私はOSのアップグレードは、すぐにはせずに“勇者(または人身御供)”の報告を見てからすることにしています。上げたは良いけれどそれでドツボにはまるのはいやですから。で、iPhoneのiOSが11.1になったのもちょっと待ってから致命的なことが起きなさそうなのを確認してから上げました。ところがあるアプリがみごとにど不調に。さて、何が起きたか、と思ったところで、このアプリで「iOS11での不具合」の告知を先日読んだことを思い出しました。ただ、その時すでに私のiOSは11.01(か11.02)で特に不具合は生じていなかったので読み飛ばしてしたのです。で、確か解決のための対処方法も書いてあったはずなのですが、そのアプリが立ち上がらないから対処法がわかりません。迷走、もとい、瞑想状態に入ってうっすらとした記憶を掘り起こしてその通りやってみたら、嬉しいことに解決しました。しかし、立ち上がらないアプリを立ち上げるための対処方法が立ち上がらないアプリの中にある、というのは、なかなかもどかしい思いでした。
【ただいま読書中】『寄港地のない船』ブライアン・オールディス 著、 中村融 訳、 竹書房文庫、2015年、900円(税別)
「狩人」のコンプレインが住む「世界」は、巨大な宇宙船の中でした。しかし人々は自分たちが住む狭い通路だけを「世界」と考え、原始的な生活を続けています。文明は失われてしまったのです。しかし、昔の知識を断片的に伝える人もいました。
通路で野生の豚を狩っているときに伴侶を攫われ、コンプレインは4人の仲間と旅立つことになります。船尾から「前部」への長い旅です。コンプレインは巨人族に遭遇し、知性化されたネズミとその奴隷となったテレパスのウサギに尋問され、仲間を次々失い、「前部」の衛士に捕えられます。
ここまでで、伏線がたっぷり。たとえばコンプレインたちの「一日」は、現在の私たちの4時間を起きて2時間を眠るサイクルになっています。なぜ? 宇宙船の中には「巨人」や「よそ者」がいます。どこから? コンプレインたちの体のサイズは、私たちの標準よりもずいぶん小柄です。なぜ?
著者は『地球の長い午後』で知られていますが、本書は著者のデビュー作だそうです。いやあ、このスケールの大きな作品がデビュー作? すごいすごい。