「硝子のハンマー」貴志裕介/2005/ミステリー
2007年に文庫化され2017年に20刷目を発行しているというヒット作である。
貴志裕介はかなり前に「青の炎」「黒い家」あたりを何冊か読み(共に印象深く残っている作品)、
「硝子のハンマー」は全くの盲点だった。
今回、TVドラマ特別編で再放送され、最終回(6/29放送)の榎本・佐藤学の対峙場面での余韻が強く残り、
原作が気になり早速読んでみた。
原作を読んでから映像が定番コースの私だが、今回逆コースで辿ることになったこの作品はキャストの映像がぴったり嵌り
夢中で一気に読める面白さだった。
榎本に大野智をキャスティングした時点でドラマの成功は決まっていたと言っても過言ではないほどピタりと嵌る。
貴志さん、初めから大野ありきで創作したような気さえしてくるほどだ。
原作の榎本と青砥純子の人物像はドラマとは趣が少し違っている。
ふたり共に原作の方がちょいワイルドだ(ちょい、ね)
なので、こういう榎本がこういう青砥が見たかったという気持ちが随所で盛り上がりぐんぐん惹きつけられる。
例えば、
ふたりは一緒にマックへ行くし、新宿でお酒も飲む(仕事絡みの話でだが)
榎本はお酒飲みながらビリヤードもするし、泥棒稼業で敏捷に動けるように鍛えてる様子も見える。
なにより青砥を食事に誘うところなんてドラマ画面から想像もできない。
このギャップありありの榎本の描写が新鮮だ。
もちろん榎本一番の持ち味である冷静沈着飄々とした感は健在である
青砥純子の頭脳のキレと感情のキレ具合もなかなか面白い。
あぁ、原作どおりで演出して欲しかったなと思う。
時々は微笑し、ワイルドな会話もし、敏捷に探索する榎本径。
もちろん、もちろんあの映像のままでも充分面白くはあるけど、表情豊かに演じられる大野がもったいないと
感じてしまうのはファンでもあるからか。
佐藤学の事件に至る過程は約200ページ使い詳細に知ることが出来たが、榎本の生い立ちは想像の範囲を超えることはなかった。
(かなり迫っている箇所はあるのだが)
驚いたのは鴻野刑事とのやりとり・・・・秘!
ラストの佐藤学との対峙場面は原作とは全く違うが、ここはドラマ場面の方がセリフと共に印象が良い。
ドラマ(映像)と本のステージの違いということか。
600ページの長編を2時間という枠に鮮やかに収めた脚本家の力量に恐れ入る。
2007年に文庫化され2017年に20刷目を発行しているというヒット作である。
貴志裕介はかなり前に「青の炎」「黒い家」あたりを何冊か読み(共に印象深く残っている作品)、
「硝子のハンマー」は全くの盲点だった。
今回、TVドラマ特別編で再放送され、最終回(6/29放送)の榎本・佐藤学の対峙場面での余韻が強く残り、
原作が気になり早速読んでみた。
原作を読んでから映像が定番コースの私だが、今回逆コースで辿ることになったこの作品はキャストの映像がぴったり嵌り
夢中で一気に読める面白さだった。
榎本に大野智をキャスティングした時点でドラマの成功は決まっていたと言っても過言ではないほどピタりと嵌る。
貴志さん、初めから大野ありきで創作したような気さえしてくるほどだ。
原作の榎本と青砥純子の人物像はドラマとは趣が少し違っている。
ふたり共に原作の方がちょいワイルドだ(ちょい、ね)
なので、こういう榎本がこういう青砥が見たかったという気持ちが随所で盛り上がりぐんぐん惹きつけられる。
例えば、
ふたりは一緒にマックへ行くし、新宿でお酒も飲む(仕事絡みの話でだが)
榎本はお酒飲みながらビリヤードもするし、泥棒稼業で敏捷に動けるように鍛えてる様子も見える。
なにより青砥を食事に誘うところなんてドラマ画面から想像もできない。
このギャップありありの榎本の描写が新鮮だ。
もちろん榎本一番の持ち味である冷静沈着飄々とした感は健在である

青砥純子の頭脳のキレと感情のキレ具合もなかなか面白い。
あぁ、原作どおりで演出して欲しかったなと思う。
時々は微笑し、ワイルドな会話もし、敏捷に探索する榎本径。
もちろん、もちろんあの映像のままでも充分面白くはあるけど、表情豊かに演じられる大野がもったいないと
感じてしまうのはファンでもあるからか。
佐藤学の事件に至る過程は約200ページ使い詳細に知ることが出来たが、榎本の生い立ちは想像の範囲を超えることはなかった。
(かなり迫っている箇所はあるのだが)
驚いたのは鴻野刑事とのやりとり・・・・秘!
ラストの佐藤学との対峙場面は原作とは全く違うが、ここはドラマ場面の方がセリフと共に印象が良い。
ドラマ(映像)と本のステージの違いということか。
600ページの長編を2時間という枠に鮮やかに収めた脚本家の力量に恐れ入る。