく、現実のものに──そう遠くないかもしれない。
コロナを逃れ宇宙へ旅立ってみたいものだ。
ところで、旅行代金はおいくら?
やはり、僕らには夢物語かな。