6階の病室から見下ろせば、妻と一緒に見舞いに来た孫娘が、
こちらを見上げ手を振りながら帰っていく。
すぐ側にあるPay Payドームには多くの人が集まっている。
ソフトバンクホークスのオープン戦らしい。
ドームに隣接して建つ高層ホテル越しに博多湾が見える。
青空が穏やかな海面に映えている。
今夜は逆にドームの方から病院を眺めている。
あそこには、これまで9度も入院した。
近いところでは3月11日から21日まで入っていた。
その病院をこうやって眺めるのは不思議な気がする。

さて、今夜は日本ハム相手の試合を観戦だ。
久しぶりのドームである。
バックネット裏の、前から2列目の絶好の席である。
ここからだと選手の様子がよく見える。
ごひいきは柳田選手だが、まだ調子が上がっていない。
豪快な本塁打を期待したいところだ。
隣の若い女性は鳴り物を手ににぎやかだ。
ネット裏は、外野席の応援団のようにはけたたましくはないが、
この女性は外野席の応援団と調子を合わせ声援するから、
すごく賑やかだ。おかげで、こちらのテンションも上がる。
試合はホークスが常にリードする展開だったが、
日ハムもしぶとく食らいつき、ついに延長戦へ。
そして、10回無死満塁のチャンスをつかみ、
栗原の犠牲フライでサヨナラ勝ちした。
実はサヨナラ勝ちした時は、帰りのバスの中だった。
バスの時間が気になり、同点だった8回終了時にドームを出ていたのだ。
サヨナラ勝ちのシーンを見損なったのは残念だったが、
久しぶりの野球観戦に元気をもらい、
隣の病院がもう御用済みであればと願った。