70~80㍍ほど離れたところの川面が何だか騒がしい。
30羽ほどのシロサギ、おそらくコサギだと思うが、
群れをなして川面を右往左往し、忙しない。
シロサギが、これほど群れるのはこの御笠川では滅多にないことだ。
普通、シロサギと言うと1羽、2羽が首をぐいと伸ばし、
それこそ抜き足差し足、じっと足元を伺いながら
餌の小魚を電光石火の早業で仕留める。これがよく見る光景だ。
なおも目を凝らしてみる。ああ、やはり。
シロサギたちの間に黒いものが5つか6つ、
これまた忙しなく動き回っているのが見える。
カワウだ。もう随分前、シロサギとカワウが
一緒にいるのを見たことがあり、
何をしているのかネットで調べたところ、
潜水が得意なカワウが水中の小魚を追い、
逃げ惑う小魚が水面近くに浮き上がってきたところを、
シロサギがすかさず捕えているのだという。
何だかカワウのご馳走をサギが横取りしているように思え、
カワウに同情したくなる。
ただ、よくよく考えてみれば、カワウから逃れようとした小魚は、
目の前に何十本と立っているサギの脚に逃げ道を塞がれるのである。
それで戸惑っていると、カワウからパクリとやられてしまう。
餌を取り合って争っているふうでもなし、
餌が少なくなり、他の餌場を求めてカワウが飛び立つと、
サギもすかさず後を追う。
そして、そこでもまた同じことを繰り返す。
あるいは相見互い、ウとサギの共同作戦なのかもしれない。
お気の毒なのは小魚君たち。
ウ・サギ君たちにうまくやられていますね。