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面白いを堪能

2014年11月22日 | 映画
久しぶりの満足感いっぱいの作品だった。
「天才スピヴェット」 フランス/カナダ

監督・ジャン=ピエール・ジュネ(「アメリ」の監督)
脚本・ジャン=ピエール・ジュネ/ギョーム・ローラン
原作・ライフ・ラーセン「T・Sスピヴェット君」

「アメリ」のような類の作品が好きだ。
その監督の作品だというので迷わず気持ちが「見る」方向へダッシュした。
結果、大満足である

 昆虫博士の母親(ヘレナ・ボナム=カーター)の影響を強く反映し科学者としてのずば抜けた
素質をもつ天才少年だ。
幼くして天才、という設定なのでやはり周辺の現実から浮いている。
その浮き加減の描写がこの監督の得意技だ。
(3D映像なのでその面白さに相乗効果有り)
広大な牧草地のロケーションの中に「我が家」があり、ませた姉がいて、寡黙で独創的な父がいて、
こうありたいと思わせるような母がいる。
この母親像にヘレナ・ボタム=カーターがピタリと嵌る。
日々、昆虫の研究に没頭しながら家事をこなす。研究の場が家庭の中にあるのでその混ざり具合
が目に愉しい。家の中はきちんと片付いているよりも、映像の中の程よく散らかり、程よく片付いて
いる感じが気持ちが安らぐ。ごちゃごちゃした映像の中から面白探しをするこの感覚が
この監督作品が好きな理由の一つでもある。

この家族の中で欠けてしまったのが二卵性双生児だったスピヴェットの弟だ。
スピヴェットは銃の事故で弟を亡くした事に責任を感じている。
ラストに近づき母親がその事故に関してスピヴェットに諭した言葉のなんと明解なことか。
「子どもに銃を与えたこと」
「その銃を子どもたちが使用しているときに監督するものが不在だったこと」
「なので、それは避けられない出来事だった」
だから、君が責任を感じることはないのだ。(要約)
科学者らしい明解さがあり、私はこの言葉少ないけれど力強い言葉に小さな拍手を送った。

各所、映像の想像力の豊かさに気持ちよく満たされました。

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