【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

統計

2014-08-25 07:09:12 | Weblog

 どんなひどい統計データでも、「ちゃんと統計として記録し公開した」こと自体はポジティブに評価するべきでしょうね。悪い組織の場合、本当にひどいデータは秘密にするでしょうから。

【ただいま読書中】『世界子供白書2014統計編』ユニセフ 著、 日本ユニセフ協会広報室 訳、 日本ユニセフ協会、2014年

 ひたすら国名と「数字」がぎっしりと並んでいる本です。単純に「2014年で子供にとって良い国と悪い国」を比較して見ることもできますが、表10「前進の速度」では、1970年からの変化をざっと見ることができます。すると、現在「5歳未満児死亡率」で順位が「1位」のシエラレオネでも、死亡率(千人当たりの死亡数)が1970年の「329」から2012年には「182」にまで改善していることがわかります。ちなみに日本は「18」→「3」です。ただ、かつての日本でも子供がばたばた死んでいた時代があったのですから(昭和の初め頃でも、日本では産まれて1年以内に死亡するのは10人に一人以上でした)、ため息をつきながらでも改善の努力を続けた方が良いでしょう。
 「はしかによる死亡」は、2000年には48万2000人でしたが12年には8万6000人に減少しました。ちなみにはしかの予防接種率は、1980年には16%だったのが2012年には84%になっているそうです。
 HIV、教育、清潔な飲料水、妊産婦死亡率、児童労働……様々な指標が並んでいます。数字自体は何も語りません。それがもし何かを語るのだとしたら、それは「聞く耳を持った人」に対してだけでしょう。