小諸 布引便り

信州の大自然に囲まれて、風を感じ、枝を眺めて、徒然に、社会戯評する日帰り温泉の湯治客です。愛犬の介護が終了しました。

(TPPとアセアン+3)を考える=経済覇権が見え隠れする、、、、

2011年10月24日 | 社会戯評
何年か前に、ベトナムとのFTAの締結発効で、海老の輸入関税がゼロになったが、必ずしも、その分、値段が安くなり、消費が増えることもなかった。結局、既に、FTAが、実施されていたタイや、当時、未締結だったインドとの産地競争力差の問題であった。(FTAは、現状、農業分野で、余り摩擦を生じないような国と主として、締結されているが、、、)その昔、オレンジ・グレープ・フルーツや、牛肉、林檎、スコッチ・ウィスキーなどの輸入自由化で、国内生産者は、壊滅的な打撃を蒙るだろうと、言われたが、どっこい、サバイバル競争に、生き残った。農業や漁業などは、どう見ても、JA全農が、主張するように、果たして、やる気のある生産者が、安い海外からの輸入物に、本当に壊滅的に、やられるとは、どうしても、思えない。CSA(Community Supported Agriculture:地域に支えられた農業:謂わば、地産地消にルーツが、あるのではないか?)等で、トレーサビリティーなどは必要のない、安心・安全、うまい、を売りにして、品種改良を重ねる国内生産者の作るものが、負けるとも思えない。これは、漁業も然り、同じである。無論、担い手の老齢化や、大規模化の困難性や、反当たり収穫量や、生産性を一挙に、上げることの難しさは、依然として、残るものの、、、、、。輸出が、単純に、増えるとも思えないのは、為替と関税の問題を、クリアしない限り、難しいであろう、むしろ、これまでの経緯から、既に、十分、大手メーカーは、(中小ですら)海外移転し、三国間輸出により、2国間FTAを活用している。もっとも、医療・労働・環境、他の分野などは、十分、議論されなければならないが、「アセアン+3」の中国・韓国・日本のアジア経済圏は,少なくとも、「中国の経済覇権」が、見え隠れするし、法的遵守性が、疑われるが、、、。逆説的に言えば、TPPは、環太平洋経済圏での「アメリカの経済覇権」が、見え隠れしないではない。いずれにせよ、我が国は、歴史上、貿易立国・海洋国家でなければ、生きて行けない訳だから、ソフト・パワーを駆使して、両者の均衡の中で、EUも含めて、多角的に、対応する外交力と交渉力で、乗り切らなければならない。もっとも、APECの会議も、ギリシャのデフォルトも、残された時間は、少ないが、、、、、、。