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ほうれん草のお浸しからの連想

2010年02月06日 | 映画
”ほうれん草のお浸し”を食べるときに必ず脳裏に浮かぶシーンがある。
「女ざかり」
  1994/大林信彦監督 主演吉永小百合

家庭内での食事シーン。
小百合さんは、ほうれん草のお浸しと卵焼きを本当に美味しそうに食べていた。
緑のほうれん草と卵焼きの黄色が食卓を温かく彩り、ご飯と味噌汁という
ごくごくローカルな食べ物が食卓に並ぶ。
それを吉永小百合が口元に運び、もぐもぐ食すシーンだけが鮮明に10数年経ても
色褪せず思い出せる。
綺麗だった人が食物を食べるシーンであれほど綺麗に食べる人はそうそうない。
場所、食べる物(お浸し、卵焼き)という設定柄、品よく食べるという故意の意図を
全く感じさせず、健やかに空きっ腹を満たす。
ただ、それだけなんだけど、そこはかとなく清潔な色気が感じられる。
私はこの映画を見て初めて吉永小百合(当時46才)という女優の美しさに気付いた。
(あくびのシーンも綺麗)

この作品を見てから数日、ほうれん草と卵焼きセットのメニューが続いた。
本当に本当にこの取り合わせは美味しく飽きることがなかった。
恐らく、このシーンを見たら「食べたい」と思うのは私だけではないはず。


原作は丸谷才一の「女ざかり」。
女性編集者で仕事が出来、楚々とした風情で独身生活を麗しく過ごしている。
しかし、彼女が不倫しているなんて誰も知らない。騒がず慌てず、それぞれが
最低限のけじめをもって対処しているから・・・。
ただ、タイトルに多少抵抗があった
たまたま実家に里帰りしているときに読んでいた本で、兄に「何、読んでる?」
と表紙をひっくり返してタイトルを確認されたときに非常にうろたえた
「この人、絶対誤解した」と思った。
兄にこのタイトルから連想されることは何だかとても恥ずかしかった。
「あれ?」というような雰囲気が一瞬漂った(気がする)







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