思い出したくないことなど

成人向き。二十歳未満の閲覧禁止。家庭の事情でクラスメイトの女子の家に居候することになった僕の性的いじめ体験。

引きずり出す

2011-10-29 02:53:13 | 8.夏休み恥辱編
 その晩は八回まで射精させられたような気がする。あるいはもっとだったかもしれない。気が付けば周囲は明るくて、僕は畳にうつ伏せに倒れていた。相変わらず素っ裸のままだったけど、手足のロープは解かれていた。手首と股関節がずきずきと痛む。鴉の鳴き声がし、家の前の通りで自転車の甲高いブレーキ音が響いた。
 背中から内腿にかけて精液の沁み付いたにおいがした。口もカラカラに乾いて、唾を飲み込むと精液の味がする。それも当然だった。射精させれらた精液をほとんど飲まされたのだから。僕は立ち上がり、自分の部屋に戻った。とりあえずパンツを穿こうと思ったのだけど、部屋には脱いだパンツが無かった。Y美がどこかに隠したのだろう。下の階からおば様が朝の支度をする物音が聞こえる。僕は、身にまとう布切れが一つも無い状態で階段を下りた。
 おちんちんに手を当てて居間に現われた素っ裸の僕を見て、おば様がにっこり微笑んだ。「おはようございます」
 挨拶をする僕のひどくやつれた様子に、
「どうしたの。体の具合が悪いの?」
 と、心配そうに訊ねる。体調は別に普通だったけど、夕べY美に散々精液を絞り取られたので、元気が出ない。
「大丈夫です」
 こう答えると、おば様が僕の体に鼻を近づけて、
「におう。やだ、あなた、あれからまたオナニーしたの?」
 と、呆れ顔で笑う。
 そこへ、中学の制服に着替えたY美が入ってきた。おば様はY美に向かって、
「この子、精液臭くてたまらないの。お庭で体を洗ってあげて。でも、オナニーは男の子の習性だからあまりいじめちゃ駄目よ」
 と、言いつけた。
 面倒くさがりながらY美が居間の網戸をあけると、突っ掛けに足を入れて庭に下り立つ。僕の手首を掴み、庭の芝生に引っ張り出す。僕が素っ裸であることなど、Y美はなんとも考えていないようだった。踝が隠れるまでに伸びた芝生が足の裏に心地よく感じられたけど、Y美は僕を芝生の切れた土まで移動させ、そこにじっと立つように命じた。
 至近距離からホースの先を僕に向ける。強い水圧が僕の体のあちこちを打った。いきなり冷たい水を浴びせられ、思わず水から逃れようとする。そんな僕をY美が叱り、手をおちんちんから放し、両手は頭の後ろで組め、と怒鳴る。
 昨晩、たっぷり時間をかけてじっくり観察されたおちんちんがY美の向けるホースの水に打たれて、小さく怯えた形のまま揺れている。Y美の指示に従い、そのままゆっくり体を回す。背中からお尻にかけてもたっぷり水で打たれ、元に位置に戻ると、Y美が洗剤で泡立つ水を張ったバケツにモップを突っ込んでいた。柄を握り変えてバケツから取り出すと、モップの先から洗剤の泡と水が光を弾きながら滴る。
「じっとしてろよ」
 Y美は、モップを僕の胸に押し当て、ぐいぐい押しながら、ゆっくりと下腹部の方へ下す。モップのぬるぬるした気持ち悪い感触がおちんちんに当たる。足の指先までたどり着くと、今度は上昇させる。モップは胸から首に到り、ついには僕の顔までごしごし洗うのだった。モップを何度もバケツに入れては、執拗に僕の体に強く押し当てて、擦る。僕の裸体に洗剤の泡が随所に残り、虹色に輝いた。
 モップでお腹や胸、下腹部をどしどし突かれ、後退りする。よろめきながら後退する僕を、Y美は明らかに楽しんでいた。頭の後ろで組まされた両手が離れると、Y美に顔にモップを押しあてられる。Y美の視線は、やはり、おちんちんに向くことが多かった。おちんちんが小さくなってぷるんぷるんと震える様は何度見ても面白い、とY美がS子に話していたことがあったが、まさに今の状態だった。Y美がにやにや笑いながらモップで突き続ける。とうとう僕の背中とお尻がフェンスに当たった。
 と、背後で高齢女性らしい人のだみ声が聞こえた。Y美がよそ行きの明るい声で挨拶をする。家の敷地に隣接する畑で女の人が茄子を新聞紙に包んでいた。フェンスに体を押し付けられる素っ裸の僕を見て、おばさんが「またこの子、悪さしたんだね」と、言った。
「悪さ?」
 Y美が聞き返すと、
「そう、悪さ。だからいつも裸にされてるんだろ。でも、それは正解だよ。言うことを聞かない男の子は裸に剥いてやればいい」
 Y美が僕の体をモップで擦りながら、畑の女の人に、汚れた僕の体を洗っているところだと伝える。この女の人は、僕が素っ裸で往来を歩かされているところを何度か目撃しているらしい。
 何かが僕のお尻を触った。Y美が力づくで僕の体の向きを変えるので、女の人の正面におちんちんが来た。思わず手で隠したがすぐにY美に腕を取られた。フェンスの隙間から女の人が手を出して、おちんちんを軽く握り、引っ張る。フェンスの隙間におちんちんがすっぽりと袋ごと入ってしまった。
 好き放題におちんちんをいじられている。女の人はY美と普通に世間話をしながら、土に汚れた手でおちんちんをいじり、いろんな角度から観察し、
「なんか元気がないみたいだけど、どうしたの?」
 と、Y美に訊ねるのだった。背中に腕を取られた僕は羞恥に身をくねらせるながら、「もうやめて、許して」と、哀訴を繰り返す。Y美が、ふと僕の顔を見て、
「この子、べそかいてる」
 と、言った。

 Y美が食べ残したパンの耳と容器の底に残ったヨーグルトを台所で手早く食べ、洗顔などの朝の支度をする。目まぐるしい忙しさだった。すでに支度を整えたY美に「早くしろよ、愚図」などと罵言を浴びせられる。僕は相変わらず素っ裸のままだった。家を出る直前になって、玄関で靴を履くのと同じタイミングでようやく服が与えられる。
 学校では表面上は普通の人と同じように過ごすことができるので、僕には快適だった。あと一日で夏休みに入るのが恨めしい。学校が終わると、地元の夏祭りのステージで行われるマジックショーの練習のために鷺丸君の家にメライちゃんと直行した。
 道々、僕たちは、僕たちがもっと幼かった頃の思い出話を語り合った。メライちゃんは夏になると毎年、家族で海水浴に行き、メライちゃんをはじめ女の子は水着が与えられたけど、弟たちはいつも素っ裸だったという。ナオス君はどうだったの、と訊かれ、僕は砂場で着替えさせられたけど一応水着は穿いていたと思う、と答えた。幼い頃は、同年代の男の子は水着も与えられずに波打ち際で遊んでいるところをよく見かけたものだった。でも、僕はそうではなかった。砂山を作っている真っ裸の男の子がふと顔を上げて、水着をまとった僕を眩しそうに見た目を思い出す。幼い頃、夏は一年で最も楽しい季節だった。縁側でいとこたちと西瓜を食べたこととか、親戚のおじさんがかき氷を作ってくれ、好きなシロップを好きなだけかけたことなど、なんでもないことが今となっては記憶の中で輝いている。メライちゃんは僕の話を聞いて、「いいな、羨ましいな」とぼそりと呟き、「私もなんだか西瓜が食べたくなった。かき氷も食べたい。ね、今度一緒に食べようよ」と、僕の腕を揺すりながら言った。今の僕にメライちゃんと二人だけで行動する自由は許されていない。僕は、「そのうちにね」とだけ返した。
 鷺丸君の家に着くと、すぐに作業台の並ぶ部屋に通された。ここでマジックショーの時の衣装に着替える。
「早く着替えて。ナオス君は服を脱いでパンツいっちょうになってね」
 お姉さんがメライちゃんと僕を急かす。メライちゃんは僕と同じ場所で着替えさせられることに非常な抵抗を示したが、お姉さんはメライちゃんの願いを一蹴した。ブルマと白い半袖の体操着に着替えるメライちゃんは一度制服を脱ぎ、下着姿にならなくてはならない。顔を赤く染めたメライちゃんは、僕が先に準備してこの部屋を出るまで動かない決心をし、怒ったような、きりっとした目で僕を睨み付けている。観念した僕はメライちゃんの見ている前で服を脱いだ。
 今さっきの、幼い頃の思い出話を語った時の僕を捨てなければならない。僕はメライちゃんに見つめられながら、制服のワイシャツとズボン、靴下を脱ぎ、下着のシャツを首から抜き取り、ブリーフの白いパンツ一枚になる。このパンツ一枚がマジックショーでの僕に許された唯一の衣装だった。マジックの練習の時は、いつも僕だけがパンツ一枚の裸にさせられる。すぐに部屋から出ようとする僕をメライちゃんが呼び止め、脱いだ服はきちんと畳まないと鷺丸君のお姉さんに怒られると忠告してくれた。メライちゃんには、パンツ一枚の姿どころか、素っ裸まで見られている。Y美に打たれて真っ赤に腫れたお尻を見て、メライちゃんが短く叫んだのを思い出す。でも、まだおちんちんは見られていない。そう思って僕は気を取り直す。メライちゃんは、マジックの練習を通して、もう僕のパンツ一枚の姿は見慣れたようだと思った。制服を畳む裸の僕をじっと見つめて、微動だにしない。
 母屋から六角形のアトリエに移動し、一時間ほど、みっちりマジックの練習に励んだ。鷺丸君は口上の文句を丸暗記していて、何遍繰り返しても同じ言い回しを崩さず、その場の雰囲気によって幾らでも変わりそうな語尾すらも判で押したように決まっているのだった。メライちゃんが感心すると、鷺丸君は、ふんと鼻を鳴らし、「いつもステージの時はそうなんだよ」と、冷たく笑って、じっと体操着姿のメライを見つめる。メライちゃんのブルマから伸びた白い脚がぴくりと震えた。
「やだ。そんなに見ないでよ」
 上ずった声でメライちゃんが抵抗を示すと、
「お臍が見えてる。お臍を出そうか」
 鷺丸君がメライちゃんのめくれた体操着の裾を指して、言った。メライちゃんは短く悲鳴を上げて裾を下ろした。鷺丸君は僕のお臍を見て、二人のお臍が似ていると指摘した。お姉さんがメライちゃんの体操着の白いシャツの裾を引っ張り上げる。メライちゃんはいやがって、恥ずかしそうに顔を赤く染めて首を横に振る。しかし、お姉さんはいやがるメライちゃんなど全然意に介さず、メライちゃんのお臍を露わにしたまま、パンツ一枚の僕に並んで立つように命じるのだった。鷺丸君とお姉さんは、メライちゃんと僕のお臍を見比べ、「似ている」とか「似ていない」とか、凡そ僕にはどうでもよいことについて、自分たちの感じ方をぶつけ合う。
 とにかくマジックの練習が終わったので、僕は早く服を着てメライちゃんと帰路を共にしたかったのだが、お姉さんが、脱ぐ時は僕が最初だったのだから、着る時は後にするように指図したので、メライちゃんが先に作業台の並ぶ着替えの部屋に入った。その間、居間でぼんやりと立っていると、鷺丸君とお姉さんがソファに並んで座り、僕をじろじろ見つめる。
「いつも白いブリーフのパンツなんだね」
 お姉さんがにやにや笑いながら、僕をからかう。
「ぴちぴちのサイズだし、恥ずかしくない?」
 意地の悪い質問をするお姉さんを鷺丸君が肘で突っつく。しかし、お姉さんは軽く鷺丸君の肘を払って、なおも僕に対して、「いつもパンツいっちょうの裸にさせられて悔しくないの?」とか「Y美さんに頭が上がらないのは、きみが限られた時しか服を与えられてないからじゃないの?」などと、僕の羞恥を煽ろうとするので、鷺丸君は呆れてどこかへ行ってしまった。入り代わりにお母さんが来て、パンツ一枚の姿でお姉さんの前で狼狽している僕に同情の言葉をかけた。着替えを終え、学校の制服姿に戻ったメライちゃんが居間に入ってきて、お母さんに挨拶をする。僕が着替えの部屋に向かうと、お母さんに背後から呼びとめられた。Y美が来たと言う。
 とりあえず服を着てからY美のところに行こうとしたけど、お母さんが「至急来てほしいみたいよ。服は後にしたら」と言った。しばらく迷ったが、愚図愚図してY美の機嫌を損なうのはまずいと考え、パンツ一枚のまま玄関に向かう。
 玄関では、メライちゃんが好んで着るような明るい色のワンピース姿のY美が怒ったような顔をして僕を待っていた。いきなり僕の手首を掴み、外へ引っ張り出した。僕がパンツ一枚の裸であることなど、全く意に介さないのだった。
 そのまま外に引っ張り出された僕は、庭の大きな木蓮の木陰まで来ると、頬をひっぱたかれた。朝、洗面台の水が出しっ放しだったと言う。覚えがないけど、Y美は確かに僕のせいだと責める。Y美が学校から帰るまで、ずっと蛇口からちょろちょろと水が流れていた。慌ただしかった朝のことだから、もしかするとしっかりと蛇口を締めなかったかもしれない。水を出しっ放しにしたのは僕ではないという自信が揺らぎ、「ごめんなさい。もしかすると締め忘れたかもしれません」と、頭を下げて詫びた。と、立て続けに左右の頬を平手打ちされた。
「ふざけんな。謝って済む問題かよ。居候の奴隷のくせに」
 激しい怒りをぶつけられる。頬が熱を帯びて痛い。耳がツーンとする。恐る恐る顔を上げると、Y美の憎悪のこもった目と目が合ってしまった。
「私の顔色うかがってる暇があったら反省しろよ」
 パンツのゴムを手に取り、抗う僕の手を払いながら、やすやすと引き摺り下ろす。「やめて。お願いだから」と、訴えたけど、とうとう足首から抜き取られてしまった。
「お願いですから返してください」
「駄目だよ。反省する時はいつもこの格好でしょうが」
 素っ裸に剥かれた僕は両手でおちんちんを隠し、Y美の前でうなだれる。Y美が僕の手の甲をぴしゃりと叩いた。
「気をつけの姿勢。忘れるなよ、叱られてる時はおちんちんを隠さないの」
「許して。みんなが見てる」
 泣きそうな気持ちになって小さな声で訴える。でも、Y美の返事は素っ気なかった。
「駄目。背中向けてるから、関係ないじゃん。気をつけ」
 近くで油蝉が鳴いている。恥ずかしさで一杯の僕の頭の中でその鳴き声がわんわん響いた。Y美が説教をする位置は丁度木蓮の木陰で、涼しい風の通り道でもあった。それに対して、説教される僕は、Y美とわずか半歩しか離れていないにもかかわらず日向で、風があまり来ない場所にじっと立ち尽くしている。母屋の縁側に背中を向けているのだが、時々僕の肩越しにY美が意味ありげな視線を向けているので、鷺丸君やお姉さん、お母さんが全裸にされて叱られている僕の後姿を大きなガラス戸から見ていることと考えられる。もしかすると、その中にメライちゃんもいるかもしれないと思うと、絶望的な気持ちになった。同級生のY美に唯一身に着けていたパンツを没収され、気をつけの姿勢のまま、説教されている僕の情けない姿を見て、メライちゃんはなんと思うことだろう。
 夏の強い日差しの中、奇妙に明るい空間が広がる。僕の裸の背中、お尻は、冷房の効いた居間からしっかり見えているに違いない。メライちゃんには前にもお尻を見られたけど、今回は今まで以上にじっくり眺められる。メライちゃんが持ち前の心遣いを発揮して目を逸らしていてくれると有難いけど、僕からはメライちゃんが見ているかどうかは分からないので、もしかすると、メライちゃんは心遣いの必要性を覚えず、好奇心の赴くまま、Y美にはおちんちんを丸出しにした素っ裸の状態で説教される僕の後姿をじっくり眺めているかもしれない。
 水道が出しっ放しであったことについてY美は非常なストレスを感じたらしく、怒りのこもった説教を長々と続けた。全くいつ終わるともしれない、長い説教だった。僕はその間、手を体の側面にくっ付け、指先を伸ばしたまま、じっとY美のピンク色のサンダルを見つめていた。暑い日差しが首に当たる。もちろん首だけでなく、衣類を全く纏わない僕の全身にくまなく日光が降り注ぐのを感じる。熱のこもった土の盛り上がりを通して、足の裏まで日光を浴びているようだった。
 ドアのあく音がして、ふと見ると、メライちゃんがお母さんに見送られて出てきたのだった。いつまでも叱られている僕を待ち切れず、先に帰ることにしたのだろう。メライちゃんが玄関を向いて会釈し、笑顔の固まった表情でうつむき加減に門までの小道を歩いて来る。
 Y美にも会釈をしたようだったけど、Y美は黙って頷いただけだった。僕のすぐ後ろを通る時、メライちゃんが、
「ごめんね。先に帰るね」
 と、悲しそうな声で詫びた。固まった笑顔が崩れて、今にも泣きそうになっていた。あまりにも惨めな僕とどうすることもできない自分に苛立っているようにも見えた。僕は何も言葉を返すことができなかった。ただ、Y美に命じられた気をつけの姿勢を崩して、両手でおちんちんを隠すばかりだった。
 門の外へ出る前に、メライちゃんはもう一度こちらを向いた。それは挨拶のためというよりは、素っ裸のままY美に叱られている僕の姿を確認するためのようでもあった。その目は何かを決意したかのような強い意志を漲らせている。両手でおちんちんを隠しながら、早く行くように目配せする僕を見て、小さく頷くと、門の外へ姿を消した。
「誰の許可を得ておちんちん隠してんだよ」
 Y美が僕の頬を平手打ちする。僕の後ろに回り、両手を取って万歳させる。上下に振って小さく縮んでいるおちんちんを揺する。そこへお姉さんが来て、僕の乳首やお尻を撫でた。短パン姿のお姉さんの長い脚がしなやかで、今にもおちんちんが回し蹴りを受けそうで怖かった。Y美とお姉さんがお喋りをしながら、僕の体のあちこちを抓ったり叩いたりした。Y美はお姉さんに、今からバスに乗って町へ買い物に行くのだと言った。久し振りにアクセサリーとか洋服とか欲しくなったとのことだった。
 買い物には僕も連れて行かれることになった。Y美に後ろからしっかり両手を掴まれて、無防備になったおちんちんの前に、お姉さんが腰を下ろした。居間に移ってもなお素っ裸のままいじめられ続けている僕を鷺丸君がソファで足を組みながら冷やかに見ている。テレビには露出度の高い衣装をまとったアイドルタレントが映り、腰を揺すって音程のあやしい歌声を聞かせる。お姉さんの手がおちんちんに触れる。絆創膏に糸を通しておちんちんにぐるりと貼り付ける。糸を引っ張ると、おちんちんがむっくりと鎌首をもたげるという塩梅だった。
 パンツだけでなく下着のシャツも着ることを許されない僕は、素肌の上に直に制服のワイシャツを着た。Y美に急かされ、鷺丸君の家を後にする。僕としては、下着がないとはいえ、とりあえず衣類を身に付けた安堵感があった。唯一気がかりだったのは、おちんちんに貼られた絆創膏に固定された糸で、チャックの隙間を通して糸がY美の手にぐるぐると巻き付けられている。
 バス停でバスを待っている時、Y美がズボンのチャックを開けるように命じた。これから発達した場所、商業施設がたくさん寄り集まって、デパートや日本の各地につながる電車の駅がある都市に行く。人の数がこの辺りの比ではない。そんな場所で恥ずかしい格好になんか絶対になれない。僕は緊張によって声を震わせつつ、Y美に理由を訊ねた。が、Y美は、
「いいから早く開けろ」
 と、ぶっきらぼうに繰り返す。僕が渋っていると、いやがる僕から力ずくでズボンを奪い取ってしまった。急いでベンチの後ろに隠れ、糸を付けられたおちんちんを手で隠しながら、早く返してほしいと訴える。まもなくバスが来てしまう。と、Y美がズボンを道路の端に放り投げた。下半身裸のまま取りに行く僕の横を何台もの車が通り過ぎた。
 急いで足を通したズボンは、チャックを上げたり下ろしたりする時につまむ金具が取り外されていた。学校の制服のズボンなのに、これではいつもチャックの開いた状態である。僕は泣きたい気持ちを抑えて、Y美に、
「酷いです。なんでこんなことを」
 と、閉じようのない前開部を見つめながら抗議したが、Y美は、
「素直に従わないからだよ」
 とだけ返して、バス停に表示された時刻表を覗き込んだ。
 バスに乗ると、Y美は二人用の席は選ばず、その手前の一人用の席を腰を下ろした。おちんちんを紐でつながれている僕は、他にも空いた席があるのに、Y美の脇に立ち、吊り皮に掴まるしかない。次のバス停では、女子高生たちが乗り込んで、Y美の後ろの二人掛けの席を二つ占めた。後ろの方の二人掛けに座った二人は、前の席の二人へ身を乗り出して、お喋りに興じている。
 あっと思った時には遅かった。Y美が糸を引き、ズボンの前開部から、おちんちんを引っ張り出した。もたげたおちんちんが出ていた。女子高生の会話が中断し、沈黙があり、忍び笑いが起こった。急いで鞄を下ろし、おちんちんをしまう。しかし、チャックが締まらないので、また糸を引かれたら出てきてしまうのは防ぎようがない。Y美は知らぬ顔をして窓の外に目をやりながら、糸を引く。女子高生は、何度もおちんちんを露出させられては慌てる僕をくすくす笑いながら見ていた。
 雑踏では早足のY美に遅れないように必死に歩かなければならなかった。Y美と僕の距離が1メートル以上離れると、おちんちんがすっと顔を出してしまう。女の人の集団とすれ違う時は、距離に関係なくおちんちんを外へ出された。Y美が面白がってわざと糸を引くのだった。ぎょっとした顔をして睨み付ける人、目を逸らす人などいろいろいたけど、大抵は軽蔑の冷たい視線を浴びた。
 Y美が洋服やアクセサリーの類を選んでいる時、そういうものにまるで興味がない僕も退屈なのを我慢してじっとY美に付き添う。少しでも離れると、ズボンからおちんちんを出されてしまうから、仲の良いカップルのようにいつもY美にくっ付いていなければならなかった。それでも、親しげに会話することもなく、一方的に僕が従者のようにY美の後ろに付き添うので、Y美と僕の関係をあやしく思った人もたくさんいたに違いない。若い女の店員がY美に僕のことを指して、
「彼氏ですか? ずいぶん優しいそうですね」
 と、話し掛けたが、Y美は、
「違います。ただの奴隷です」
 と、ぴしゃりと返した。女の店員が目を丸くしていると、すかさず糸を引き、ズボンからおちんちんを引っ張り出すのだった。学校の鞄の他にY美の買った品物を持たされ両手の塞がっている僕は、すぐに鞄を落として、おちんちんをしまう。女の店員が口に手を当て小さく笑うと、気を利かすかのように僕たちから離れた。
 おちんちんを引っ張り出された時、誤って自分の鞄ではなくY美の品物を落としてしまうと、酷い命令を受けることになる。ファーストフード店でY美が食事をしている間、ずっとおちんちんを出していなさい、と言い付けられたのは、Y美の買ったお気に入りのシャツを落とした罰としてだった。隣りでは同い年くらいの女の人たちが学校の制服姿のまま、テーブルを囲んで賑やかに喋っている。他にも席はあるのに、Y美は、わざわざ女の人たちの席の近くを選ぶ。
 ハンバーガーもポテトも飲み物も全てY美の分しかなく、お金を一円も持たない僕にはポテト一切れを摘まむことすら許されない。ここまでのバス代を出してもらったことに感謝しなさい、とY美が恩着せがましい顔をするのだが、僕はY美に無理矢理連れて来られ、ここでもまたテーブルの下でおちんちんを露出させられているのだった。
 Y美が静かに微笑む。おちんちんに硬い物が当たった。サンダルを脱いだY美がズボンの前開部から引きずり出されたおちんちんを両足で挟むのだった。痛い。思わず手で払うと、Y美に睨まれる。隣りの女子中学生たちに気づかれてもよいのか、とその目は語っていた。Y美がテーブルの下の狭い空間に手を伸ばし、おちんちんを弄び始めた。ポテトを摘まんだその手は塩でべたべただった。Y美の手が執拗におちんちんを揉み、扱く。快感の波がおちんちんの袋から徐々に広がる。呼吸が荒くなり、平静を装うのが困難になる。もう少しで精液が出てしまうその時、いきなりY美の手がおちんちんから離れた。と、隣りの女子中学生から悲鳴が起こった。Y美がテーブルをずらしたのだった。すっかり大きくなったおちんちんが明るい所に出されて狼狽するかのようにひくひく上下に揺れる様が露わになった。女子中学生たちの表情が強張っていた。


5 コメント

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はじめまして! (野良犬)
2011-10-29 05:03:46
何かあったんじゃないかと心配していました。
お元気で良かったです。
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大丈夫だったんでしょうか? ()
2011-10-29 14:55:35
何事もなく良かったです、相変わらず文章しっかりしてますね・
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こんにちは (ネコ)
2011-10-30 10:26:42
久しぶりの更新ですね。
もうブログを止めてしまわれるのかと思っていました。
これからも、楽しみにしています。
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愛読者です (ぺんたろ)
2011-10-30 23:28:38
わぁPublic Humiliationですね。
いいないいな こんな局面に憧れちゃいます。
久しぶりに以前のを読み返してみたら最初に
書かれてから、もう四年にもなるんです。
すごいです。
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Unknown (34jp)
2012-11-28 23:10:27
Y美って平気で、男の子のパンツ脱がしたり、チンチン触ったりするんですね。
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