長崎で原爆を落とされた時刻が過ぎました。原爆を許すべきでないし、二度と使わせないことは当然の話です。そして、原爆被害と原発被害は表裏の関係です。原爆をとめても、原発をとめなかったことで、若い世代に危険が及んでいる事を、原爆被害者の年配の皆さんも理解して欲しいです。広島や長崎から親が「原発事故はたいしたことがない」として理解しないという訴えが届いています。自宅に孫と避難した娘に対して、「原爆でも大丈夫だから、大丈夫」と言われ続けて、困っていると言う話は、長崎からも広島からも聞いています。しかも原爆に反対していた団体が、原発の事はいえない様子が分かると、日本の原爆反対運動のある部分、しかし根幹のところで、何も考えていなかったし、若い世代の健康被害をきちんと考慮しないのに唖然とします。あなたたちがうけた放射線、特に兵器としての熱線の被害は大変ですが、目に見えない放射性物質による被害は長期化し、健康面に何世代にも被害を与え続けます。見えない分、長期的な被害は大きいのです。福島第一原発からふっている放射性物質は尋常な量ではありません。すでに原爆何十発分になっているという認識を持ってください。あなたたちの子孫はその脅威に生き続けているのです。
昨日の土壌調査会見の反響で、不思議な事がいくつかあります。ぼくにとっては首都圏の汚染は、もっと進んでいてもおかしくないと感じていて、このくらいの汚染は「常識」になっていました。ぼくの「常識」がみなさんにとっては相当な驚きになることが、僕の認識不足でした。こんなに驚かれるとは思いませんでしたし(このブログで何十回も伝えていたつもりだったので)、相当ショックを受けている方も多かったようです。危機意識のある皆さんにさえ、まだ伝わっていないのだなと痛感しました。
僕は東京はチェルノブイリのウクライナにおけるキエフ並みといい続けてきました。巣鴨の6万bq/kgを除いた平均値で、まさに近似値になりました。そうすると東京で今後、キエフでおきたことがおきるという想定で判断するのがごくふつうの感覚と思います。 かなりの病気が発生する事になっていくことは想定できます。これをどう防ぐのかがきになります。
希望的な観測をすれば、ウクライナやベラルーシの場合、食料はまるで別の地域のものを入手することが東京よりもあきらかに困難だと言う事です。汚染された産地のものを食べ続けたから高濃度に内部被曝した。首都圏なら産地を選別し、外食も選別すれば、内部被曝をかなり避けて生きられるのではないかという期待もありえます。危機感の劣る遠方よりもむしろマシかもという意見も。
しかし、この希望的観測が成立しないかもしれないのは、今回の原発事故で首都圏に撒き散らされた核種はかなりの種類で、微小な粒子が環境に大量にあるとみられることです。この粒子を吸い込む、吸入すると、食物よりも直接的に作用し危険が大きいということです。この危険が定量化したり、正確に分析する作業はできていません。
さらに、不安なのはこの核種に、ベータ線の核種が含まれていて、その影響について、ほとんど未知であること。巻き散らかされたエリアが、最低でも関東全域に及ぶ事から、該当する人口は三千万人を優に超えるもので、病気へ繋がる割合が仮に低くても、絶対数としてつらい目にあう人は多くなると予測されるのです。
首都圏は、住んでいる環境の中に、ふつうに放射性物質があり、しかも危険な核種の存在も想定される状態にある場合、確実な安全は担保できないというのが僕の結論です。ここまで危険を主張する僕でさえ想定していない、さらなる危険が襲う事態。まったく予想外の危険の到来に呆然とすることも予想しています(こういう危機的な世界の中では常に最悪想定でさえ、裏切られるのが更なるリアルと考えています。政府のような危機感のなさでは最初から話になりませんが)。
除染も闘う事もある程度は必要です。しかし、放射性物質の汚染がひどい場合、早期の回復は不可能です。影響が大きい時期に、まず退避し、態勢を整え、今後を考える事が不可欠です。子供や若い女性の場合、取り返しがつきません。ほかの事よりも御身大事が基本と考えます。
僕は健康に過度に関心のある人間ではありません。しかし、今回の放射性物質が人間に与える影響は、肉体的な側面とさらに脳神経に与える側面と様々な障害が想定されます。あなたが、いまの自分を保ち続けたいのなら、ある程度安心のできるエリアまで退避するしか方法は根本的にはありません。
今回の調査に驚かれた皆さんへ。一部地域を除いて、首都圏に、子供、妊婦、妊娠可能な女性が生活するべきではないと僕は思っています。何回も何回もおなじことをいいますが、少なくとも西日本まで退避する事をすすめます。若い世代は同じです。
土壌調査に進んで参加された皆さんに敬意を示します。こうしたことは、国民一人一人守るための大切な作業になります。「放射能防御プロジェクト」はさらに関東より西のエリアの調査は進行しています。九州、沖縄など手が及んでいない地域もすすめます。宜しくお願いします。
「放射能防御プロジェクト」 http://www.radiationdefense.jp/
昨日の会見はテレビ新聞の一部メディアが報じています。
また、沖縄、ヨーロッパでも放射能防御プロジェクトの活動がはじまっています。
「放射能防御プロジェクト沖縄支部」 http://houshanobogyookinawa.blogspot.com/
参加希望は基本的に沖縄県民か、沖縄に避難している人のようです。