「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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避難を躊躇しない僕の背後には、戦前の大阪・難波から徳島へ避難した我が家の歴史があります。

2012-01-04 23:56:46 | 福島第一原発と放射能

 避難ということにどうして僕が躊躇しないのかということです。これは、本当に危険が迫っている場合は、逃げるという選択肢が、ごく普通のことだと、昔から家庭で、なんとなく共通認識があったことが大きいと思います。これは、家庭教育という形で行われたことではなくて、家庭の中でなんとなく伝わっていたこと、ある意味、家族の中で共通理解と考えていることだろうとも思います。話は、戦前に遡ります。大阪での話です。

 当時、僕の家は、難波の高島屋の近くにあったらしく、そこの街中で、歯医者を営んでいました。祖父と祖母に、僕の父親が一人息子として、小学生のころはいたそうです。当時の難波や心斎橋周りと言うのは、現在以上に、日本の中心地として発達していて、祖父の歯科医院も羽振りがよかったと聞いています。ある意味、東京よりも活気のあった大阪。経済の中心地として、まわっていて、そのど真ん中で、歯科医師として活動することは、祖父の人生にとって大きな意味があっただろうと思います。

 祖父自身は、きわめて勤勉で腕のよい歯科医師でした。深夜まで彼が技工を自分でしているのを見て、とても僕にはまねができないなと、何回か思ったことがあります。仕事は手先の器用さもあって、丁寧で、しかも費用を多額取ることはしない、ある意味、町の歯科医師としてはたぶん最高レベルに近かったと思います。孫の僕も言うのも変ですが、その水準でした。

 しかしながら、一方では、遊び人で、かなりハイカラな人で、よく徳島で僕はお出かけにつきあったものですが、何でこの人は、この町に似合わない帽子をかぶり続けるのか不思議に思ったこともありました。難波あたりのおしゃれな歯科医という気分も持ち続けていた人だと思います。よく遊んでいて、その町の文化も遊びも享受していた人間が、それが、祖父でした。気の強い祖母はもっとだっただろうと思います。

 この人たちが、戦争で大空襲が都市部にくる一年前に、大阪から早々に逃げ去ってゆきます。これは、彼の師匠にあたる歯医者が「木下君、この戦争はどうもまずい。このままだと大阪にも空襲がある。僕は奈良の田舎に越すが、君も出たほうがよい。」と告げたからでした。師匠は、奈良移住を勧めたそうですが、僕の祖父は、祖母の意向もあって、祖母の田舎だった、徳島に移住することになります。麻植という、忌部ゆかりの地になります。

 この決断は、祖父にとっても、祖母にとっても、大阪の派手で、活気のある楽しい生活とその人脈をすべて捨て去る結果になりました。しかも、戦況の情報は当然、正確には伝わっていない時代背景です。大本営発表しかない。メディアも翼賛します。もちろん、ネットもありません。一部の事情通の間で、口伝で伝わるのが限界。ほとんどの人は、難波、心斎橋周りで、うまく営業していた祖父が、なぜ徳島に引き込むのか、理解しかねるという状況でした。もちろん、空襲が本当にくるのかどうか、事態を元々、わかっていた人々の中でも半信半疑です。それさえ、わからない多数の人々には、不可解な移住としか見えていなかったようです。

 しかし、一年後には、答えが出ています。全国各地が空襲を受け続け、あっという間に日本を焼け野原に。大阪も含めて、壊滅状態に追い込まれます。

 僕は地元の何人もの方から、子供のころから、今に至るまで、何回も祖父母に対しての感謝を聞かされます。「空襲でひどい目にあったときに、着の身着のままで逃げてきたときにたすけてもらった」と。僕から見たら、祖父母がたいした事をした感覚はないのですが、徳島に移住した後、空襲の被害をうけた、大阪の人たちに手を差し伸べて、何人かが移住したり、戻ってきたりしたそうです。この人たちは、祖父母の死後も何かの折に、必ずこの感謝を口にします。

 こういう歴史が僕の家にはあって、少なくとも、緊急の状況では、全部を捨てても避難する事は厭う事ではないという思考は、僕の根源にあると思います。今回の事態はまさにそういうことが、僕の中にあったがゆえに、ぐずぐす゛考えるよりも、結論がはっきりと僕にある状態だと思います。今までの、いろんなしがらみや縁故や金銭、社会的な立場も、大きな時代の流れでは、本質的な意味は持ちえません。僕には自明の事です。今回の放射能被害は、目に見えにくいし、認識しないだけで、空襲前の状態となんら変わりありません。もう間に合わない場所もありますし、なんとかなる場所もあるでしょう。それでも切迫している事態にはなんら変わりはありません。

 僕はまず大切な貴女に言いますが、この僕の想いをきちんと聞いてください。僕の家の歴史から、この時代の流れを受けた僕が深く深く考えると、君が、意味もなく、躊躇すれば、君が終わるだけです。僕はそれを望んでいません。君の根底に流れているものよりも、僕の根底に流れているものの方が、こういうときには、間違いのない決断をします。僕は、何としてでも君を助けたいとしか想っていません。空襲のような決定的な出来事が起きる前に、きみが何かの決断をしないとなんともならないのです。頼むから少しでも届いて欲しいと想います。

 ブログの読者の皆さんにお伝えしたいのは、僕には、逃げない人々の気持ちは、本質的には理解しないし、最終的にそういう判断を僕が肯定することはないということです。逃げることを悪いことのように言い募る者達や、今までのことにしがみつく人々と僕は決定的に異なるということです。その意味では、名前の字義通り、大陸的思考が強いと想います。日本好きの中国人よりも、僕のほうがずっと大陸的な感覚と言えると思います。それが僕なのです。

追記

 「僕の名前が偽名」「朝鮮人」などの虚偽情報をツイッターでする愚か者までいます。しかも、どうしようもない誹謗中傷ばかりします。僕は何回も書いていますが、きちんと話すなら、「名前、所属先、連絡先」を明記して、メールせよと話しています。こちらは身をさらしていますから、匿名に逃げ込む輩は相手にできません。しかし、皆無です。また、呆れます。ゲーム感覚の輩も多く、ばかばかしい限りです。ネットは人間のだめな部分をあからさまにします。それを見るのは、本当に空虚な作業です。空虚です。

 

【木下黄太 講演会 IN南紀白浜】

急遽決まりました。有名ホテルでの開催。紀伊半島南部の方は、こちらにおいでください。翌日、和歌山市内で講演会を開催しますが、前日の夜に南紀白浜で、小規模に開催します。

日時:1/6(金)の19時開演。開場18時半。

場所:「ホテルシーモア」和歌山県西牟婁郡白浜町1821。

参加費:五百円

予約:ayan19@i.softbank.jp に連絡を。お名前、人数、お子様の有無が必要情報なので送信してください。

メール送信できていれば、受付済みと理解してください。満員で断る際は、必ず返信します。

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【木下黄太 講演会 IN和歌山市】  

  福島第一原発事故後の今

 

日時:  1月7日(土)午後1時半~3時半(受付開始1時~)

場所:和歌山市男女共生推進センター  6階ホール

和歌山市小人町29番地(あいあいセンター内)
TEL  073-432-4704

 

 

 

 

http://www.city.wakayama.wakayama.jp/bunka-sisetu/danjo/index.html

◎会費:  1人500円(中学生以上)  お釣りのない様にお願いします。

◎定員:  153名

◎申込:  お問合せやご予約(1.お名前、2.住所、3.参加人数(お子さまを含む)、4.電話番号)はメールでお願いします。

wakayama1008children@gmail.com

◎主催:  和歌山避難者の会

*託児はございませんが、お子さま連れでのご参加も大歓迎です。会場の隣に自由に出入り出来る子ども室があります。授乳、オムツ替え、お子さまの休憩や泣き止まない時にご利用下さい。
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「木下黄太 講演会 in奈良 」

 

 

日時:1月14日(土) 午後2時~4時(受付開始 午後1時30分~)

場所:奈良市音声(おんじょう)館 ホール

〒630-8335 奈良市鳴川町32-1
電話:0742-27-7700

近鉄奈良駅から徒歩15分、JR奈良駅から徒歩20分

それぞれの駅から、バスもあります。

会場のすぐ近くに専用の無料大駐車場もあります。

詳しくは http://onjokan.city.nara.nara.jp/access.html

保育:保育施設はありませんが、授乳、おむつ替えなどのために、音声館内の和室を利用できます。

会費:一人500円(中学生以上)

申込:(1)参加者の氏名、(2)参加人数、(3)連絡先メールアドレス、

  (4)小さなお子様をお連れの方はその人数を書いて、

  (5)rpp.kinki@gmail.com までメールしてください。

   折り返し受け付け番号をご連絡します。

講演会定員:85人(会場の定員90人)

主催「奈良 こどもの未来をまもる会」「放射能防御プロジェクト近畿」

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「木下黄太 講演会 in富山」 

■日時:1月15日(日)

■開場12:30 開始13:00~15:00終了予定 

■定員:135名

■会費:1,000円(おつりのないようにお願いします)

■場所:富山駅前CIC 3F 学習室1
〒930-0002 富山県富山市新富町1-2-3
富山ステーションフロントCiC

■アクセス:
http://www.cicnavi.com/contents/access/index.html

■駐車場:富山市営桜町駐車場、JA駅前パーキング、富山市駅前桜町駐車場、マリエ富山駐車場などをご利用ください。

■託児はご用意できませんが、お子様連れでの参加もお待ちしております。

■お申し込み:ご予約(お名前、住所、電話番号、参加人数を記入)、お問合せはメールにてお願いします。savechildtoyama@yahoo.co.jp

■主催:放射能から子どもを守ろうin富山
http://ameblo.jp/savechildtoyama/
放射能から子供達を守る活動を中心に行う有志のお母さん達で立ち上げた団体です。

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「木下黄太  講演会 in石川・こまつ」

 放射能は今!~ 私たちができること、すべきこと

日  時 1月16日(月) 10~12時
場  所 こまつまちづくり交流センター
参加料 500円
❤託児室あります。(要予約)❤
放射能から子どもたちや、未来を守るために立上りました。
知っておきたい、放射能の本当のこと。
具体的な提案とすべきことをお伝えします。

主催 放射能を考える会 (特)こまつNPOセンター

 

 

こまつNPOセンター事務局

TEL 0761-25-1010

 komatsu.npocenter@iris.ocn.ne.jp

 

 

 

 

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 「木下黄太 講演会 in 鹿児島 」 
    放射能による健康被害を知ろう。震災ガレキについてみんなで考えよう。
   

■日時:  1月21日(土)午後6時半~8時半(受付開始 午後6時~)

■場所: 姶良市文化会館(カノンホール)の会議室

    〒899-5241 鹿児島県姶良市加治木町木田5348-185
    TEL 0995-62-6200

http://www12.synapse.ne.jp/kanonhall/gaiyou.html


■会費:  1人500円(中学生以上)  お釣りのない様にお願いします。

■定員:  150名程度

■申込:  お問合せやご予約(1.お名前※カタカナで、2.参加人数(お子さまを含
む)、3.電話番号)はメールでお願いします。
    ・個人情報は、講演会終了後すぐに削除致します。

kagoshima21gareki@yahoo.co.jp

■主催: 個人(団体無所属、※椅子、机の出し入れで、ご協力頂けると助かります。)

※託児はございませんが、お子さま連れでのご参加も大歓迎です。
※当日、文化会館ではコンサートがあり駐車場で混雑すると考えられます。
 なるべく車は乗合でお願い致します。
※お客様によるビデオ撮影、写真撮影、録音はご遠慮下さい。

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「木下黄太 講演会 in 宮崎・都城 」 
    放射能による健康被害を知ろう。震災ガレキについてみんなで考えよう。


■日時:  1月22日(日)午前9時半~11時半(受付開始 午前9時~)

■場所: 都城市総合文化ホール 会議室 

    〒885-0024 宮崎県都城市北原町1106番地100
    TEL : 0986-23-7140

http://mj-hall.jp/access/index.html#accessmj

■会費:  1人500円(中学生以上)  お釣りのない様にお願いします。

■定員:  90名

■申込:  お問合せやご予約(1.お名前※カタカナで、2.参加人数(お子さまを含
む)、3.電話番号)はメールでお願いします。
    ・個人情報は、講演会終了後すぐに削除致します。
       
miyazaki22gareki@gmail.com


*託児はございませんが、お子さま連れでのご参加も大歓迎です。

■主催: 個人(団体無所属、※椅子、机の出し入れでご協力頂けると助かります。)
※お客様によるビデオ撮影、写真撮影、録音はご遠慮下さい。

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「木下黄太 講演会 in 秋田」

日時: 1月25日(水)
      午後6:00開場、午後6:30開演

場所: 秋田大学教育文化学部3号館 3-145教室(別名、60周年記念ホール)

以下の学内地図では、図書館⑱の下、3号館③の左部分一階にあたります。
駐車場が限られており、なるべく秋田駅から徒歩あるいはバスをご利用くだ
さい。自動車の場合、正門から入り、踏切のような検問で守衛室に電話をか
けて指示に従ってください。

http://www.akita-u.ac.jp/honbu/info/in_map.html

資料代: 500円(高校生以下無料)、釣銭のないようにお願いします
参加申し込み: 以下のホームページで行います:

http://akitacity.web.fc2.com/lecture.html

問合せ: 090-6709-9255(かがや)
定員: 250名
主催: 放射能を拡散させない市民の会(秋田県中央)

託児班はございませんが、お子さま連れでのご参加も大歓迎です