
それほどに逢いたいですか。
まだ陽も昇りやらぬうちから起き出し、
逢いに行かねばならぬほど魅力的なのですか。
確かに薄いピンク地、あるいは白地に
朱の斑点をあしらった姿は、とても華やかだ。
おまけに朝日を浴びると一段と艶やかになるのだという。
では、行きましょうか。
「カノコユリ」に逢いに……。
宗像市の山田という所に「ホタルの里公園」がある。
その名の通り、ここではホタルを幼虫から育てるなどして、
その季節には幻想的なホタルの灯りの舞いを見せるのである。
この公園の所々にカノコユリが植生し、
今が見頃になっていると新聞が伝えていた。
思いは募り、行き交う車も多くない早朝の道を走った。
ナビ頼みで1時間少しかかって公園着。

誰一人いない静寂の中にホタルが自生する湿原が広がっている。
さて、カノコユリはどこだ。
ウォーキング代わりに園内を歩き回った。
間もなく、ピンク、白、朱色が
入れ混じっているエリアが見えた。
近づくほどに、その華やかさが鮮明になってくる。
そして、陽を浴びて一段と艶やかに見える。
宗像市の市の花にもなっているカノコユリ。
良い1日の始まりにしてくれた。


振り向けば、水面に映る周囲の緑が、かすかな風に揺れている。
突然、バシャという音に目を凝らせば、
鯉たちが群がって、こちらを向いている。
「朝ごはんは、まだなのか」と問いながら、
「そうだ、自分もまだだった」ことを思い出した。
写真を撮り終えた妻も車に戻り、
途中コンビニで買ってきた
サンドウィッチをかじり、ジュースを飲んだ。

釣り人がポツリポツリ 神湊ビーチ

宮地浜海水浴場には人の姿はない
帰途寄った神湊、宮地浜のビーチには、
海水浴客の姿はほとんど見当たらない。
これもコロナのせいなのか。
いやいや、今はまだ朝の9時になるかならないかではないか。
そう思いつつも、やはりコロナが恨めしい。