バブル期以降急激に天然酵母のパン屋が増えました。これは、この時期消費者は価格の高い美味しいパンを求めていました。購買意欲が高く、それまでのパンに飽きた消費者が新しいパンに引付けられた、タイミングが合っただけのこと。味、香り、食感とは関係なく、高い物が売れる時期であっただけのこと。
時代は変り今は、品質と価格を秤にかけ納得しなければ買わない、商品を見る目は戦後最も厳しい時代です。そんな時、市販のいい加減な天然酵母で美味くも無いパンを焼いても売れるわけありません。当然、経営も厳しくなり、素人が始めたパン屋では商品を入れ替えたり、新商品を投入することも出来ずじり貧状態に陥ります。
全てのパンを天然酵母で作っても消費者ニーズを捉えることは出来ません。1部の商品を天然酵母で作り、その他過半数の商品はイーストで作るべきです。イーストの使用量を抑え、ゆっくり発酵・熟成させたパンの風味は、市販の天然酵母を使ったパンより遥かに美味しいこと確認すべきです。
天然酵母が全てと思っている方、素人に毛が生えた程度のパン屋オーナーは、そんな筈無いと思うでしょう。自身で種を起こせない、そんな低いレベルだから騙されるのです。
騙されない程度の知識と技術を身につける事が急務です。それが売上を改善します。
市販の天然酵母は、袋入りの粉末インスタント松茸の御吸い物です。と言っても、ルバン、液種法、ポーリッシュ法、サワーなど種がありますが、これらの知識と技術が無ければ理解できないでしょうが。