2017年夏のソウル生活も後半に入りました。昨日は始まったばかりの
韓国語のお勉強から、少し逃げ出したい気分だったので、映画を見に行っ
てきました。7月に見たのは、まじめな映画だったので、今度はコミカル
なものをとソンガンホ主演の物を選んでみました。
『タクシー運転手』という映画ですが、予想を裏切りコミカルなものではあ
りませんでした。韓国の民主化運動が最高に盛りあがった1980年5月、
軍事政権下で秘密裏に行われようとした、軍隊による闘争弾圧の様子を、死を
賭して外部に知らせようとした、ドイツ人ジャーナリストとタクシー運転手
の実話にもとずくお話でした。
戒厳令下で良く無事に取材できたものだと驚きに堪えませんが、映画の最後
にはそのジャーナリスト(今は故人だそうです)が登場し、共に生還し事実
を世に知らしめることができたタクシー運転手に、コメントする姿が登場し
ましたから、事実が多く含まれるお話なのは確かなようです。
ところどころで実際に現地で撮られた映像も挟まれ、銃口が国民に向けられ
る様子など信じられない映像ですが、韓国はそんな過程を経て問題があれば
大統領すら罷免する、つまり国民主権であり国民が第一だという本物の民主
主義を手にしたのだなとの思いが同時に湧いてきました。
ドラマ的にも面白く良くできているし、ソンガンホの演技も安定してうまい
と思いましたが、残念ながら多分日本への輸入はなさそうです。