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『イエロージャケッツ』で惚れ込んで以来、現在の若手最推し女優となったソフィー・サッチャー。『ブギーマン』の劇場公開に「祝!初主演!」「祝!日本劇場初上陸!」と喜んでいたら、実は2018年の低予算SF映画『プロスペクト』が長編映画初主演で、日本では2019年のカリコレ!で既に上映されていた(←推している割には情報に疎い)。しかも『イエロージャケッツ』に先駆けての大自然サバイバルものだ。
遥か彼方の宇宙。デイモンとシーの父娘は希少な宝石を求め、かつて“ゴールドラッシュ”に湧いた辺境の資源惑星に降り立つ。そこには彼ら以外にも野蛮な採掘者たちがいて…。2014年の短編映画をセルフリメイクしたジーク・アールとクリス・コードウェルの監督コンビは、ヘルメット越しかのような狭い画角に彼らの内にある広大なSF世界を実現しようと奮闘している。何より評価すべきはSF映画においてヴィジュアルと同等、時にはそれ以上に世界観を支える俳優が重要であると理解していることだろう。シーと手を組む宇宙野盗をペドロ・パスカルが演じ、『THE LAST OF US』よりもいち早く擬似親子SFサバイバルを実現。今や押しも押されぬハリウッドスターであるパスカルの登場からは映画も足腰が強く、97分というランニングタイムを成立させている。近年は“ラスアス”と『マンダロリアン』シリーズのおかげで“理想のパパ俳優”扱いされているパスカルだけに、ブレイク前夜の野性味ある姿が拝める本作はファンにとって拾い物だろう。
『プロスペクト』18・加、米
監督 クリストファー・コードウェル、ジーク・アール
出演 ソフィー・サッチャー、ジェイ・デュプラス、ペドロ・パスカル
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