「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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新聞協会への申し入れ書

2008-09-08 13:06:38 | 署名などの報告(会の活動報告)
新聞協会への申し入れを下記の内容で
本日、おこなう予定です。

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申し入れ書

                       2008/09/08
日本新聞協会御中

我々は、ミャンマーでの映像ジャーナリストの長井健司さんの殺害に抗議し、彼が取材に使用していたビデオカメラとテープの返却を求めている、「ミャンマー軍による長井さん殺害に抗議する会」です。ジャーナリスト仲間、友人、同級生、ボランティアなどが活動していて、これまでに全国で10万人を超える抗議の署名を集めています。
先般、日本新聞協会賞が発表され、長井さんが銃撃された映像を撮影した日本のメディアに賞が与えられました。日本新聞協会は全国の新聞、通信、放送各社が創立したもので、日本のマスコミを代表する団体であり、公益性のある社団法人であり、その最も権威ある賞が新聞協会賞であると認識しています。そして、今回の新聞協会賞は、長井さんが銃撃された瞬間を撮影した映像に、賞の価値があると判断されたのだと思います。
ここで我々、「ミャンマー軍による長井さん殺害に抗議する会」では、今回の受賞を知り、いくつかの点で新聞協会に申し入れをし、さらに、伺いたいと考えております。

まず第一に長井さんが銃撃されている瞬間の映像が、新聞協会賞に値すると判断されるならば、被写体であるばかりでなく、実際にその現場で、取材活動中であった、ジャーナリストの長井さんをどう評価されるのか伺いたいと思います。日本のマスメディアの代表的な団体である新聞協会が、最前線で、取材中に他国軍に銃撃され死亡した長井さんについての見解や評価を何も示さず、その銃撃される様子を後ろから撮影した日本のメディアに賞を与えるというだけの情況は、友人、同級生などが多く関わっている我々「ミャンマー軍による長井さん殺害に抗議する会」からみれば、大変に不可解ですし、話の順番が違うのではないのかと考えています。

第二に、日本の友好国である、ミャンマーの正規軍が、ジャーナリストである長井さんを殺害した事件そのものについて、新聞協会は何も見解を示されていないと認識しています。新聞協会賞を受賞した映像でもあきらかなのですが、長井さんはジャーナリストであり、実際にカメラをまわして取材活動中に、銃撃され死亡したことも疑う余地がありません。長井さんはフリーランスのジャーナリストではありますが、新聞協会の複数の加盟社に対して、取材内容を提供していたジャーナリストであることも間違いありません。実際、ミャンマーでの前日までの取材テープはテレビ各局で放送されています。新聞協会は会員共通の利益の擁護を目的としている団体であるのならば、こうした取材中の日本人ジャーナリスト、長井さんが、殺害された事件そのものに対しても、対外的に団体としての見解をお示し頂きたいと思います。

第三に、ジャーナリストの命でもある、取材に使用していたビデオカメラとテープはミャンマー政府から返却されておりません。もちろん長井さんのご遺族は、遺品としても返却を強く望んでおられます。我々「ミャンマー軍による長井さん殺害に抗議する会」は、このビデオカメラとテープの返却を軸にした抗議署名活動をおこない、一年たらずで十万人の署名を集めました。一般の方はいまだにこの事件を忘れておらず、ビデオカメラとテープの返却を求めていることに理解を示して頂いており、多くの署名が集まっています。ただ本来であれば、我々のような力の余りない個人の集まりである任意団体が取り組むだけでなく、日本のメディア関係の諸団体が、このビデオカメラとテープの返却についてミャンマー政府に求めることが、筋道ではないかと考えています。この点について、日本のメディア各社を代表する団体である、新聞協会のご見解を伺いたいと考えます。

我々は今回の日本新聞協会賞を報道で知り、長井さんの一周忌を今月下旬に控えて、このいくつかの点について、日本新聞協会に申し入れをして、お伺いしたいと考えました。長井さんの一周忌になる、この9月27日より前に、ご返答いだければと思います。よろしくお願い申し上げます。