唯

唯が逝ってしまった。
なんか胸にぽっかりと穴が開いた気がする。

小っちゃいくせに元気なやつで、人なつっこい凄く可愛い子だった。

先生の話では、生年月日から考えて、ペットショップで感染したのではないかとのことだったけど・・・、うちにやってきて一週間もせずに天に召されていったのは事実だ。
世話の仕方が悪かったのか、もっと早く気が付いていれば何とかなったかもしれないとか思うと、心が痛む。

手の上でゆっくりと目を閉じてそのまま逝ってくれたのは、唯の飼い主へのせめてもの思いやりだったのかもしれない。

これからいっぱい遊ぶつもりだったのだが、その夢も露と消えてしまった。
小さな体で、外で遊ぶのが大好きで俺が寄っていくとすぐ気が付いて 「出して～！」 とせがんでくる子だったのだ。

なるべく落ち込まないよう気を付けているつもりだが、１つの命を失ったことが心の重しになっている。
しかも、生まれて一月しか生きられなかった小さな命なのだから・・・。

「なあ唯、楽しかったか？苦しくはなかったか？」

そんな事ばかり頭を駆け巡る。
まあ、考えても仕方が無いことだと判っているのだが・・・。