素晴らしかったですセットも凄く綺麗でしたし、生田くん調子いいですね
オススメです
前情報ゼロで行ったので、二幕の展開が若干腑に落ちないというか、理解しきれてない感じが残ってしまったんですが
もう一回見たらスッキリするんだろうなぁ
ひろさん(一樹千尋)、みつるくん(華形ひかる)、みっきー(天寿光希)、くらっち(有沙瞳)がお芝居を締めまくってました
ネタバレとってもあります、かつ長文です
志を持った少年たちが出会い、成長して大人になって成功して終わり、じゃないのね。
そこから先、道が分かれて権力を握っても思い通りにはならないもどかしさ。
頂点に立ったからこその疑心暗鬼。
年月や立場や環境の変化で移り変わっていく人の心が、きちんと描けていたと思います
みつるくんの一幕のお芝居、素晴らしかったですお歌はアレですけど
改革を志す入鹿(みつるくん)は鎌足(紅ゆずる)より一足先に大人の世界、政治の世界へ。
大臣になったものの実権は父蝦夷にあって、何一つ思い通りにはできない傀儡。
同じように女帝として奉られる皇極帝と出会い、恋したことで運命が大きく変わってしまいます。
一幕の、くらっち皇極帝のあやうく儚げな美しさといったら
“守ってあげたい”と思うでしょうよ
愛する人を守るため政敵を排除し、殺し続けて暴走する入鹿。
血みどろの道にはまりこんで抜けられない‥‥。こんなはずじゃなかったのにね
一幕の最後、結局入鹿は、鎌足と中大兄皇子に暗殺されるわけですが、そこで入鹿が鎌足に
「お前も(俺と)同じ道をたどる。殺し続けなければならない」(だいぶテキトー)などと言って死んでいくのがね。
二幕を象徴していて、なんとも不吉
目の前で愛する人を殺された皇極帝。入鹿を助けられない苦渋を滲ませながら、踵を返しその場を去ります。
それを知り「それでいい」と呟く入鹿。愛する人の無事に安堵して死んでゆくのが切なかったです
中大兄皇子は皇太子となり、鎌足と共に改革を進めます。
その手始めが“元号”~めっちゃタイムリー勿論狙ってましたよね?生田くん
改革を進める中で入鹿の予言通り、敵対する者、裏切りそうな者たちを次々と排除していく二人。
そんな時退位した宝皇女(くらっち)は、皇子に鎌足に対する疑いの目を向けさせようとします。
鎌足に限って裏切ったりしないと言う皇子に対して、それならば「人質を取るように」と勧めます。
ここの、くらっちが怖かった~
あの儚げだった皇極帝が息子を守るためでもありますが、愛する入鹿を殺した鎌足を憎んでるんですね
当たり前と言えば当たり前なんですが。
皇子も共犯なのに、鎌足に唆されたと考えるのがとっても母親の思考回路でした
人質として取られたのは最愛の妻与志古。与志古は異を唱えようとする鎌足を抑え、皇子の元へ。
月日が経っても妻を諦められない鎌足は、ある日死を覚悟して天智帝の元へ。
力ずくでも取り返そうとする鎌足ですが、謀反など考えるはずもなく、与志古を返してもらえなければ自刃するつもりでした。
その決死の覚悟に天智帝も折れ、無事に与志古は鎌足のもとへ。
ところがこれで終わりにはならない。与志古は帝の子を身ごもっていたんです
帝のところに戻りたくない、子どもも取られたくないという与志古に、
天智帝から下賜されて鎌足の妻となっていた采女の安見児が、自分の子どもとして育てることを提案するのが凄い
そして生まれたのが不比等で、実際に天智帝ご落胤説あるそうで
家臣の妻を寝取ったり、家臣に側室をくれたりする時代ですから、ありそうな話ですよね
数年後、療養中の鎌足を見舞いに来た帝は、不比等を見て勘付いたようでしたが、無理な追究はせず。
その方が子どもにとって幸せだし、立派に育つだろうと
いつの時代も入鹿が言ったように、権力闘争には終わりがなく、血が流され続けるのですが、鎌足は入鹿と同じにはならなかった。
もしかしたら不比等を育てることによって、救われたのかもしれないな、という気がしました。
というのが二幕の解釈でいいのかなもう一回見て確認したいです
ひろさんと、みっきーが語り部の役割なのですが、どちらも喰えないというか、複雑というか
二人とも現世ではないところで鎌足の一生を振り返ってましたが、時々話の中に混ざってました。
ひろさんは師として、みっきーは歴史家として。
志ソングとか、歴史ソングとか、それ歌にするんだっていう歌もあって面白かったです
みっきーを通してもう一つ、生田くんが言いたかったのは、“歴史は作られる”ってことなのかな。
“勝てば官軍”と言いますが、歴史書って、勝ち残った者が遺したものですから。
改竄したり、まるごと消し去ったり。古代史は他に資料がほとんど無いですから特にね。
それがまたロマンを掻き立てるわけですが
ベニー(紅ゆずる)は恵まれてるなぁ、と思います。
こう言っちゃなんですが、なんだかんだ代表作と呼べる作品に出会ってますよね。
アナワとかサンファンとか。「鎌足」もそう言っていいんじゃないでしょうか。
そして最後の大劇場作品も期待出来そうですし(そこは菜穂子に頑張ってもらうしかないですけど)
実力的にはね、2番手の、まこっちゃん(礼真琴)に遙かに及ばないと思うんですよ(すみませんね、ファンの皆様)
でもやっぱり、まこっちゃんには無い、真似の出来ない魅力があるんですよね。学年とか経験とかだけでもなく。
客席からだけでは見えてないものが、作り手側にいる人たちには見えてるのかもしれません。
実力が全てではない、宝塚スターの典型、かも