水に降る雪

おもに宝塚、そして日々のこと

舞台「マリオネットホテル」

2024-10-06 | 演劇

TRUMPシリーズの新作「マリオネットホテル」を観て来ました。

今日が大楽でしたね、全日程完走おめでとうございます

 

TRUMPシリーズはどの作品もヤバイんですけど、今回も色んな意味で凄かったな~

 

まずお席が最前列でした

始まってすぐに染ちゃん(染谷俊之)が目の前で喋るし、梅ちゃん(梅津瑞樹)はスライディングしてくるし、

そしてカーテンコールは末満さん(末満健一)が目の前だしで、ちょいちょい記憶が飛んでます

「ひぃ」って思いながら声に出さなかった私、偉かったなって思います

(絶対染ちゃんと目が合った、というか見つめられたと思った人

端の方に寄ったお席だったので、首と腰にきましたけどね

 

偉かったと言えばいつも超ズボラで人物相関図もロクに見ないで観劇に行くような人間が

珍しく復習していったんですよ、凄くないですか?

TRUMPシリーズはここ数年の間に配信やら録画やらで色々見てるんですが、

公演順でも時系列でもなく、飛び飛びに見てるので何を見て何を見てないか分らなくなってて

「TRUMP」「SPECTER」「グランギニョル」を見てから観劇しました。

見といて良かったかな。忘れてたことが結構あって、

今作で出て来た名前に「ぅわぁ!」こんな繋がり方をするんだ、ってなりましたから。

 

 

ミステリーの分野でクローズドサークルというのがあるそうで、それをTRUMPの世界観の中で描くとこうなるのか、

と驚きの連続でした。

 

キャストもそれぞれ素晴らしかったです。みんな濃くてなるほど、と納得できる役で。

末満さんのお芝居を初めて見ましたが、いい役者だなぁ、

胡散臭い情報屋と、ダリちゃんのイケオジな父親の二役をきっちり演じ分けてました。

でもそれ以上に才能溢れる演出家としての需要が多すぎるでしょうから、

この先板の上に立つことはなかなか無いでしょうね

 

演劇は生が一番!劇場で新鮮に驚きたいという人間なので、東京公演の配信も見なかったですし

ネタバレを踏まないように、人の感想やtweetを極力見ないようにしてましたが、

梅ちゃんがスゴク梅ちゃんだった、とざわついているのは知ってました

まあ末満さんが梅ちゃんにまともな役を振るわけないだろと思ってましたが期待通りの変態で

あれ、人格何重なんだろな凄かったです。そして楽しそうでした

今回の梅ちゃんが好きな方は「漆黒天」の梅ちゃんもきっと好きだと思うので、未見の方は是非ご覧下さい。

脚本末満さんなので

映画と舞台があって、映画の方はそんなに出番は無いんですが。

 

大楽の配信を見るつもりにしてたんですが、大阪公演の配信は無かったんですね

しまった!って思いましたよ。また配信してくれないかしら

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舞台「刀剣乱舞」心伝つけたり奇譚の走馬灯

2024-07-20 | 演劇

刀ステの新作「心伝つけたり奇譚の走馬灯」の感想を簡単に。ちょっとだけネタバレしてます。

 

 

 

もう泣くしかなかったです

落ち着いて観れると思ってたんですけどね、平静ではいられませんでした

沖田くんと新選組はやっぱり特別なんだなということを思い知らされました。

バリバリの歴オタになった切っ掛けだったんですよね。ン十年前です

 

ちなみに宝塚でもちょいちょい新選組が出て来る作品があるんですが、

一番好きなのは「星影の人」という作品で、最初のご贔屓水夏希さんに堕ちました

今思えばやっぱり沖田くんは特別ってことですね

 

 

前作の山姥切国広単独行で三郎信長が「ありとあらゆる信長(像)を許容する!」と言ってましたが、

沖田くんと新選組もそう。色々な媒体で様々な沖田像・新選組像が毎年のように生み出されていく。

「心伝」を観ていて、このン十年の間に読んだり見たりしてきた沖田像・新選組像が一気に押し寄せて来て、

それこそ「走馬灯」の渦に巻き込まれているような感覚になりました。

溢れ出る思い出の最後に、原点とも言うべき最初に出会った沖田くんが鮮やかに蘇ってきて、心が震えました。

 

甲府城で清光、安定と戦うことが「楽しい、嬉しい」という沖田くん。

観る前はもっと化け物のように人の心を失くした沖田くんかもしれない、と思ってたんですが

千駄木の植木屋の離れで、ひっそりと孤独に死を迎える沖田くんの無念。

「慶応甲府」は死の床にある沖田くんに、時間遡行軍が見せてくれた夢のような感じがしました。

歴史を変えることはやっぱり許されることではないんですが、時間遡行軍を全否定出来ない気持ちになってます

いいのかそれ

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舞台「刀剣乱舞」山姥切国広単独行-日本刀史 ②

2023-12-03 | 演劇

(続き)

長文ですネタバレありますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無数の時間軸が交錯するその場所は、無限の信長像が集まる場所。

そして信長の物語と山姥切国広の物語が交わる場所。

様々な信長と共に刀の歴史に思いを馳せ、信長に思いを馳せたのち、避けてきた三日月宗近に思いを馳せる。

「あいつが何を考えていたのか、何と戦っていたのか、あいつにとって俺や本丸は何だったのか。」

「知ろうとするな山姥切国広よ、三日月宗近に思いを馳せるのだ」

 

この作品で一番驚いたのがこの後の場面。

ネタバレを避けるために初日の配信も、人の感想などの情報も一切入れなかったので、めちゃくちゃ新鮮に驚けました

っていうか心臓をギュッと掴まれましたよ

 

まさか映像でしか見たことが無い、悲伝の最後のあの殺陣を、目にすることになるとは

悲伝のあの場面の音楽と共に現れた三日月宗近を見て、「だ、誰?が演じてるの?」ってなりました。

何しろ超チケ難で抽選も先着順も全滅で、かろうじて娘が当ててくれたのが2階のほぼ最後列で

でもスクリーンの上の方がちょっとだけ見切れましたが、凄く見易い席でした。有難うね~

ただやっぱり遠いので誰かわからなくてオペラで見て「あ、まっきー(荒牧慶彦)か」ってなりました。

 

天叢雲剣や七星剣をはじめとする名だたる名刀と所縁のある歴史上の人物に思いを馳せ、

それを一人で演じ続けた、まっきーが三日月宗近も演じていて、それがめちゃくちゃ拡樹くんの三日月に寄せてて、

遠くからだと全く見わけがつかないくらい喋り方も動きも似てて、鳥肌が立ちました。

大楽の配信を見た時に、足の運び方が微妙に違うかも、とは思いましたが

 

それにしても夏の刀ステ7周年感謝祭が伏線になるとは

審神者の夢の中設定だったので、色々とトンチキな場面があって楽しかったですけどね

三日月と山姥切が入れ替わるのとか、夢オチならではのありがちな感じもあって

ただ夢の中とは言え、拡樹くんの三日月宗近だけが妙にフワフワしてて、存在が浮いてる感じなのが不穏で

何かあるんじゃないの?と疑ってましたけど、そういうことでしたか

まっきーの三日月宗近、見事でした

 

そしてそれはそれで逆に、じゃ山姥切国広を演じてるのは誰なのってなりました。

あの場面の殺陣は、相当上手い人じゃないと出来ないだろうにと思って。

アンサンブルさんの中の誰かなんでしょうけど凄すぎる

山姥切国広のマスク(お面?)を付けてて、それがめっちゃよく出来てて。

まっきーより少し小柄ですが、凄く似た感じの人がいるのかなと思ってましたが、マスクだったみたいで。

綺伝の時も同じだったのか、すっかり騙されたようです

でも付けると視界が悪くなると思うのに、それであの殺陣が出来るんだと驚愕しました

 

 

山姥切国広は三日月を失ったことを自分のせいだと責め続けていました。

三日月を救うことにこだわり、そのために強くならなければと思い続けていました。

たとえ歴史を守る刀剣男士の本能から逸脱していたとしても、その想いを捨てることが出来なくて。

それが三郎信長と行動を共にし三日月に思いを馳せることで、ようやくこのままでは駄目だと吹っ切ることが出来たようです

「三日月を救いたいとは思わない。俺は三日月を信じる」

 

実はこの作品で山姥切の周りに存在する黒い影がいたのですが、

それが三日月を救うことに固執して、強くなりたいと願う山姥切国広の想いから生まれたものとわかります。

ところが三郎信長と、その「影」を黒田官兵衛様と時間遡行軍が現れて、連れ去ってしまいます

刀剣男士を強くするための物語がもっと必要だ、と維伝や綺伝に現れていた朧の山姥切の正体がその影でした

 

刀ステの物語の中で時間遡行軍と共に現れる「朧の~」や、その時その場所に存在してはいけない人たち。

維伝の坂本龍馬がまさにそれで、斬った後には拳銃が落ちていました。

なので「朧の~」は本人の所持していた物に、持ち主の心が残って生まれた付喪神に近いものなのかなと思います。

共通するのは「心残り」。

誰もが一片の後悔も無く生きてきた、と断言できる人はそんなにいないでしょうからね。

 

そうして生まれた「朧の~」を本人の知らないところで、

歴史修正主義者や時間遡行軍が利用しているということなのかも。

山姥切と三郎信長の前に現れた官兵衛様や信長公もたぶん「朧の~」だと思うんですが、

ということは、信長にも何か未練があったってことなんでしょうか。

それとも「物語を歴史へ!」のように、自分たちが持ち主にとって代わりたいと企んでるのかな?なんて

 

でも何か違うような。

官兵衛様は山姥切に対して「お前はこの物語を終わらせるのに必要な刀だ」と言いながら、

「だがここで折れば、また違う可能性が生まれるかもしれない」と言って山姥切を折ってしまうんですよね

官兵衛様怖すぎるさすが戦国一の軍師というか、策略家。

无伝でも似たようなことを言ってましたね。

「ここに高台院はいなかったが、もし高台院を連れてきたら三日月はどう動くだろう」みたいなことを

 

幸いにも審神者のお守りによって(そこはゲームの設定にもありますね)山姥切は復活して、

三郎信長の救出に向かうわけですが、復活した山姥切を見て嬉しそうにする官兵衛様

なら最初から折らないで下さいよ~、理科の実験じゃあるまいし、観てるこちらの情緒を弄ぶの酷いです

 

復活して更に強さを増した山姥切ですが、朧なのに信長公には手も足も出ない

再び折られそうになったところを官兵衛様が止めてくれて助かります。

「この物語は三日月宗近の物語だと思っていたが、山姥切国広のの物語でもあったのだな。」

「お前はお前の物語を全うしろ。お前たちの(本丸の)物語なら信長公を救えるかもしれない」

(朧の)信長公を救うそれってどういう意味?官兵衛様たちの戦いの目的ってことですか???

いやもう官兵衛様は登場の度に、爆弾を落として行かれますね

 

山姥切を折った時に官兵衛様たちが話していたことを山姥切は覚えていて

「三日月宗近は円環を巡っているが、あの本丸も円環を巡っている。それに気づかないうちは戦いは終わらない。

折り重なる時間軸は新たな結いの目を生む。円環の交わりは近い。その時が来れば我らの戦いは終局へと向かうだろう。」

 

戦いを終わらせるためには円環を巡り、然るべきところでそれを断ち切らなければならないと気づいた山姥切。

三日月を救いたいとは思わない、と言っていたのに三日月の背中を追いかけることになるとは

三郎信長と別れ、「主のために、これより終わりなき円環を巡る。」と力強く宣言して旅立つところで終幕でした。

 

 

時系列的にはこの単独行は慈伝の後、維伝の前の話になります。

刀ステ本丸の物語の終わりが見えてきた感じですね。まだ何作かありそうですが。

次は来年の「慶応甲府」の上演が決定しています。これが時系列のどこに入るのかはわかりませんが。

 

それから刀ステ本丸の物語のタイトルを巻物に記した映像が最後に出て来るんですが

今回はそれが円環になって繋がってました、メビウスの輪みたいに

そして「悲伝 結いの目の不如帰」が、无伝の最後に「悲伝」から「陽伝」に変わって、

鬼丸国綱が顕現する映像があったんですが、今回は残っていた「悲伝」の副題が解けて消えて行きました。

ということは、「陽伝」が上演される時は別の副題になるってことですよね。

そしてそれが最後の作品になる?

 

巻物には「綺伝」のあとに3作くらいありそうで、その中の一つが慶応甲府なのかなと思います。

刀ステではゲーム本体に出て来る特命調査が取り上げられていて、その四つ目が慶応甲府なので、

残った五つ目の「天保江戸」もいずれ上演されるんだろうと思います。

丁度夏の刀ステ感謝祭で蜂須賀虎徹が出て来ましたからね。まさか登場だけで終わりってことは無いですよね

 

これからどんな展開になって、どう着地するのか、来年の刀ステも楽しみです

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舞台「刀剣乱舞」山姥切国広単独行-日本刀史 ①

2023-12-01 | 演劇

舞台「刀剣乱舞」山姥切国広単独行の感想。

 

情報解禁があった時、「単独行」ってことは刀剣男士は山姥切一振りなの?

もしかして今まで刀ステに出てなかった刀剣男士が現れるとかないのかな

歴史上の人物と時間遡行軍だけでお話作れるの?刀ミュみたいに歌ったり踊ったりもしないし、なんて思いました

 

それに日本刀史?にほんとうし?・・・「史?」いや歴史好きではあるけれど、劇場でそれを見たいかと言われるとね~

面白いのかな(半信半疑)

劇中で山姥切も「俺は歴史を勉強しに来たんじゃないんだ!」って言ってましたが、同じ事を思いましたよ

けど、メッチャ面白かったですもっと末満さんを信頼しろよ、ってことですよねごめんなさい

演劇としても面白い表現がいろいろあってワクワクしました

 

そして歴史上人物や時間遡行軍など、何役も演じられたアンサンブルさんたちは、

いつもですけど今回もホントに素晴らしかった

皆さん素晴らしかったんですが、最初に三郎信長を演じられた中嶋さんが超上手い

やんちゃで粗野で生命力に溢れているけど、どこか底知れない三郎信長。

抜群の存在感と説得力で、うっかり惚れそうになりました

 

いくつかの劇団から呼ばれてたようで、こういう人たちが支えてくれるの贅沢だな~と思います。

劇団側にとっても興味を持ってもらえるきっかけになればいいですよね

以下、ネタバレありますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

慈伝で修行の旅に出て、綺伝で長義に「あいつはどこをほっつき歩いてるんだ」って罵られてた山姥切国広の旅を描く今作。

修行を終えて帰ろうとして、まだ帰れない、三日月宗近が何を考えていたのか知りたい。

三日月や俺たちが何のために戦っているのか知らなければならない。

と言って会いに行くのが元服して間もない「尾張の大うつけ」織田三郎信長

 

刀ステ本丸の戦いのあちこちに信長の影響がありましたからね

「織田信長とは何者なのか」という第1作、虚伝の問いに立ち返えり、その生き様を見届けようとする山姥切。

ところがやっぱりというか、若造でも食えないのが信長で

名言と意味深ワードを連発してきて、一般的にイメージ出来る信長らしい信長のようでいて斬新でもある。

でも信長ならこういうことを言うかもしれない、と思ってしまう信長像なのが凄いなと思いました。

 

生き様も死にざまもワシだけのものだ、お前に許されるのは思いを馳せることだけだ、と言い放つ信長。

知ろうとすればするほど実像はおぼろげになり、真実から遠ざかる。

理屈に囚われていては見えるものも見えない。

たとえ真実にたどり着いても、それは知ったつもりになっただけだ。

お前は知りたいのではない、納得したいだけだ。

だから思いを馳せろ

 

そしてこの信長は自身が天下統一を目前に、本能寺で死ぬことを知ってもビクともしない

「歴史を変えてどうなる。歴史を変えてもどうせ人は死ぬ。

だからワシは思いを馳せた情景を生き、本能寺で歴史になるのだ」

肝が据わっているというか、豪快というか、でも「信長」らしくて好き~

 

だが一つだけ決めていることがあるという信長。それは何かというと「亡骸を残さないこと。徹底的に。」

そうすれば様々な憶測を生む。本能寺を生き延びたのでは、いややっぱり死んだんだ、と。

「ワシはやがてほざかれる戯れ言が楽しみで仕方ない。

後の世にほざかれる戯れ言から生まれた、ありとあらゆる全ての信長を、ワシは許容する」

 

いや確かに日本人は信長が好きだよねマンガやアニメ、ゲームでも、小説、ドラマ、映画でも。

そのたびに違った角度から捉えた新しい信長像が、毎年のように生まれてます

この世にどれだけの信長像が存在してるのやら

「ありとあらゆる信長を許容する」という考え方は、ゲーム本体の世界観とも一致してます。

プレイヤーである審神者のいる数多の本丸、そしてそこにいる同じ刀を、別本丸、別個体として認識してるのが。

だからメディアミックスで生まれる新しい本丸を、ほとんどの審神者が抵抗なく受け入れられるのが凄いなと思います。

 

更に三郎信長は「歴史とは所詮戯れ言よ」と言い切ってしまいます。

山姥切が「戯れ言だと?」とムッとすると、「言い方を変えれば、歴史とは物語だ」

って、ええ~っ それはまぁ視点を変えれば、そう言えなくもないかもしれないけど・・・。

禺伝で光源氏を演じてた名も無き男が、自分を犠牲にして「物語を歴史へ!」変えようとしてたのはどうなるの~

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近況

2023-06-17 | 演劇

お久しぶりです、生きてます。一応

 

月組「DEATH TAKES A HOLIDAY」のお稽古場映像がホントに楽しそうだったのでワクワクしていたのが、

チケットが紙くずになってしまって凹んでました

何度も気軽に遠征出来ないですからねなんとかライビュが観れたらいいなと思います。

それにライビュと配信があるということは、円盤が出ると期待していいんですよね?

 

 

星組も無事に初日が開いてホッとしてたら、その後2週間中止になってしまって

聞くところによると株主総会でその話題が出て、出演者の1/3が感染したそうで

さすがにそれでは代役で乗り切ることは無理ですよね。

 

結局感染対策を一気に緩めすぎて失敗したってことなんでしょうね。

5類とか感染症上の分類が変更になったからといってウイルスの性質が変わるわけじゃないですから。

この3年以上の付き合いで、難しいけれど少しは対処の仕方がわかってきてたはずなんですが

 

一番厄介なのが、無症状でも人に感染させるという点で、一人に症状が出た時には拡がっているので、

徹底した感染対策と、定期的な検査をするしかないのだろうと思います。

新しい感染者がいないことを確認してからでないと、お稽古や公演を再開してもまた止まることになります。

その上で再開に間に合わなければ代役を立てればいいと思います。雪組さんのように。

 

5類になってコロナは終わった、感染者数も死者数も出さないし、感染対策もしなくていいよ、マスクなんていつまでやってるんだと

ミスリードしている政権とマスコミに、かなりの責任があると思います

日本は海外と比べて圧倒的に感染者数、死者数ともに抑えこんできたのに。

今、学級閉鎖や学校閉鎖など大きなクラスターが全国で頻発していて、

すぐには体調が良くならないので、受験を控えている子たちは心配だろうと思います。

子どもたちのワクチン接種率はまだ25%ほどだそうですし。

マスクと換気でかなり防げるのは、世界的にも認められてるんですから、やっとけばいいのにと思いますけどね。

 

 

月組公演は中止になりましたが、丁度同じ時期に公演があった劇団少年社中さんの「三人どころじゃない吉三」を観て来ました。

月組公演とマチソワするのを楽しみにしてたんですけどね

戻って来たチケット代はチケットへ。というわけでマチソワにしました、ええ正しい使い方ですよね

パワフルでカラフルで、元気をたくさんもらえました

キャパ400人ちょっとの小劇場で、客席をいっぱいに使った演出がふんだんにあって楽しかったです。

客席はマスク着用、声出しは無しでした。それでいいと思います。

政権に忖度してマスク外して公演が止まっても助けてもらえませんから。馬鹿をみるだけです。

小さな劇団だと公演中止は即、死活問題になりますからね。

明日は大楽、無事にたどり着けそうで良かったです。

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舞台「PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 2」の世界の深淵

2020-12-08 | 演劇

「PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 」初演を見て引っ掛かったのは、シビュラシステムをどう評価すべきか迷ったからです

まさかね、と目を背けてしまいました

AIに全てをコントロールされる社会は、昔から小説、漫画、アニメ、映画などに沢山描かれてきました。

未来社会がそういう社会になるだろうとは容易に想像出来ますが、作品になるのは大体その支配に抗って脱却しようとする物語。

ただ「PSYCHO-PASS サイコパス 」はシビュラシステムを壊そうとする人たちをメインに描いているわけではない。

 

にしてもシビュラって凶悪すぎませんかね?人間に対して悪意しか感じないんですが。

一体シビュラが目指しているのは何なんだろう。怖すぎる世界観だわ

これを作り出した人の顔が見てみたいアニメを見たらわかるみたいですが・・・。

自分の作ったシステムに抹殺されてるんじゃないかって気がしますけど

機械とはいえ、なんというか倫理的に大きな欠陥がありますよね。

 

「トロリー・プロブレム」はよく言われる「トロッコ問題」ですね。ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるのか。

機械だったら迷わず人数の多い方を選ぶでしょう。最大多数の最大幸福、という名において。

でも人間だったら葛藤するのが普通です。多い方を救うしかないとわかっていても。

だからといって何をしてもいいということにはならないんですが。

 

戦時下の軍人であれば如何に兵の損害を少なくして勝利を勝ち取るか、が問題なので、そこにあるのは人間ではなく数字です。

広島長崎への原爆投下を正当化する理由づけにもなっていますね。

それが戦争というものなのでアメリカを責める気はありませんが、人体実験と人種差別だよねとは思います。

 

でもPSYCHO-PASS の世界は戦時下ではありません。なのにそれを平気で繰り返すっていうのが恐ろしすぎる

娘はこんな社会だといずれ日本人は絶滅するのでは?と言ってました。

SFなどで時々ありますね、宇宙人が侵略して見た目は普通の人間だけど、中身は宇宙人にすり替わっている社会みたいに。

全ての人間ががアンドロイドにすり替わって、人間がいない世界になるのでは、と。

 

初演のキャラクターには記憶が入れ替えられてる人がいましたが、それだけでなく、

アンドロイドが混じっていたのでは?とか、いろいろ考えてしまいます。

生きてきた記憶が消されて別の記憶にすり替えられた人間のアイデンティティは一体どうなるのか。

自分が何ものなのかわからない恐怖を改めて考えさせられました。

 

問題を起こさない、犯罪係数の低い人間を作り出すために行われる実験の数々。

それが人道的倫理的に問題があると人間なら考えますが、でもシビュラは人間ではないので、

犯罪のない安定した社会を作り出す為に実験を計画して、黙々とデータを採っているんですよね。

人間ではないけれど、そういう意思・目的を持って動いているので始末に悪い

 

「怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ」

はニーチェの言葉だそうですが、怖いですね

神宮司も嘉納も深淵を覗き込んだがゆえに怪物になったんでしょうか。

そしてそれら全てをシビュラは知っている。

想定の範囲内みたいなのが、仏様の手の上で踊らされてる孫悟空みたいで絶望感しかないです。

仏様には慈悲がありますが、シビュラが何を考えているかは、神のみぞ知る、ですからね

 

このシステムの破壊に成功する話は描かれることがあるんでしょうか。

実際に日本がこういう世界になったとして、内部から破壊することはできないんじゃなかろうか

あるとしたら“黒船”しかないんじゃなかろうか、というのが娘と出した結論です

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舞台「PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 2」《訂正あり》

2020-12-08 | 演劇

夏頃に「PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 」を配信で見ました。拡樹くんが出てたので

そのラストが衝撃的で「え、これって二人は・・・・」となりました

イヤだ~、信じたくない!、という気持ちがあったもので藁にもすがる思いで娘に見てもらい、

「これってこういうことなのかな?」と聞くと、あっさりばっさり「そうだよ」と返されてしまいました

 

ショックではありましたが、こういう世界観は嫌いではないし作品として面白かったのと、

そしてもう一つ、引っ掛かっていることがあったので、

拡樹くんは出てないけど前日譚である「PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 2」を観て来ました。

 

大阪赤信号の中でしたが、大楽まで無事に幕が下りてよかったです。おめでとうございます

キャスト、スタッフの皆さんの並々ならぬ努力の賜物ですよね、有難いことです

 

一人でも行くつもりでしたが、娘に声を掛けたら「チケットが取れたら行きたい!」即答でした

まっきー(荒牧慶彦)が出てたのでね(娘は、まっきーファン)

1の配信を見ていて良かったであろう(偶然だけど)母に感謝いたせよ

 

会場はCOOL JAPAN PARK OSAKA WWホール。初めての劇場でしたがいいホールですね。

大阪城公園の中にあって環境もいい。夜公演で暗くなってたせいもあって、非日常感が増してました。

見易くて音響もいいし、評判の悪いところが多い、新しい劇場の中ではかなりイイ出来なのでは

ちょっと惜しいのはセンターブロックが千鳥配席になってなかったこと。

まあ私がチビなのが悪いんですが、前の人の頭が少しだけですが気になりました。

傾斜はちゃんとついてるので普通の人なら大丈夫だと思います

 《訂正》この作品のあと、何度かこの劇場に来る機会があったので、客席について訂正しておこうと思います。

  この記事に書いてる通り、センターブロックが千鳥配席になってないのがかなり残念です。

  前方の横通路より前の席だとあまり気になりませんが、後方席は傾斜が緩いので前の席の人の頭がもろに被って非常に観にくいです

  後方ならむしろサイドブロックの方が見やすいかもしれません。

  全体としては森ノ宮ピロティホールの方が見やすい気がしますね。あそこはトイレが残念ですけど・・・なかなか上手くいきません

 

舞台セットも良かったなぁ。

空間の使い方が立体的で凄くイイ盆も回ってましたが、あれって後付ですよね?劇場には無かったと思うので。

それにプロジェクションマッピングや照明、効果音、音楽を上手く合わせていて、素晴らしかったです

 

脚本も良く出来てる。ホントはもう少し書き込んで、入れたいエピソードがあったんじゃないかなと思いましたが。

一幕物、1時間50分に収めるためにギリギリまでそぎ落としたんだろうなぁ。なにしろこのご時世なので

 

セットも映像も音楽も最初からあって、開演5分くらい前にはアンサンブルの皆さんが映像に紛れるように出てきて

様々な小芝居をして舞台の世界観に引き込んで行きます。あそこはアドリブで毎回変わるんだろうなと思います。

そしてちょっとしたサプライズな演出があったのですが

まあ何かあるらしいと知っていたのと、演劇では時々ある手法なので驚かなかったですけど、

真剣に驚いた人もいたでしょうね。娘には言ってなかったので、ちょっと驚いたと言ってました

 

アンサンブルさんも含め、役者さんたちの演技が本当に素晴らしかったです

まっきーも、わだっくま(和田琢磨)も超カッコイイしね

生ならではの緊張感、殺陣の迫力がビシバシ伝わってきて凄かったです初演も生で観たかったな~

そして光宗管理官のあのシーン。あれを生身の人間で表現出来るって凄いわ鳥肌が立ちましたよ

 

わだっくま演じる嘉納の過去が描かれていて、初演に繋がっていくのが納得できる作品になってました。

これを見ると、また1が見たくなるわ

 

そしてこれから舞台「PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice 」はどう展開していくんでしょうね。

アニメの「PSYCHO-PASS 」の世界観はそのままながら、オリジナルキャラのスピンオフ作品になってるわけですが。

続きがあるのかないのか、あるとしたら、また新しいオリキャラでやるのか、凄く気になります

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舞台「刀剣乱舞」シリーズ雑感

2020-08-17 | 演劇

かいちゃん(七海ひろき)が舞台「刀剣乱舞」に細川ガラシャ役で出演することが発表されたのは5月でした。

一時は落ち着いていた新型コロナウイルス患者数はその後急拡大。

新宿の劇場でクラスターが発生したりして開催が危ぶまれる中、本来の形では無く科白劇としてソーシャル・ディスタンスを保ち、

講談師さんが加わり、マウス・シールドを付けてという、とってもイレギュラーな形でしたが先日無事幕を閉じました。

楽までの全公演を開催出来たのはキャスト、スタッフ初め関係者の努力、客席の協力があったからですが、奇跡のように思えます。

 

そんな緊張感綱渡り感の中で、危険を冒してまでやる意味があるのか、という人もいるでしょうし、その通りではあります

でも、全国民が家の中に閉じこもったら一時的に感染が収まっても、動き出したらまた感染が拡がってしまいます。

ワクチンや薬が出来るまで仕事もせずに家に居られるかと言えば、そんな人はわずかでしょう。

その間、国が生活費を保証してくれるわけではありませんしね

 

エンタメ業界は不要不急かもしれませんが、その裾野は広くて表面上は見えていなくても、たくさんの人が働いています。

止めてしまうと失われる技術や才能もあります。それは結局私たちの社会にとって損失なのです。

何より必要最低限の衣食住と仕事だけの、何の楽しみもない生活なんて、生きている気がしない

そんなカスカスの砂漠のような毎日だと、確実に精神を病む人が増えそうです。

それは舞台に立つ人にとっても同じでしょうね。

エンタメや芸術は人が生きるために必要なのだと思います。

だからこそあのようなイレギュラーな形であっても、公演を開催することに拘ってくれたのだろうと思っています。

 

ここからネタバレ少しありますよ。

 

 

 

 

 

 

「科白劇舞台『刀剣乱舞/灯』綺伝いくさ世の徒花改変いくさ世の徒花の記憶」は(な、長いな

別の本丸の慶長熊本の特命調査の記録を読む、という形を取っていたので、本来の形での公演が出来るようになって開催されても

きっと似て非なるものになるんだろうなと思います。

 

初めに過去作品の配信を一通り見た時、面白い、カッコイイ、楽しいとお気楽に楽しんでいたのですが

5作目の悲伝で、あれ???となり、次の慈伝でエッとなりました

それでテレビで放送があった時に最初から見直してみると、出るわ出るわ伏線の山

何気なくスルーしていた言葉や仕草の端々に、意味があって気を抜けない作品なのだとわかりました

 

そもそもの最初の「虚伝」とその次の再演からして、ただの再演じゃなかった

宝塚でも度々再演される作品はありますし、演出家によっては出演者のカラーに合わせて変えてくることはあります。

その他セットやお衣装や、かみしもが変わったりとかね。でも基本的な内容は変わらないです。

 

ところが再演の蘭丸は信長から不動行光の短刀をもらっても「不吉なことが起きる気がする」と言ったり、

「今度こそ上様をお助けしなければ」とかいう台詞があったりするんですよね。

それって歴史が繰り返されていることに蘭丸は薄々気が付いているってことになります。

 

蘭丸だけでなく、他の作品では将軍義輝が「儂が死ぬのは何度目じゃ?」と言ったり

果ては黒田官兵衛みたいに、刀剣男士と時間遡行軍の存在と意味を類推して利用しようとするし

もっとヤバイのは今回の科白劇の官兵衛で、別の時間軸の官兵衛の記憶を有してしまっている

そしていろいろとこの世界の根幹に関わるようなワードを投げかけてくるのが、さすが官兵衛様というかヤバすぎました

この先もまたどこかの時間軸に現れそう

 

科白劇の世界は“放棄された世界”、っていう設定もスゴイけど

放棄された世界だからその先が無いのか、改変された世界だからループして、その先へ行くために藻掻いているのか。

刀ステの世界は“タイム・ループ”がテーマってことなのかな

それに三日月様も関わってるし。

舞台刀剣乱舞の世界の着地点が見えないわ

そもそも理解しきれるのかしらね

 

 

科白劇の、かいちゃんはいろんな表情を見せてくれて楽しかったです。

普通に美人で可愛い武家の奥方から、歴史的な事件に巻き込まれて苦悩する姿、

葛藤の末に人でないものに堕ちてしまう姿とか。

“ガラシャ様の女”になるとか、宝塚でオスカルでトート閣下だっった、と言われていた意味がよくわかりました

 

かいちゃん初めキャストの皆さん本当に素晴らしかった

ソーシャル・ディスタンスを取りながらの殺陣も映像や照明を上手く使ってて、凄いなぁと思いました。

意外にもそれまでの刀ステと、それほどの差異は感じられなかったです。

それでも地蔵行平に手を引かれて逃げるところはやっぱり、手を繋いで欲しかったなと思うので再演に期待したいです。

 

今回の公演で心に染みたのは、歌仙兼定役の和田さんのお芝居でした。

 

刀剣乱舞の世界の刀剣男士って、元の主の影響が大なり小なりあるものです。

そして関係性もそれぞれ違う。好き過ぎたり、尊敬してたり、助けられなかったことに責任を感じていたり、

行動を許せなかったり、複雑な感情を持ってたり。

中でも歌仙兼定は元の主の忠興の影響を受けているんだけど、その行動に不快感も持ってたりして単純に“好き”とも言えない。

 

でも過去の忠興夫妻を回想する場面とかの、優しくて切なそうな表情がたまりませんでした。

二人の幸せを願っていたのが痛いほどわかりました。

それだけに最後にガラシャと対決して斬らなければならなくなった時、いつも殺陣ですら雅な歌仙くんの殺陣が、

優雅さを捨てて、力任せで粗野ですらあったのは、そうでもしなければ斬ることが出来なかったんだろうなと思いました。

 

ガラシャ様の着物で血を拭った忠興を「雅じゃない」と非難していた歌仙くんが、

ガラシャ様を斬った血を、自分の袖で大事そうに拭うのが見ていて辛かったです。

何の因果で・・・とも思えますが、歌仙くんだからこそ、とも思えて。

 

本来の形で再演される時、また同じキャストで再演してほしいなと思います。

&関西でも公演出来るようになってほしいなと思います。切に

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父と暮らせば

2013-08-15 | 演劇

今日は敗戦記念日なので。

2年ほど前になりますが、NHKで『父と暮らせば』を見ました。
井上ひさしさんの原作は読んだことがなく、生の舞台も観たことないです。
その時どうして見ようと思ったのかは覚えてないんですが。


泣きました。普通に。
だいぶ歳を取って、ひねくれたので、「泣かせてやる」的なお芝居では泣かないです
が、素直に涙を流せました。

原爆でただ一人生き残った娘。
生き残った自分を責め、問い続ける娘。

先の震災の被災者の方たちの中にも、同じような思いを持ち続けてる人がいるでしょうね。
事件や事故でで生き残ったという人にもいるでしょう。
原爆をテーマにしてますが、実は意外と普遍的、というか身近にあり得ることなんじゃないかと思います。


これ、マヤさんでやって欲しい、お父さん役を。見た時そう思いました。
『おかしな二人』も素晴らしく良かったですけどね。
見たかったなぁ。OGだけど、今やっちゃだめなのかな




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