小諸 布引便り

信州の大自然に囲まれて、風を感じ、枝を眺めて、徒然に、社会戯評する日帰り温泉の湯治客です。愛犬の介護が終了しました。

牡蠣うち場での惨劇に思う:

2013年03月18日 | 社会戯評
牡蠣うち場での惨劇に思う:
中国人技術研究生による惨劇の報は、何とも、ご遺族には、お悔やみを申し上げる言葉もない。全く、お気の毒であり、恩を仇で返されたようなものである。友人から、毎年、広島の牡蠣を贈られて食べているものの、その裏では、こんな作業場の実態があったということは、なかなか、知られていない。もっとも、東北での震災の時には、今回とは逆に、中国人研修生をまず初めに避難させた上で、自ら、津波にのまれてしまった経営者の話を聞いたことがあったが、多かれ少なかれ、水産業でも、農業でも、酪農でも、「海外技術研修生制度」という、何とも皮肉な入管法をくぐり抜けた非合法紛いの遵法的な人買いの制度が、日本の産業を裏で、日常的に支え続けているのが実態ではなかろうか?そこには、技術移転という名を借りた安い人件費の有効活用と、家族を残して残業代を稼ぎながら、食費を切り詰め、本国の妻や子供に、或いは、年老いた親への毎月の送金を欠かせないという海外出稼ぎ労働者とのミス・マッチングが起きている。結局、少子・高齢化による労働力不足を、非正規雇用という形で、或いは、海外技術研修生制度なるもので、これまで、この矛盾をまやかしで隠してきたのではないだろうか?語学研修、コミュニケーション不足ということは、簡単には云えようが、そういう戦術的な原因ではなく、根本的な戦略的な政策の見直しや、将来の避けて通れない課題である「移民政策」に関して、しっかりとした方向性を打ち出さない限り、又、再び同じような惨劇が、何処かで、生じかねない。単に、中国人による日本人への個人的な怨恨による惨劇というような狭小的な枠組みの中で、排外主義を煽るような風潮・論評では、全く、本質が見えないであろう。「労働力の流動性」を謳われる割には、「非正規雇用労働者の身分」や、「輸入労働力や移民政策」に関しては、どうも、日本は、無得手ではないかと思われる。一刻も早い体系立てられた「労働政策の方向性」を、打ち出して貰いたいものである。そう感じるのは、私一人だけであろうか?