昨夜は厚い雲もなくシンチュレーションも安定していてシーイングはとても良かった。
FC-76DSと105SDPの二台をベランダへ設置して観望を行った。
先日のMAXIとTOA130での惑星の見え具合がとても良かったので105SDPではどうか?を確認することとFC-76DSはどの程度見えるのかの確認の2点がテーマ。
FC-76DSは90S赤道儀へ搭載し、105SDPはZERO経緯台へ搭載。
今回は105SDPの温度順応は異常に早く、ベランダ設置してすぐなのにほぼ安定して見えていた。たまたま部屋の中と外とで温度差が小さかったのだろう。FC-76DSもメラメラしておらずいきなりアクセル全開でいけそうな雰囲気だった。
まずはプレアデス星団。
Pentax XW14では視野の8割ほどはまぁ見える状態だがその先の周辺像は崩れている。NAV-17.5SWでは周辺までほぼ点像だがちょっと肥大しているかもしれない。
12等星くらいは見えている。
<105SDP>
NAV-17.5SWでは全面点像。Pentax XW14では最周辺あたりは崩れている。
こちらも12等星くらいは見えている。
次に土星。
導入時のアイピースはNAV-17.5SW、そこからPentax XW14、XW10へ交換。カリッとしているのはわかるが小さすぎて細部は認識できない。XW7へ交換。約81倍になり輪と本星の影などくっきりした状態ではっきりわかる。
次にNAV-5SWへ交換。くっきり具合が怪しくなり始めているがまだまだ許容範囲。何となく色もついている感じだが上下方向なので大気分散かもしれない。先日のMAXIほどくっきりしていないしカッシーニの空隙も両脇で見えたり見えなかったり。FUJIYAMA HD4mmへ交換。カッシーニの空隙がなんとか安定して両脇に見える。ピントの山は結構ハッキリしておりピント位置を迷うことは無いがちょっと鮮明さも怪しくなってきた。MAXIの240倍の方が輪郭はクッキリしていた。
どうもFC-76DSの限界よりも土星の高度が問題かもしれない。夜の9時過ぎているし。
<105SDP>
NAV-17.5SWで導入して一気にNAV-5SWへ交換。カッシーニの空隙も両脇1/3以上見えている。しかし視野内のどこへ移動させても上下に赤と青で色がわずかに分離しているのがわかる。それでも全体の輪郭もしっかりしている。ここから更にTOE-3.3へ交換。順当に大きくなった感じ。ふわっとした大気の揺らぎに合わせてカッシーニの空隙も両脇1/2くらいまで見えている。
次に木星。22時を回っておりほぼ正中付近。
NAV-5SWではメインの2本の縞模様のまわりのうねりが何となく確認できる。ちょっとコントラストが低い感じだ。輪郭はクッキリしており色の分離もほぼ感じない。FUJIYAMA HD4mmへ交換。こちらのほうが模様の詳細は良く見える。大赤斑も薄いが確認できた。
<105SDP>
NAV-5SW、FUJIYAMA HD4mm共に複数の縞とその周りのウネウネ、大赤斑も確認できた。SR-4mmへ効果すると何故かちょっと像が小さくなるがコントラストがぐっと上がり縞の形状や大赤斑のまわりの白い縁取りみたいな構造も認識できた。
東から上がってきたばかりのオリオン座。
<FC-76DS>
NAV-17.5SWで見てもM42は空の霞のせいでぼんやりしかわからない。リゲルの伴星はNAV-17.5SWでも十分見える。
NAV-5SWへ交換すると綺麗にジフラクションリングが見えた。
<105SDP>
こちらもFC-76DSとあまり状況かわらず。高度が低すぎる。
リゲルの伴星はNAV-17.5SWで余裕で見える。そらし目も不要。
もっと見たかったがブーンという爆音を鳴らしながら蚊が寄ってきていたので終了。
感想としてはFC-76DSとSTL-80A MAXIは口径は近いが見え方は結構差があるようだ。観望は同じ日ではないがMAXIの240倍でもびくともせずくっきり見えるのは異常に感じる。FC-76DSは明るさや解像度とは別に結像性能というか像質では確実にFS-60Cを上回っていて105SDPとの中間に位置するが「良く見える鏡筒」の側にあると思う。まずピント位置が掴みやすい。惑星像も感覚的には口径mmの2倍程度の倍率まではクッキリしており常用可能と感じた。それ以上にしてもまだ破綻はしないが暗くなるし細部があまり見えてこない。
また、焦点内外像は対象ではなかったが大違いでもなくかつ、ちゃんと丸になっていると感じる。ロンキー像も内外ともほぼ真っ直ぐだった。
自宅ベランダで晴れ間があることに気づいてさっと設置して雲行きが怪しくなったら終了という使い方を狙って購入したが大きさや重さ、温度順応の早さ、集光力、解像度、実用倍率など光学性能からしても十分満足できると感じた。
一方で105SDPは木星の見え方が予想以上に凄かった。先日のMAXIもTOA130も大赤斑はタイミングが合ってなかったものの縞模様はここまで見えていなかった。105SDPは口径mmの3倍の倍率は今回は試していなかったが、そこまでの倍率では輪郭のくっきり感は3本とも大差なく色ズレもなくくっきりしている。それぞれの光学性能より先にその日のシーイングの限界が来るようだ。もっと山奥の澄んだ空で見てみたい。
9月後半からの一連の観望で最も印象的だったのはMAXI。400倍でも崩れないTOA130も凄いがMAXIはアクロマートなのになんだろうこの見え方は?低スペックなのに頑張ってナナハン追ってる原付きみたいな感じがしてもっと手を掛けたくなる。ベランダでどこにも当たらず子午線越えができない欠点はあるが見え味は極上。
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