ええっと、今日はカメラの画素数の話をちょっと。
一般的には、”カメラの受光素子の画素数が多ければ高画質である。”と思われているようだが (コマーシャルでもそう思わせるような表現が散見されるし。) 、ちょっと違うと思う。
此処から、ちょっと面倒な話になるけど、ちょっと我慢してね。
カメラの受光素子は、基本的に光を受ける”コップ”がたくさん並んでいるような物である。
ここに降り注いだ水 (光) を並んだコップで受け取って計測し、並べ直して処理し、写真にしている。
この並んだコップの数が”画素数”って事なのだが、一つ一つのコップから読み出せる情報は、”溜まった水の量 (明るさ) ”だけで有り、色の情報は含まれない。
だから、このままだと”白黒”の写真にしかならない。 (SIGMAのFoveonセンサーを除く。)
そこで、コップの上に赤、青、緑各色のフィルターを取り付け、青のフィルターを付けたコップからは青い光の量を、赤、青のフィルターを付けたコップからもそれぞれの色の光の量を計っている。
よって、カラー情報としての画素数は、実画素数の1/3以下にしかならない。
実際、殆どのメーカーが採用しているフィルターの配列方法 (ベイヤー配列と呼ばれる。) では、1/4程度となる。 (正確には、グリーンが1/2、レッド、ブルーがそれぞれ1/4。・・だったよね。)
で、足りなくなった部分を、周りの情報を元に”推測”して補い (補間処理) 、元の画素数”相当”のカラー情報として出力している。(この処理を行わずに出力したデータがRAWデータである。)
また、このコップに溜められる水の量が、”ダイナミックレンジ”と言われる物で、これが大きいほど”白飛び (コップから水が溢れた状態。) ”がし難くなり、ノイズ (コップにつく”結露”の水みたいな物。) の影響を受けにくくなる。
センサーの大きさを変えずに画素数を大きくすると言う事は、同じ面積に多くのコップを詰め込む事になるので、当然一つずつのコップは小さくなっていく。
白飛びや、ノイズに対して、本質的に”弱く”なって行く訳だ。 (画素数を変えずに、センサー面積を小さくした場合も同じ。)
それを回路設計や、ソフトウエア処理、センサー自体の構造の改良等々の努力で、影響が出無いようにしているのだが、この技術を低画素数のセンサーに応用すれば、画質は更に向上するはずである。
まあ、実際には、そう簡単では無いとは思うが・・。
高画素数化のメリットはと言うと・・、普通に使っている分にはハッキリ言って、全く無い。
逆に、処理が重くなる、メモリーの消費量が多くなる等々のデメリットしかない。
A4サイズの出力でも、600万画素もあれば十分で (A3でも殆ど問題無い。) 、それ以上の画素数が有っても綺麗にはならないのである。
webで公開する場合は、俺はVGA (640×480) 以上にする事はまず無い。
撮った写真を、A4以上に引き延ばした事の有る方って、どの位居ます?
では、何故高画素数化に向かうのか。
ピクセル等倍で表示したとき、綺麗に見える (逆に言えば、ピクセル等倍にしないと判らないんだけど・・。) 、から。
パソコンが普及し、ピクセル等倍で見る人が多くなり ( 見るだけで、実際には使わない人が殆どだと思う。) 、メーカーとして”綺麗です”と売り込み易くなっているからだ。
付加価値として、価格の維持にも繋がるしね。
実際、RAW現像してデータをいじり回していても、メリットとして感じるのは、トリミングをする時、画質を落とさなくて済む事ぐらいである。
ま、長々と書いたが、カメラの画素数は、普通に使っている限り、600万画素もあれば十分なのだ。 (個人的には、300万画素でも十分だと思う。)
それより、センサーの大きさ、レンズの品質を重視した方が、より綺麗な写真を得る事が出来る。
現状、その辺のバランスが一番取れているのが (デジ一では) D40だと思う。
あとは、AF-Sの単焦点レンズが充実すれば、一番のお奨めカメラなんだけどなぁ。
P.S.
うちのブルーベリーの内の一本が、昨日開花していた。
まだ二つだけだが、去年より早い気がする。
品種は、サウザンハイブッシュ系、早生種の”オニール”。
こっちは、ラピッドアイ系の”ブルーシャワー”。
中~晩生種の筈なんだけど、もう開花しそう。
他の木はまだなんだけどなぁ。