天然酵母とは
何度も書いていますが、天然酵母=ルバンでなければなりません。故に、市販の天然酵母は天然酵母ではない。これが私の持論です。
市販の天然酵母と自家製の天然酵母の大きな違い。
市販の天然酵母は、インスタントドライイーストを混ぜているのではと、疑念を持っています。
市販の天然酵母は発酵力主体のイースト(酵母)製剤、発酵力はあるが、その他の風味を決定つける微生物の割合が少ない。中には分析して見ると、酵母だけで殆ど他の微生物が含まれない物もありました。これは明らかにインスタントドライイーストを小麦粉、大豆粉、玄米粉に混ぜ、販売していると思います。酵母だけでは風味は良くない、アミラーゼが不足しているので生地が過熟成になり、分割前に発酵が止まり、ホイロの時間が長く、窯伸びが無く、所謂駄パン、不味いパンきりできません。また、A社指定の配合にもモルトの使用は無く、こんないい加減な商品と配合を押し付けていたら、ベーカリーは破滅します。頭の固いオーナーは素人ゆえ理解できない。
一方自家製天然酵母=ルバン(Levain nature maison)、ここからが本題です。素人には理解できないと思いますが。ルバンの元は小麦粉、或いはライ麦粉と水です。これだけです。これだけで生地は発酵します。なぜ?それは空気中に浮遊する野生酵母、この空気中の野生酵母をルバンの中で培養して、生地が膨らんできます。確かに時間はかかります。これが古来からのパン作りの基本で、パンの起源にさかのぼる製法でもあります。
ですから、薄いパン、ピタ、ナンなど今のパンとは異なる味、食感があります。しかし、この発酵していない生地を残し手おくと、翌日には膨らんでいます。これが種、ルバンの起源です。この種をさらに置くと酸味が出ます。イーストが出したアルコールが酸化され有機酸に化学変化することと、イースト以外に微生物が繁殖し、有機酸が生成されたと考えられます。そしてこの有機酸は生地の物理性を変える役目と、味、香り、食感の改善など化学的にも作用します。パンの性格を決めるのはイーストだけでなく、他の微生物が重要なのです。繁殖する微生物の種類やその比率は各店、各工場で異なり、異なる風味が生まれます。本当に重要なのはイースト=酵母ではなく、その他の微生物の作用です。これは自身でルバンを造らなければ、このイースト以外の微生物の作用を受けることはできません。ここに市販の天然酵母と大きな違いがあるのです。
市販の天然酵母製剤と自家製天然酵母の違い、解りますか?レーズンから野生酵母を取ればレーズン種、りんご、みかんなど方法は数々あります。自身で造れば材料費は小麦粉やライ麦粉だけ、コスト削減、商品の多様化、食感・風味の改善と差別化、最大のメリットは自身のパン、自分のパンが創れること、他人には真似できないパンが創れること、これでお客様の心が掴めれば売上も良くなります。メリットは数え切れませんが、まだ決断しませんか。本当にやろうと決意のある方なら支援します。
いい加減な商品では、これからの厳しい時代は乗り越えられません。1万5千件あるパン屋が3千件になると言われていますが、どうしますか。
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今です。