奈良のむし探検

奈良に引っ越しました。これまでの「廊下のむし探検」に倣って「奈良のむし探検」としましたが、動物・植物なんでも調べます。

松阪・伊勢・鳥羽旅行2 本居宣長記念館

2024-05-26 21:30:07 | ちょっと足を伸ばして
5月9日から11日まで、三重県の松坂・伊勢・鳥羽へ旅行に行きました。今回はその2回目で、松阪市にある本居宣長記念館と本居宣長旧宅についてです。



本居宣長記念館2階に上がると、「宣長ってどんな人?」という展示がありました。



その横には「文字鎖」という面白いものがありました。要は、57577からなる歌のそれぞれの頭文字が大きな字で書かれています。これを縦に上から読んでいくと一つの歌になり、下から読んでも、横から読んでも、果ては斜めに読んでも歌になっていくという仕組みです。



展示室の中の様子です。



中には「古事記伝」などが展示されていました。これは「古事記伝」再稿本だそうです。





そして、これは「古事記伝」初稿本で宣長自筆だそうです。宣長(1730~1801)は34歳の頃から古事記の研究を始め、1798年68歳のときに「古事記伝」を書きあげました。その間に書かれた初稿本、再稿本が伝わっています。さらに、1785年から出版の話が出始め、1786年に息子の春庭が版下を書き始め、1790年から1822年に版本が出版されたそうです。初稿本、再稿本はカタカナ交じりで、版本はひらがな交じりで書かれています。自筆本は実にしっかりした字で書かれていて、思わず見惚れてしまいました。



これは契沖の「枕詞鈔」を宣長が写したもの。



そして、神代紀の草稿本だそうです。



これは宣長像。



薬箱。



それに旧宅にあったもの。



最後は地図。世の中に流布している地図は城下町や名所など部分的なものばかりで全体が描かれていないといって、宣長が日本全図を描いたものです。





記念館を出て、旧宅に行ってみました。ここは旧宅跡にあった建物を移転したものです。







入り口のツツジにナガサキアゲハが来ていたので、撮りました。





旧宅の1階は中に入ることができました。



2階が宣長の書斎になっていて、鈴が付けられていたので、「鈴屋」と呼ばれていたのですが、残念ながら2階に上がることはできませんでした。







家の内部をいろいろと撮りました。





これは隣にあった鈴屋遺蹟保存会の旧事務所で明治42年に建てられたものだそうです。



建物の前には立派なソテツが植わっていました。

実は、私は子供の頃、三重県の小学校に通っていたので、三重県の偉人として本居宣長のことを習いました。それで、本居宣長はとにかく偉い人なんだと思っていました。それが、最近、奈良市にある率川神社のことを調べ始め、率川神社で行われている三枝祭の起源を調べる中で、宣長の書いた「古事記伝」を読む機会がありました。三枝とは何かという話で、どんなことが書かれているのだろうかと楽しみにしていたのですが、いざ、読んでみると、過去の文献が多数引用はされているものの、宣長自身の考えがはっきりしないし、また、全体の論旨もはっきりしません。さらに、「日の神論争」と呼ばれ、上田秋成と論争を広げたという話があるのですが、その中で宣長の主張している内容があまりにも頑ななので、私の中の宣長像がだいぶ崩れてしまっていました。でも、この展示会を見て、何となく宣長の偉大さがまた感じられるようになりました。

早朝の散歩 ウキクサ

2024-05-25 20:07:01 | 奈良散策
奈良散策 第1169弾


5月17日早朝の散歩のときに撮った写真の続きを出すのを忘れていました。



クズの葉です。こんな食痕を残すのはクズノチビタマムシでしょう。





これはスイカズラ





草むらから、カモが2羽飛び立ちました。それに向かって草むらから猫が飛び上がりました。もちろん届きません。よく見ると、いつも見ている黒ブチ猫でした。



朝の時間だとモンシロチョウはだいたいこんな姿で止まっています。



これはアルストロメリア





最近、ウキクサが気になって、よく写真を撮ります。この写真ではウキクサに比べて圧倒的に小さいウキクサが写っています。これはたぶん、ミジンコウキクサだろうと思います。





これはスターチスと呼ばれる栽培種です。和名はハナハマサジで、イソマツ科だそうです。





これはミズハコベです。



そして、イチョウウキゴケ



これはコウキゴケ属です。これにも何種かあるのですが、まだ調べていません。



これはダールベルグデージーです。



最後はいつも迷ってしまうのですが、たぶん、ウラジロチチコグサだろうと思います。

松阪・伊勢・鳥羽旅行1

2024-05-24 21:30:10 | ちょっと足を伸ばして
5月9日から11日まで、三重県の松阪・伊勢・鳥羽へ旅行に行きました。実は、昨年もまったく同じ日程で、二見浦、伊勢神宮内宮、外宮に行ったのですが、今年は松坂城と本居宣長記念館、伊勢神宮内宮と倭姫宮・神宮徴古館、それに、斎宮跡に行きました。そのときに撮った写真を少しずつ出していきたいと思います。

近鉄電車に乗って近鉄郡山駅から大和八木駅まで行き、そこから、特急に乗って1時間ほどで松阪駅に着きました。



ここが松阪駅です。





松阪は江戸時代の有名な国学者本居宣長ゆかりの地として有名です。本居宣長は荷田春満、賀茂真淵、平田篤胤と共に国学の四大人と呼ばれています。実は、私は三重県の小学校だったので、御木本幸吉と本居宣長の二人を三重県出身の偉人として習いました。それで、松阪は憧れの地でした。駅前にある大きな鈴は浜田藩主松平康定から宣長に贈られたとされる鈴をかたどったものだそうです。



町の中を歩いているとこんな建物がありました。その横にライオン像があります。





説明によると、松阪は三井家発祥の地で、三井家の始祖である三井高利が呉服商越後屋を興し、それが三越になったということです。その三越のシンボルであるライオン像を寄贈してもらい、来遠像と名付けて置いているそうです。



建物の内部はこんな風になっていました。





来遠像からちょっと行ったところに本居宣長宅址がありました。宣長はこの場所で12歳から72歳までの60年間医師を開業する傍ら、日本の古典の研究をしたそうです。





居宅自体は松坂城へ移され、今残る家は宣長の長男春庭の旧宅と土蔵だそうです。









そして、松坂城跡に着きました。松坂城は蒲生氏郷が1588年に建てたとされています。





大和郡山にある郡山城と同じで、城の建物は残っていないのですが、城壁はえらく立派でした。





お昼を食べていなかったので、売店でうどんを食べました。大きなネギの入ったうどんで、出汁がおいしかったです。





その売店の向こう側に藤棚がありました。









さらに、歩いていくと本居宣長旧宅と本居宣長記念館の入り口が見えてきました。ここから先は有料ゾーンになります。





旧宅は後で見ることにして、まずは記念館に行ってみました。記念館入り口に受付があり、記念館と旧宅の見学を合わせて一人400円でした。







記念館内部の様子です。椅子があって座ることができて、また、映像を見せる部屋などがありました。展示は二階になっていて、その様子は次回に回します。

松尾寺の植物3 シダ、虫

2024-05-24 17:22:27 | 奈良散策
奈良散策 第1168弾


4月28日に大和郡山市西部にある松尾寺の植物調査に行きました。そのときに撮った写真の続きです。



シャガの花が咲いていました。





タネツケバナの仲間です。何となくオオバタネツケバナだろうと思っていたのですが、検索表を見ると、そう簡単ではなかったです。今度、ちゃんと調べてみたいと思います。





これも何となくコオニタビラコだろうと思っていたのですが、コオニタビラコは舌状花が5-6枚ということで、ヤブタビラコではないかと思いました。



タケカレハの幼虫がいました。



これはキジノオシダ



これはシラスゲではないかと思います。



ヘビイチゴ





タチツボスミレ



トウバナ





ヤブジラミ



そして、また、タネツケバナの仲間。



これはスジブトハシリグモ







松尾寺の周辺でギンランが咲いていました。





これはイヌシダ



虫も撮りました。これはヤマシロオニグモではないかと思います。



最後はハバチの仲間です。触角からミフシハバチ科だろうと思われます。おそらくルリチュウレンジではないかと思います。

松尾寺の植物2 ハナイカダ

2024-05-23 20:03:13 | 奈良散策
奈良散策 第1167弾


4月28日に松尾寺周辺の植物を調べに行きました。そのときに撮った写真の続きです。





茎が紫がかっているので、イヌワラビだと思われます。



これはシャガ







このシダはミゾシダかなと思ったのですが、ソーラスを見るのを忘れていました。5月18日にもう一度行ったので、そのときにいろいろと撮りました。





これはミズタビラコ。松尾寺から階段を下りる途中でたくさん咲いていました。





コミスジがいたのでついでに撮りました。



これはハルジオンかな。茎の断面を見ると分かるのですが、何となくなよっとした感じのがハルジオンです。



これはオニタビラコ



そして、ハハコグサ









これはハナイバナ。いつもキュウリグサばかり見ていたので、花を接写で撮ってみました。



これはニョイスミレ





何となく花が小さいので、ヤマキツネノボタンかなと思っているのですが、よく分かりません。



これはキランソウ



花が咲いていないのですが、たぶん、コオニタビラコだろうと思います。(追記2024/05/24:花弁数が多いので、おそらくヤブタビラコだと思われます



これはクサイチゴ



松尾寺の駐車場にハナイカダが生えていました。





ちょうど花が咲いています。変わった花ですね。









花を接写で撮ってみました。