Toshiが行く

日記や趣味、エッセイなどで描く日々

雨 雨 雨

2021年08月13日 06時00分00秒 | まち歩き


     朝の出がけ、8時少し前。
     フロントガラスにポツリポツリ。
     見上げれば雲が黒く厚い。
     でもワイパーを動かすほどではない。
     動き出し、そのまま走る。
     ポツポツポツと少し繁くなる。
     ブレーキを踏むと、ルーフからすすっーと
     フロントガラスへと滑り落ちてくる。
     やっとワイパーを動かし始める。


     車を駐車場に入れ、
     車に置きっぱなしにしていた傘をさし社へ急ぐ。
     傘を打つ雨音は弱い。
     だが、スマホの雨雲レーダーは
     間もなく本降りになるとしている。
     机上のPCを触りながら、窓越しに見れば
     雨粒は確かに大きくなってきた。
     間断なく落ちている様がはっきり見える。



     12時少し前、雨中の街を行く。
     昼食はどこにするか決めぬまま、歩きながら考える。
     こっちの角を折れ、あっちの角を曲がる。
     容赦ない雨。靴はすっかり濡れてしまった。
     帰ったら陰干ししなければ……そんなことを考え、
     ただ、ほっつき歩く。


     ここにしよう。
     やっとたどり着いたオムライス屋。久しぶりだ。
     言うまでもなく、この店はオムライスがメインだが、
     それは注文しない。
     以前からこの店では鮭チャーハンと決めている。
     ただ、少し味が落ちたような気がする。
     調理台に立つおばさんを見ると、
     ぽっちゃりとした、若い頃は随分モテただろう
     可愛い顔つきは以前と同じで変わっていない。
     この店はカードは使えない。現金だけだ。
     1000円札を置き、200円受け取って店を出た。
     雨は降り続いている。


     銀行に寄りATMから少しばかり引き出す。
     また、雨の中を当てもなく歩き出す。
     雨が靴下まで染みてきた。ズボンの裾も濡れている。
     それでも歩き続ける。商店街へ寄ってみよう。
     本屋をのぞいたが、読みたい本がない。

                             
     
     なんでこんなことしているのか。
     自分でも分からない。こんなバカはよせ。
     言い聞かせ、今度はそそくさと
     足早に駐車場へと急いだ。
     エンジンをかけると布施明の歌が流れ出た。


     家のテレビは「秋雨前線が居座り、
     九州では2018年の西日本豪雨並みの
     大雨になる恐れがある」と注意を呼びかけている。
     もちろん、雨の中を歩くバカはしない。
     家に篭っておくことにする。