これ書くの再々くらいですかね
「宝塚にはショーが無くっちゃ!」派です「万華鏡百景色」のおかげでそれをしみじみ噛みしめてます
コロナ前、ほとんど一作おきに一本物なんじゃないか、ってくらい初演再演問わず海外ミュージカルや、
たまにオリジナルの一本物が多い時期がありました。
特に、たまきち(珠城りょう)時代の月組が多くて、ショー大好き人間なので、
それがめっちゃストレスで時々ブチ切れてました
ご贔屓の、かなとくん(月城かなと)は決してショースターというわけではありません。
でもそれを知っているからこそ、いずれトップになると信じていたので、ショーの経験値を上げるためにも
2番手3番手時代のうちに、出来るだけ沢山のショーに出てほしかったんですよね。
それに演技派のご贔屓様とはいえ素敵なお衣装をたくさん着て、お芝居では見られない、あんな顔やこんな顔を見せてくれるんですよ
観たいに決まってるじゃないですか~
でも実際には・・・
このままトップになったら、きっとまた一作おきに一本物作品が来るんだろうな、と半分諦めてました
ところがフタをあけてみると、次の公演も含め本公演五作のうち、一本物は一作だけということに。
意外でした
いくつかの理由があると思います。
日本の国力が落ち、ウクライナ侵攻が始まって終わりが見えないことから急激に円安が進行して、
版権が今まで以上に高額になったこと。同時に光熱費・輸送費・資材費など物価も右肩上がりなこと。
そして一番の理由はコロナでしょう
5類になってもウィルスがいなくなる訳じゃないですからね。
リアルタイムの発表が無くなって感染状況が見えにくくなり、基本的な感染対策をやらなくなった人や企業が増え、
検査などの有料化で検査や受診をしない人が増えれば、結果は明らかですよね。
5類移行後もたびたび公演が中止になっています
代役を立てて公演を続けると言っても限度がありますから
感染して喉に来たり、体力が戻らなかったりすると、舞台に生きる人にとっては大問題です
そんな中で新作や話題作の、高額版権の海外μを契約するのはリスクが大きすぎます。
すると国内の作品に目を向けるか、海外μでも古い作品や比較的安価で、
契約しやすい地域の作品が選ばれるということになるのでしょう。
そんなわけで二本立ての公演が増えたのかなと思っています。
ところが昨年、若手の有力な演出家が立て続けに退団しました
年に3、4作の一本物を上演していた頃ならなんとか回せたかもしれませんが、演出家が足りない、ということに
若手や中堅どころの演出家が年2作本公演を担当することもあり、他に別箱公演もあるわけですから、
これでは疲弊してアイデアも枯渇してしまいます
というわけで、もう宝塚で新作はやらないのかなと思われてた大ベテランのイケコ氏(小池修一郎)や、
ハリー(正塚晴彦)が大劇場公演に復帰したり、若手演出家のデビューの場でもあるバウ公演に
もうベテランよね、な斎藤先生が登板したりするのかな、と思います。(トップの希望もあるかもですが)
そしてショー作家も足りない!
ということもあって栗田先生や指田先生がショー作品で大劇場デビューすることになったのかなと。
別箱ですが外部の三井先生がコンサートの演出をやることも決まってますから、
結果次第では、本公演のショーを担当する日が来るかもしれません。
とは言え二本立て公演で今の苦境を乗り切るには、お芝居のクオリティをどう担保するかが大事でしょうね。
今回の「フリューゲル」は完全オリジナルとしては、かなりいい出来だと思います。
でも100周年以前はホントにバラつきが凄くてそれこそ箸にも棒にも掛からないような超駄作や問題作がちょいちょいありましたから
今だったら6割くらいの作品が超駄作、とか超トンチキのレッテルが張られてたかも
(そんな超駄作すら楽しんでしまう、ある意味余裕!な宝塚ファンも結構な数いますけどね~)
そんなトンデモ作品でも、トップ以下組子たちが頑張ってなんとか見られるような作品にしていたって感じでしょうか
そしてそれを救っていたのが2幕のショーだったのではと思っています。
次々と現れる華やかなスターさんたちに、豪華なセット、煌びやかなお衣装。
カッコ良く美しく妖しく可愛い。お芝居の記憶はどこかへ行って
あっという間の最後に大階段を大羽根を背負ったトップスターが降りてくる。
なんかよくわからないけど、ええもん観た~な楽しい気分で帰ってもらえる
お芝居の出来に不安があると、よく大介先生のショーを付けて誤魔化してたな~と思います
さすがに今の時代にそんなトンチキ作品を並べる訳にもいかないでしょうから、
劇団には演出家の育成も、なんとか考えてほしいなと思いますが
それに若手の育成が遅れている今だからこそ、ショーに力を入れるのは正解なのでは。
海外ミュージカルは極端に役が少なくて、これを大劇場でやるの?ってことが多いですからね~。
役を増やしたり、大ナンバーを作ったりしても、そこそこ上級生やこれから売り出そうと思ってる下級生もろくに出番がなかったりする。
それじゃコアな組ファンはまだしも、ライトな宝塚ファンには顔を覚えて貰えない。
覚えて貰えないから人気も出ないの悪循環
今は月担の私自身、身をもってそれを実感してます
贔屓組があると他の組まで手が回らなくて観る回数が減る。そうすると他の組の下級生の顔が覚えられない。
タカラジェンヌはいつか卒業していきますから、各組のお気に入りが減っていく。
気づいたら他組の研5以下くらいの下級生の顔がわからないな、ということに
各組のトップや主要な役どころには、かなとくんの同期がいるのでそれはそれで楽しいのですが、
お気に入りの下級生が増えないと、なんだかつまらない、んですよね~
じゃあ自分のご贔屓様が卒業したら、そろそろヅカオタから足を洗ってもいいかな、となります、私の場合は。
でもショーがあると歌やダンスの得意な子が、少人数口に入れて貰えたり、銀橋を渡るメンバーに入れて貰えたりする。
そうすると、あの子イイわねと気づいてもらえるわけですよ。
路線に乗れれば、紙面やスカステでの露出が増えて知ってもらえる機会も多いですが、
ショーがあれば路線とかじゃなくても、目に留まるチャンスがあるわけです。
顔を覚えて貰えるという意味で、劇団がライビュや配信に力を入れるようになったのは良かったなと思います。
バウホール公演や、新人公演の配信があることで、遠征できなかったりチケットが無かったりして今まで観れなかったのが
リアルタイムで観られるようになりました。
コロナには散々な目に遭わされてますが、この点だけはこれからの下級生にとってホントに良かったと思います