思い出したくないことなど

成人向き。二十歳未満の閲覧禁止。家庭の事情でクラスメイトの女子の家に居候することになった僕の性的いじめ体験。

長すぎる散歩

2013-02-11 15:49:47 | 8.夏休み恥辱編
 周囲が突然明るくなったような気がする。目が覚めると、僕は、昨日と同じように、白くてさらさらした砂の中から体を起こした。相変わらず丸裸のままだった。おちんちんの根元にロープが掛けられ、側溝の下の岩に繋がっているので、砂場から出ることができない。すぐ近くに大きな樫の木があり、ぎっしりと葉の茂った枝を縦横に広げていた。あの木がなければ、夏の強い日差しが直接砂場に射し込んで、とてもいつまでも寝ていられなかっただろうと思う。
 それにしても昨晩の出来事を思うと、体じゅうの剥き出しの肌が羞恥で火照る。ルコとFさんの夕食の残りを四つん這いで食べさせられた僕は、その後、ルコの思いつきによって、立ったままオナニーをさせられた。年少の女の子と一人の女の人が帰っただけで、残りの女の人たちはトランプで大いに盛り上がっているところだった。両手両足がロープによる拘束から解かれたものの、ルコの命令、女の人たちの視線という透明な鎖が僕を縛りつけていることに変わりはなかった。
 ほとんどの男の子オナニーをするという話だが、実際にその現場を見たことのある女の人は少ないから、是非みんなの前で「いつもやってるみたいに」するようにルコが命じ、女の人たちが囃した。しっかり射精するまでやらないとみんなの前で浣腸する、とルコに脅されながら、おちんちんを扱き続けた。自分が今とてもつもなく惨めな晒し者になっていることを意識するまいと努力したけど、棚のガラス戸におちんちんを扱く自分の立ち姿が映っていて、それが体育座りする女の人の頭の上にしっかり見える。トランプを中断した女の人たちが送る声援には、深い侮蔑の念が込められていた。自分でおちんちんを扱いて自ら快楽の波を作り出した僕は、その波に攫われるようにして、とうとう皆の見ている前で精液を出してしまった。
 羞恥のあまり思考力を失った僕は、その後、もう一度、Xの形に全裸の身を拘束され、今度はお尻の穴を中心に責められた。広げられたお尻の穴に女の人たちの噛み終えたガムが次々と入れられる。最後にルコがビー玉を三つ四つと押し込んでゆく。
 猛烈な便意に襲われた僕は、ロープを解いてもらって自由になっても、家の中のトイレは使用が許されなかったため、どこでうんちをして良いか分からず、体中から苦しみの脂汗を滴らせて、「トイレに、一刻も早く、お願します、トイレに行かせてください」と、頼み込まなければならなかった。
 縁側から庭に放り出された僕は、女の人たちが一面に敷き詰めた新聞紙の上でしゃがみ込んだ。ライトが点灯し、庭先は室内とほとんど変わらぬ明るさになった。限界に達した僕は、肛門から外へ抜け出ようとする圧力に屈し、目をつむった。女の人たちから悲鳴と笑い声がほぼ同時に上がった。足元の新聞紙が破れ、そこから草と土が見えた。僕は羞恥に震えながら立ち上がった。足の指が新聞紙の紙片を掴んでいた。
 Fさんが「もうそろそろ11時だよ」と教えなければ、みんなはまだまだ帰らなかったに違いない。昨日から二日続けて浣腸させられ、それぞれ異なる女の人たちに排泄行為をまざまざと見られた僕は、屈辱を通り越した脱力感に襲われ、Fさんが慰めの言葉とともに僕の腕を取ってくれなければ、四つん這いの姿勢から立ち上がることができなかった。ルコとFさんに連れられ暗い道を歩き、新聞紙に包んだ排泄物を丘を超えた先にある川まで流し、ついでにそこで体を洗った。川のゆったりとした流れの上に月の光がゆらゆら揺れていた。 
 朝の挨拶とともにFさんが僕のところへ来て、昨日ルコがやってくれたことを代りにしてくれた。側溝の蓋を外して、岩に結わいたロープを解く。朝の散歩の時は四つん這いを強制されなかったが、僕が真っ裸であることに変わりはないので、通常の二本足でFさんと一緒に歩くと、これはこれで妙に恥ずかしい気がした。用水路沿いの農道に出る頃、ルコが追いつき、立っている僕のお尻をぎゅっと抓った。僕はペットだから四つん這いで歩かねばならないのだった。
 農道を通るのは専ら歩行者か自転車だった。たまに白い軽トラックがゆっくり通り、端に寄って道を空ける人と言葉のやりとりをする。人が来る度に僕は道沿いの用水路に落とされた。通行人が通り過ぎるまで生温い水の中に頭まで沈められた僕は、びしょ濡れの体を乾かす間もなく農道を出て、雑木林に向かう遊歩道を四つん這いで進んだ。
 ルコとしても丸裸で散歩させている僕の姿を近隣の人々に見られると面倒になるのか、細心の注意を払って人の目から隠してくれたが、前方から近所の人たちが来た時は、身を隠すような用水路がなかったので、ルコは随分焦ったようだった。Fさんが僕を素早く立たせ、大きな樺の木の後ろに隠してくれたが、足元は急斜面だった。たちまち滑った僕は、下の湿地帯に尻餅をつき、全身泥だらけになってしまった。
 おちんちんに括り付けられたロープを上からルコとFさんが引っ張った。おちんちんの袋にロープが食い込む痛さに耐えながら、蔓や木に掴まり、急斜面を上る。蔓が切れたり捕まった石が土中から抜けたりして、何度か湿地帯まで落ちた。ルコがロープを掴んでいれば途中で止まったのだけど、その分おちんちんの袋にロープが強く食い込むことになるので、湿地帯まで落ちたとしても仕方がなかった。湿地帯の沼にお尻から着地した僕の体がずぶずぶと沈んでいき、底の知れない怖さがあった。沼にぶくぶくとメタンガスの泡が立った。全身が沼に沈んで顔を残すばかりとなった僕を見下ろして、Fさんが心配そうに声を掛けてくれた。二人が引っ張り上げてくれなかったら、僕は確実に沼に沈んでしまっただろう。
 素っ裸の身を泥塗れにした僕をじろじろとルコが眺め、「泥で隠れたから裸でも恥ずかしくないんじゃないの?」と冷やかした。雑木林を抜けた先には遊水地があり、朝の早い時間帯から釣り糸を垂らす人たちがいる。ルコとFさんがベンチに腰かけて、今日のような朝から暑い日には有難い、木立を抜けて吹く涼風を浴びた。ベンチの横の地面に腰を下ろした僕は、おちんちんのロープを外してもらったことで少しばかりの開放感を味わった。ルコが言った通り、全身に泥が付着しているので、向こうの岸の釣り人たちからは僕が真っ裸でいるようには見えないと思う。これも有難かった。
 遊水地まで来て引き返すのが昨日の散歩コースだった。しかし、今日のルコは、向こうの岸沿いにある公園まで足を伸ばそうと提案した。公園には少なくない数の人がいるけど、僕の体が全身泥に塗れて丸裸に見えないという事実がルコを大胆にさせたようだった。嫌がる僕に対し、ルコは、おちんちんにロープは付けないと約束し、代りにせっせと歩くように命じた。二人の後ろについて、遊水地の周りの整備された小道をとぼとぼ歩く。しかし、幾ら泥を塗りたくった体でも、人とすれ違う時にはさすがに全裸だってばれてしまう。大柄な男の人が振り向いて、
「靴も履かない裸足だから変だなと思ったけど、真っ裸じゃないか。どうしたんだ?」
 と、訊ねた。その人の腕をしつかり掴んでいる女の人が細い眉根を寄せて、泥にまみれた僕の体をじろじろと眺めた。うまく返答できない僕をルコが笑っている間にFさんが適当に返し、僕は裸で泳いでいたら服を無くし、慌てて隠れようとして沼地に落ちたことになった。
 公園に入ると、子連れの家族がいて、ルコとFさんの後ろを歩く泥塗れの僕に好奇の視線を容赦なく注いだ。池のそばで女の子が泣いていた。Fさんが訊ねると、大きなビーチボールを池に飛ばされてしまったと言う。岸から十五メートル程離れた杭の近くに赤いビーチボールが浮いていた。風に押されて、どんどん流されているようだった。釣り人のおじさんが連れのおばさんに「もう諦めるしかないかも」と言うと、おばさんは女の子をなんと慰めようかと思案するような顔つきになった。女の子のお母さんが「あなたが不注意だからでしょ」と責め、女の子は益々大きな声を上げて泣いた。と、ルコが女の子にすぐに取ってきてあげると請け負い、僕の方を向いた。
「そんな、勘弁してください。池に入ったら泥が落ちて裸だってばれてしまいます」
 女の子に聞こえないように小声で抗議すると、ルコは、
「駄目。取ってきなさい。女の子が泣いてるのに、ナオス君、なんともないの?」
 と、みんなに聞こえるような声で僕の不人情を非難した。
「でも、いいんですよ。お洋服が濡れてしまうから」
 女の子の母親がルコの申し出に感謝しながらも辞退の意を告げた。
「この子、裸だから濡れても大丈夫なんです」
 と、ルコが返すと、母親の手が一瞬止まり、「裸?」と聞き返した。ルコが大きく頷く。
 女の子のためには池に入るのもやむを得ないとFさんもまた考えているようだった。僕は観念して土に腰を下し、池に足にを入れた。膝までの水位だったのは岸からほんのわずかな先だけで、すぐに胸までの深さになった。おじさんが釣り竿片手に「気をつけな。この池は意外に深いよ」と叫んだ時には、僕はもう足の着かないところにいて、頭まで水の中に漬かってしまっていた。
 平泳ぎをして流されたビーチボールを追いかけた。杭の近くまで行くと、池の中に水草が異様に繁茂していた。この辺りは浅くなっていたけど、足を着けると沼に取られるので、敢えて平泳ぎを続けた。僕の体に無数の緑の水草が巻き付いては解ける。途中から更に浅くなり、立ち上がって歩いた方が早いくらいだった。でも、そうすると岸にいる人たちに素っ裸であることがばれてしまうので、腹這いになって進んだ。お腹の下で水草が擦れる。水草のぬるぬるした感触がおちんちんに先ほどからずっと当たっている。
 進んで行くとまた少し深くなり、揺らめく水草を搔き分け、やっとのことで赤いビーチボールのある杭のところまで来たが、ここには杭が狭い間隔で二本、岸側から見て縦に並び、このビーチボールの先に付けられた紐は、沖の方の杭に引っ掛かっていた。僕は杭と杭の間に体を入れて釣り糸に絡んだ紐を解こうとした。杭のあるところは、再び足の届かない深さであり、僕は背中を杭に当てて後ろから両足で杭を挟み、目の前の杭に絡んだ紐を解こうとした。その杭に巻き付いた釣り糸がビーチボールの紐を解けにくくさせていた。
 杭にはびっしりと水草から絡み付いていて、僕の背中やお尻、太腿が杭に密着して上下に揺れると、水草にごしごしと体を擦られるような感触を覚えた。ふと僕は自分の胸や下腹部、おちんちんや太腿を見て、愕然とした。泥がすっかり洗い落され、前よりも白くなった肌が剥き出しになっている。水に浸かるだけで泥が落ちてしまうことは予想されたが、水草の上を腹這いになって進んだおかげで、水草で擦った体が洗いたてのようにきれいになってしまった。これでは、岸に上がったら、素っ裸であることがどんな遠くからでもはっきり分かってしまう。そして、この杭にみっしりと絡み付いた水草に背中やお尻を密着させたまま上下に何度も動いてしまったので、恐らく後ろも前と同じように泥が落ちて白くなってしまったことと思われる。
 杭に巻き付いた釣り糸の間からビーチボールの先端に付けられた紐を取り出し、やっとの思いでビーチボールを押しながら、なるべく水面から体を出さないようにして戻った。岸辺のうんと浅くなる手前でまずビーチボールを女の子に向かって投げると、女の子が嬉しそうな顔をして受け取った。みんなの視線が女の子とビーチボールに集まれば良いと思ったが、そうはいかなかった。なかなか池から上がろうとしない僕に「早く上がりなさいよ」とルコが急かした。
 おちんちんをしっかり手で覆って素早く浅瀬に移り、岸から上がる。慌てた僕は足元が滑って、転びそうになった。ルコとFさんが僕の手を左右から取り、せっかく覆ったおちんちんが丸出しになってしまった。岸辺の人たちがわっと驚きの声を上げた。
「裸って、まさか、ほんとの裸んぼとは、思わなかった」
 女の子の母親が目をぱちくりさせながら、顔を赤らめた。
「泥だらけだったのに、まあ、すっかりきれいになって」
 釣りをするおじさんの横でおばさんがクックッと愉快そうに笑う。おじさんは、釣り糸を垂らしたまま、あんぐりと口をあけて、僕のすっかり泥を落とした湯上りのような体を見つめる。女の子までがビーチボールを持ったまま、じっと僕に視線を注いで動かない。
「あのお兄ちゃん、どうして裸んぼなの?」
「泳いでたら、お洋服なくしちゃったんだって」
 女の子の質問に母親が答えて、にっこりと笑う。それから、母親と女の子はルコとFさんにお礼を述べて、二人にバナナを渡した。なぜか池に入ってビーチボールを取りに行った僕には、一言もなかった。そればかりか、僕とは視線を合わせようとせず、僕と目が合いそうになると、露骨に不快そうな表情をして目を逸らした。それでもおちんちんを隠してもじもじする僕を楽しそうにちらちら見ることだけはやめなかった。
 公園が騒がしくなった。男の子たちが「公園に素っ裸のお兄ちゃんがいるよ」と叫んで回ったため、多くの人が集まってしまった。さすがに好ましくない事態になりつつあると察したルコとFさんは、とにかく走ってこの場から逃げることに決めた。一二の三で走り始めたのだが、ルコが向かったのは、来た方向とは逆だった。足の速い二人に置いて行かれないように懸命に走ったが、靴を履いている二人が難なく走り抜ける道も素っ裸で裸足の僕には辛かった。ついに二人の姿が見えなくなるほど引き離され、心細さを覚えながら山道を素っ裸のまま走り続けた。前方から来た人たちに裸でいることを詰られても無視して走り抜けた。階段になった山道を下りると、広い敷地の陰にルコとFさんがいた。すぐそばに河原があり、ごろごろ転がる石の向こうに川の流れる音が聞こえた。
「遅いよ、ナオス君は」
 肩を上下させて荒く呼吸する僕をルコが詰った。ルコは、誤って反対方向に逃げてしまったことを後悔していた。少し距離はあるけど、山は通らずに普通の道を通って帰る。これがルコとFさんの話し合った末の決断だった。
「公道だから車も人も自転車も通るけど、歩くしかないかなって思ったの。おちんちんをロープで括るのは勘弁してあげるし、手で隠してもいいから、諦めて歩くんだよ。なんで裸なのって人に聞かれたら、川で泳いでいたら洋服を失くしたってナオス君の代わりに私たちが答えてあげるから。そういうのって男の子ならよくあることでしょ。一昨日もナオス君、素っ裸のまま白昼の道を歩かされたよね。その時は手でおちんちんを隠すことも許されてなかったよね。あの時とは違う場所だし、隠してもいいんだから大丈夫だよね? 恥ずかしくても我慢できるよね?」
 あまりのことに絶句する僕にルコが何度も念を押してくる。僕としては来た道を戻らないのであれば、どこから服を、パンツ一枚でもいいから持ってきてもらいたかった。近くにゴミ捨て場があるので、そこから布切れ一枚でも探してくるのは造作の無いことのように思われた。しかし、僕のその願望はルコの失笑を買っただけだった。
「私たちにゴミ漁りをさせる気なの? 素っ裸のペットの分際で」
 ルコがつんと人差し指で僕の額を突いた。今まで押し黙っていたFさんが自分よりも頭一つ背丈の低い僕の頭を撫でながら、
「川に入ったり山に隠れたりして歩くのは、人に見られることは少ないかもしれないけど、とっても危険だと思ったの。そりゃ、恥ずかしいのはよく分かる。でも、我慢して歩こうよ。何かあったら私が守ってあげるから」
 と言って、僕を自分の胸に抱き寄せた。Fさんのやわらかい胸の膨らみを感じ、スカートの裾に触れたおちんちんが反応しかかった。僕はおちんちんに手を当てて、黙って頷いた。ルコが先ほど女の子のお母さんから貰ったバナナを渡してくれた。ルコもFさんも家を出る前に朝食を済ませたようだったが、僕は朝から何も食べていなかったので、すぐにバナナを二本食べた。
 恥ずかしい目に散々遭って、まだこれからもいろんな人に素っ裸で歩いているところを見られると思うと、足が震えた。歩かされる距離も長い。Fさんの話では約五キロくらいとのことだった。まだ僕が覚悟を決められない内にルコがどしどしと歩き出し、Fさんが続く。このまま置いてけぼりになって山に隠れるという考えが浮かんだけど、すぐにルコに見つかりY美に告げ口されるだろう、酷いお仕置きを受けることになるだろう、と連想が働き、僕もガードレールの内側の歩道を歩き始めた。
 山に沿った県道は直接日の当たらない涼しい道だった。時折車が通ったけど、ガードレールが僕の下半身を隠してくれた。山が終わり、周囲に荒れ果てた土地が広がった。土を盛り上げて作ったピラミッドのような山のそばにショベルカーが放置され、近くに転がる幾つものドラム缶が強い日差しを浴びて、鈍い光を放っていた。
 前を歩くルコとFさんの色違いのソフト帽が互いに近づいたり離れたりしている。行く手から白いランニングシャツを着たおじさんが来て、バケツを提げていた。二人が立ち止まると、おじさんはバケツを下ろした。何か話している。おちんちんをしっかり隠したまま僕が追いつくと、水を張ったバケツの中に一匹のウナギがいた。この近くの清流で捕れたと言う。おじさんが首に巻いた手拭いで顔の汗を拭いてから僕に目を向け、なんで裸なのか、とぶっきら棒に訊ねた。感心してウナギを見ていたルコが膝を伸ばして説明すると、おじさんは笑って、「ちんちん見せてみろ」と僕をからかった。恥ずかしがって首を横に振る僕にルコが「見せてあげなよ」と言い、僕の手を取って力づくでおちんちんから離した。おじさんは「まだほんの子どもだな」とおちんちんをぴんと指で弾いた。熱心にウナギを見入っていたFさんが顔をこちらに向けて、微笑んだ。おじさんは、「お姉さんたちの言うことをよく聞くんだぞ」と僕に忠告すると、よっこらしょと重そうな腰を上げ、麦藁帽子を被り直してから立ち去った。
 しばらく歩くと、ルコとFさんが曲がり角の手前で立ち止まった。黙って僕が追いつくのを待っている。ここからは少しずつ人家が増えて、その先は区画整理された住宅地に入る。当然今までとは比較にならないくらい多くの人がいる。ルコは、そのようなことを説明した後、「覚悟はいい?」と不安に俯く僕の顔を覗き込んで問うのだった。ルコ、僕、Fさんの順番で歩いたらどうか、という僕の提案は、あっさり却下された。せめて後ろにFさんがいてくれたら少しは羞恥と不安を減じることができるのだが、そうすると、ルコがFさんとお喋りができない、というのが却下の理由だった。
 人がいっぱいいる道に入ったにも拘わらず、ルコとFさんの歩くスピードは変わらないどころか、逆に遅くなったような気がした。僕は、前を行く二人との距離をぐんと縮め、背の高い二人に隠れるようにして歩いた。おちんちんを隠す手が汗ばんでいた。険しい顔つきで僕を睨む若い男がいて、思わず顔を伏せると、大きな音を立ててドアを閉めた。トラックに木材を積み込み中の男の人たちが仕事の手を止めて、真っ裸のままルコとFさんの後ろを歩く僕を不思議そうに見つめた。
 十字路を過ぎ、区画整理された土地に一軒家が並ぶ住宅地に入った。子どもたちの遊ぶ賑やかな声がした。小学四年生くらいの女の子が二人、或いは三人でかたまって、道のあちこちにいた。素っ裸の僕を見て、くすくす笑っていた。縄跳びを飛んでいた女の子が他の女の子に駆け寄り、「やだ。裸で歩いてる」と聞えよがしに言って忍び笑いをした。家の前で洗車をする男の人は、ホース片手に僕を見て、驚いたような顔した。裸で歩かされている理由をルコから聞いた男の人は、「馬鹿だなお前は」と罵って、ホースから迸る水を僕の体に満遍なくかけた。
 困ったのは、僕の後ろを子どもたちがにやにや笑いながらついてくることだった。男の子がぱしんと紐のようなもので僕のお尻を叩いた。振り返ると、素早く後ろへ逃げる。男の子だけでなく女の子も混じった集団は、どこまでもついてくるようなので、不安になった僕はルコとFさんに相談した。しかし、ルコは「真っ裸で歩いているのが珍しいんでしょ。ほっときなさいよ」と取り合ってくれなかった。
 あっと思った時には、僕は手拭いを噛まされ、体を横向きにして運ばれて行った。子どもの集団が僕の体を抱えて、走った。ルコやFさんが気づいたのかどうかも定かではない、一瞬の出来事だった。
 運び込まれたのは、住宅地の裏手にある空き地だった。大きな楓の木のそばの茶色い土の上に仰向けに置かれた僕は、両手両足を大の字に開いた形で押えられ、おちんちんをいじられた。男の子が女の子におちんちんの説明をしながら、僕のおちんちんの皮を剥いた。僕は口に挟まれた手拭いを吐き出して叫び、必死に抵抗したけど、子どもたちの数が多くてとても敵わなかった。そのうち、リーダー格の女の子がおちんちんの袋を揉みしだきながら、「ここが男の子の弱点でしょ」と男の子たちに聞いた。男の子たちがそうだと答えると、「どれくらい痛がるものか、試してみない?」と意地悪そうな笑みを浮かべて言った。一人の男の子が「でもほんとに痛いから、止めたほうが」と言いさすと、「だったらあんたで試してもいいんだよ」とリーダー格の女の子が凄み、その男の子は、「この人で試してください」とあっさり降参した。
 子どもたちのいろんな手が僕の体をまさぐった。男の子がリーダー格の女の子に言われて僕のおちんちんを扱いた。その男の子は自分以外のおちんちんを扱くのは初めてだと言って照れ笑いをした。僕の乳首を吸う男の子もいた。気がつけば僕の体をまさぐるのはみんな男の子で、これもリーダー格の女の子の言いつけに従っているのだった。その他の女の子たちは、男の子のそばにしゃがみ込んで、僕の悶える姿をじっと見つめていた。
 素っ裸の身を弄ばれながら、僕は大きな声でルコとFさんの名を呼び、助けを求めたけど、リーダー格の女の人に顔を踏まれ、黙るように命じられた。女の子たちがなぜ丸裸で歩いていたのかと僕に質すので、ルコの話した通りのことを述べると、リーダー格の女の子の靴先が口の中に入ってきた。土の苦い味が口中に広がった。
「嘘つかないの。あんた、初めから真っ裸だったじゃないの。遊水地の公園にいた頃から」
 リーダー格の女の子は、あの公園から逃げ出した裸の男の子が僕であることを知っているようだった。別の女の子が「妹がこの人に池の中のビーチボールを取ってもらった」と言った。
「あんた、初めから裸で歩くのが好きな変態じゃん。変態にはお仕置きしなきゃ」
 そう言ってリーダー格の女の子は立ち上がり、僕の開かれた股の間に立った。やめるように哀願する僕は、「その言葉遣い、なんとかしなよ」と注意された。この子どもたちは僕のことを年下と思っているようだった。僕が中学一年であると告げると、子どもたちは驚きの声を上げた。
 男の子の扱きによって大きくなってしまったおちんちんを足で軽く突きながら、リーダー格の女の子が「年上でも関係ないから。少なくとも私より背が低いでしょ。それにこのおちんちん」と、せせら笑った。
「やめて。お願ですから、やめてください」
 股の間に入っておちんちんの袋を足で小突くリーダー格の女の子を見上げて、僕は恐怖に涙をこぼしながら哀訴した。大丈夫軽く蹴るから、という声が聞こえたと思ったら激痛に襲われ、悲鳴を上げてがくがくと押さえられた四肢を震わせていた。
「大袈裟じゃないの?」
 一人の女の子が悶える僕を冷たく見下ろしてぽつりと呟くと、男の子が、
「いや、軽く蹴っただけかもしれないけど、ほんとにすごく痛いんだよ。可哀想に」
 と、僕を憐れんだ。
 ルコとFさんに助け出されたのは、僕がうつぶせにされて男の子たちにお尻の穴を広げられている時だった。二人は、少し離れたところから一部始終をずっと見ていたと言う。
「災難ねえ」
 泣きべそをかいている僕を立たせながら、ルコが笑った。

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6 コメント

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Unknown (Gio)
2013-02-11 23:00:03
更新お疲れ様です。
短い間に2本も記事が来ていて嬉しい限りです。
1ヶ月書けなくても、気になさらないでご自分のペースで書いてください。
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更新早すぎてびっくりです ()
2013-02-15 12:22:12
大丈夫でしょうか?普通四十日くらいを目安にこちらはしてたんですが、それにしても相変わらず凄い文章ですよね、ー単行本ならないですかね~他人様ペットー?預かるルコちゃんしっかりしないと間違いあると大変、ーy美から真昼の暗黒みたいにされちゃうー次号期待しています!ご無理なされないように~。
返信する
お礼 (カッパ頭)
2013-03-03 22:31:56
素っ裸なのと、頭まで水中に沈められてしまう描写が時々セットなのはやはり実体験からなのでしょうか?
自分に置き換えて読んでいつも興奮させてもらってます。(cfnm+wamフェチなので)
ありがとうございます。

これからも執筆がんばってください!!
返信する
もうそろそろいいんじゃ? ()
2013-03-28 10:46:07
更新はですがー今か今かとお待ちしてるんです。母の為頑張る主人公に応援してます
5524
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Unknown (江南)
2013-03-30 05:50:33
はやく海水浴場みたいなぁ…
返信する
御礼 (naosu)
2013-04-07 14:17:02
ようやく更新しました。
遅くなりまして申し訳ないです。
いつもありがとうございます。

GIo様
いつもあたたかいお言葉、ありがとうございます。
とても安心します。

櫂様
応援ありがとうございます。
展開がゆっくりですが、少しずつ進みます。

カッパ頭様
ご指摘、ありがとうございます。
水に落とされると大抵頭まで沈められます。
全身びしょ濡れになります。

江南様
海水浴の話もあります。
話の展開が遅くて申し訳ないです。
懲りずに今後もよろしくお願いいたします。
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