Pains パリの味

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ベーカーテクノサービス

パン屋の価値

2009-11-08 08:07:27 | Weblog

 ルバン(天然酵母)、サワー、ポーリッシュ、なぜ使うのですか?

 個性的なパンを作るため、良質のパンを作るため、工程・労働時間の短縮、
 個性的な独自の商品を創る、これは市販の天然酵母を使って出来ますか?「H」や「A]を使っては不可能ではないですか?

 そもそもルバンは味、香り、食感を決める大事なその店の宝です。これで他店との差別化が出来、品質の高さを誇り、自身の格、店の格を決め、お客様の支持を得る重要な宝で、各店独自の方法で種継ぎをしてきたパン屋の魂といえる物です。
 その魂を他人任せで良いのでしょうか?

 1950年代に入り、イーストの品質が良くなり安定供給が可能になり、各店のルバンが消えて行きました。大型工場が作られ、リテールベーカリーが衰退しイーストを使った量産品が巷に溢れました。しかし、1970年代に入り、リテールベーカリーの復活がはじまりました。これは日本の高度成長で量産品では満足できない消費者が増えてきたためです。フランスパンが定着し、食パンの種類が増え、デニッシュ、クロワッサンが一般的になり、パン屋の店頭が賑やかになり、さらに売上が上がり、益々リテールベーカリーが活発に増殖し始めました。

 しかし、増えたのは技術的な裏付けの無い素人ベーカリーが大半を占めました。これは冷凍生地を供給するメーカーのFC展開が始まったためです。冷凍生地とイーストを多用した短時間発酵の商品が売り場を埋め尽くし、消費者のベーカリー選択が始まるきっかけになりました。
 そこで出てきたのが市販の天然酵母ですが、その市販天然酵母も全国画一商品を作るだけで、店の顔となる商品を作るには力量不足は否めません。

 店の格を決める「種」を人任せでは自身で造るオリジナル商品とは言えません。
自身でルバン=天然酵母を作り、管理できない素人パン屋は、淘汰される前に止めるべきです。