午前中に観たボリショイ.バビロンとは打って変わって《バレエボーイズ》は、純粋にバレエダンサーを夢見る14歳の少年たちの輝く青春のドキュメンタリーでした。
北欧・ノルウェーの首都、オスロでプロのバレエダンサーを目指す3人の少年——ルーカス、トルゲール、シーヴェルト。
男子にはめずらしいバレエの世界で、切磋琢磨する彼らを追います。
まだ世に出る前の彼ら、周りのサポートを受けてひたすら練習に励む彼らの言葉は、とても純粋。
「バレエダンサーになることしか考えられない。」
「すごい人達とバレエを踊ってみたいんだ。」
最初にプロの世界のドロドロを見てしまっただけに、この子たちの清らかさが余計に心にしみる。
ルーカスとトルゲールは、純粋にノルウェー人で白人。
アジア人であるシーヴェルトは、両親から「将来も保証されていないダンサーなんかではなく、きちんとした収入を得ることが出来る職業を目指してほしい。」と言われています。
ご両親は、アジア人が白人社会で生きることの過酷さを知っていらっしゃるんでしょうね。
また、3人は学校の面談で「バレエダンサーになれなかったら、どうする?違う道も考えておいた方がいい、ダメなら屋台でウインナーでも売るの?」などと問われて色々と思い悩む場面があり
「夢がある?それは素晴らしい事だ、がんばってその道を目指すんだ。」と言うセリフは出てこないんだ、とちょっと驚きました。
家に帰って夫にそのことを話したら、「へぇー、アメリカとは違うね。」とやっぱり驚いていた。
3人の中でルーカスだけは、そんな風に言われることを気にもせず「僕にはバレエダンサーになることしかないんだ。」と動じる様子もありません。
両親からも先生からもバレエを辞めたら?と言われて気持ちが揺れるシーヴェルト。
「バレエもしたいけど、勉強もしなくちゃいけないし、友達とも遊びたい、全部やるなんて無理、、、、でも本当はバレエだけをしていたいんだ。」
こんな言葉を聞いてしまったら、思いっきりバレエをやんなさい、と言ってあげたくなる。
一度は、バレエをあきらめることを決意しますが、どうしてもあきらめきれずにバレエの世界に戻ってくるシーヴェルト。
トルゲールは、将来のことはまだ考えていない友達がやってるからバレエをしている、と言った感じ。
同じように将来を考えるにしても、それぞれが少しづつ違っています、でもやっぱりバレエへの思いの強さが道を開くんでしょうか、
ルーカスだけが出願していないにも関わらず、名門・英国ロイヤル・バレエスクールからオーディションの招待状が届きます。
不安を抱えながらも希望にあふれてルーカスはオーディションを受けて、そして合格します。
合格したルーカスには、高額の学費、言語の問題、環境の変化、等の心配があったけれど「おめでとう、学費は何とかするわ、がんばって」と言う暖かいご両親の言葉がルーカスの背中をそっと押します。
このルーカスの家族が、本当にいい家族でベタベタしてないのにあったかくてとっても素敵。
同じバレエスクールに通っていた頃は、ロッカールームで3人で喋ったりふざけたりが何よりのストレス解消で、一番落ち着く、といった風でしたが
ルーカスが合格してからは、3人の関係が微妙に変化していくのは致し方ない事でしょうね。
おめでとう!と言いながらもやっぱり羨ましくもなるでしょうしね。
カメラはそんな彼らの微妙な変化も写し取っています。
最後は、レベルの高いロイヤルバレエスクールで懸命に練習するルーカスと地元のバレエ学校に進学するシーヴェルトとトルゲールの映像で終わります。
キラキラした笑顔が眩しいこの3人が、これからどんな人生を歩んでいくんだろうとそれがとても気になる映画でした。
(追記)
バレエを選んだシーヴェルト、それが正解と思いました。
バビロンの中で罪を犯したパーヴェル・ドミトリチェンコが
「僕はバレエが好きでダンサーになったんじゃない、両親にチョコでつられて学校に入れられてしまったんだ、仕方なくね。」みたいなことを言って自嘲気味に笑っていました。
自分で選んでいたら失敗も納得できるけど、そうじゃなかったら両親を恨みそうな気がします。
バレエボーイズの映画HPに彼らのその後が載っていました。
《2015年のルーカス》英国ロイヤル・バレエ・アカデミー卒業後、ロイヤル・バレエ団に研修生として入団。2015年8月より本拠地であるロイヤル・オペラ・ハウスの舞台に立つ事が決まっている。
インスタグラム
《2015年のシーヴェルト》若手ダンサー登竜門の「ローザンヌ国際バレエコンクール2015」のファイナリストに選ばれるなど、精力的にバレエ活動を行っている。
インスタグラム
《2015年のトルゲール》2015年7月からノルウェー軍への入隊が決まった。
彼らのインスタグラムが見られるなんて、すごい時代ですね~!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/8e/78450fb265dfca84475a1b63d1859e61.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/cd/37cce2adf93be67d00f952770bcd637b.jpg)
向かって左からトルゲール、真ん中がシーヴェルト、右がルーカス
北欧・ノルウェーの首都、オスロでプロのバレエダンサーを目指す3人の少年——ルーカス、トルゲール、シーヴェルト。
男子にはめずらしいバレエの世界で、切磋琢磨する彼らを追います。
まだ世に出る前の彼ら、周りのサポートを受けてひたすら練習に励む彼らの言葉は、とても純粋。
「バレエダンサーになることしか考えられない。」
「すごい人達とバレエを踊ってみたいんだ。」
最初にプロの世界のドロドロを見てしまっただけに、この子たちの清らかさが余計に心にしみる。
ルーカスとトルゲールは、純粋にノルウェー人で白人。
アジア人であるシーヴェルトは、両親から「将来も保証されていないダンサーなんかではなく、きちんとした収入を得ることが出来る職業を目指してほしい。」と言われています。
ご両親は、アジア人が白人社会で生きることの過酷さを知っていらっしゃるんでしょうね。
また、3人は学校の面談で「バレエダンサーになれなかったら、どうする?違う道も考えておいた方がいい、ダメなら屋台でウインナーでも売るの?」などと問われて色々と思い悩む場面があり
「夢がある?それは素晴らしい事だ、がんばってその道を目指すんだ。」と言うセリフは出てこないんだ、とちょっと驚きました。
家に帰って夫にそのことを話したら、「へぇー、アメリカとは違うね。」とやっぱり驚いていた。
3人の中でルーカスだけは、そんな風に言われることを気にもせず「僕にはバレエダンサーになることしかないんだ。」と動じる様子もありません。
両親からも先生からもバレエを辞めたら?と言われて気持ちが揺れるシーヴェルト。
「バレエもしたいけど、勉強もしなくちゃいけないし、友達とも遊びたい、全部やるなんて無理、、、、でも本当はバレエだけをしていたいんだ。」
こんな言葉を聞いてしまったら、思いっきりバレエをやんなさい、と言ってあげたくなる。
一度は、バレエをあきらめることを決意しますが、どうしてもあきらめきれずにバレエの世界に戻ってくるシーヴェルト。
トルゲールは、将来のことはまだ考えていない友達がやってるからバレエをしている、と言った感じ。
同じように将来を考えるにしても、それぞれが少しづつ違っています、でもやっぱりバレエへの思いの強さが道を開くんでしょうか、
ルーカスだけが出願していないにも関わらず、名門・英国ロイヤル・バレエスクールからオーディションの招待状が届きます。
不安を抱えながらも希望にあふれてルーカスはオーディションを受けて、そして合格します。
合格したルーカスには、高額の学費、言語の問題、環境の変化、等の心配があったけれど「おめでとう、学費は何とかするわ、がんばって」と言う暖かいご両親の言葉がルーカスの背中をそっと押します。
このルーカスの家族が、本当にいい家族でベタベタしてないのにあったかくてとっても素敵。
同じバレエスクールに通っていた頃は、ロッカールームで3人で喋ったりふざけたりが何よりのストレス解消で、一番落ち着く、といった風でしたが
ルーカスが合格してからは、3人の関係が微妙に変化していくのは致し方ない事でしょうね。
おめでとう!と言いながらもやっぱり羨ましくもなるでしょうしね。
カメラはそんな彼らの微妙な変化も写し取っています。
最後は、レベルの高いロイヤルバレエスクールで懸命に練習するルーカスと地元のバレエ学校に進学するシーヴェルトとトルゲールの映像で終わります。
キラキラした笑顔が眩しいこの3人が、これからどんな人生を歩んでいくんだろうとそれがとても気になる映画でした。
(追記)
バレエを選んだシーヴェルト、それが正解と思いました。
バビロンの中で罪を犯したパーヴェル・ドミトリチェンコが
「僕はバレエが好きでダンサーになったんじゃない、両親にチョコでつられて学校に入れられてしまったんだ、仕方なくね。」みたいなことを言って自嘲気味に笑っていました。
自分で選んでいたら失敗も納得できるけど、そうじゃなかったら両親を恨みそうな気がします。
バレエボーイズの映画HPに彼らのその後が載っていました。
《2015年のルーカス》英国ロイヤル・バレエ・アカデミー卒業後、ロイヤル・バレエ団に研修生として入団。2015年8月より本拠地であるロイヤル・オペラ・ハウスの舞台に立つ事が決まっている。
インスタグラム
《2015年のシーヴェルト》若手ダンサー登竜門の「ローザンヌ国際バレエコンクール2015」のファイナリストに選ばれるなど、精力的にバレエ活動を行っている。
インスタグラム
《2015年のトルゲール》2015年7月からノルウェー軍への入隊が決まった。
彼らのインスタグラムが見られるなんて、すごい時代ですね~!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/8e/78450fb265dfca84475a1b63d1859e61.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/cd/37cce2adf93be67d00f952770bcd637b.jpg)
向かって左からトルゲール、真ん中がシーヴェルト、右がルーカス