日本語教師をしています。
四月になり、新しい生徒さんが入ってきました。
ベルギー人のJさん。一か月前に日本にやってきたばかり。
彼はバックパックで東南アジアの国々を巡ってきたといいます。
日本のアニメが大好きで、できれば日本に住みたい。でも日本語しゃべれない。そこで日本語レッスンを受けようと決心したそうです。
日本語のレッスンは「ひらがな」から。
ひらがなが読めないと、テキストに入れません。
でも、ひらがなは難しい。
「は」と「ほ」、「ろ」と「る」、「わ」と「れ」、「め」と「ぬ」
とても区別がつきにくい。
「に」は「にんじん」の「に」
と教えたら、
「忍者」の「に」と嬉しそうにいいます。
「も」は「桃」の「も」と教えたら、
「モモの助」の「も」
モモの助、というのはアニメ「ワン・ピース」に登場する人物です。
以前、日本のアニメで日本語を勉強したというイギリス人に会ったことがありますが、
ほぼ完ぺきなイントネーションで日本語を話していました。
日本のアニメ、恐るべし。
日本語のテキスト「みんなの日本語」に登場するのは、
彼らが全く知らない、ワンさんだったり、タワポンさんだったりしますが、
アニメの人物にしたら、きっと勉強がはかどると思います。
それはともかく、外国人に日本語を教えていて、いつも思うのは、
彼らが決して教師のいいなりにはならないということ。
私が「こうしましょう」と提案すると、必ずといっていいほど「こっちのほうがいい」あるいは、「私はそうは思わない」などと言ってきます。
一方、私はNOVAで英会話の勉強もしています。(生徒の方です)
グループレッスンではいろんな人たちと一緒になりますが、
ほとんどの人が黙々と教師の言う通りにしています。
誰一人として、
「それよりこっちの方がいいと思う」とか「こっちのやり方でやってほしい」などと言いませんし、
もしも誰かがそんなことを言いだしたとしたら、白い目で見られること請け合いです(笑)。
なんという違いだろうか。
外国人に日本語を教えるたびにそう思います。
彼らはとても積極的だし、教師だからといって、全てをすんなりとは受け入れてくれません。
自分の意見をはっきり言うし、時に(日本語知らないくせに)こっちのほうが正しいと思う、みたいなことを平気で言ったりします。
人にコントロールされることを嫌う。
誰かの言いなりにはならない。
必ず主張をする。
なんという違いだろうか!
では、そういう人たちに教えるのは厄介かというと、
そんなことは全くありません。
むしろ、一緒に考えながら授業をするのは楽しい。
意見をはっきり言うので、何が足りないかもよくわかる。
相手が何を考えているのか、わからないほうがずっとやりにくいと思います。
NOVAの先生たちはやりにくいだろうなあ。
もっとも日本に長く居れば慣れているでしょうけど。
今回のJさんも例外ではありません。
ひらがなカードを使った簡単なゲームを提案したら、
「ぼくはこうする方がいいと思う」といってちょっと違うやり方を提案しました。
とても積極的。
そして、彼は日に日にひらがなを覚えていき、文章が読めるようになり、
覚えたばかりの日本語で日本人に話しかけます。
「ぼくはかっこいいです」
「ぼくはかっこいいじゃないです」
すると誰かが、「かっこよくないです」と指摘します。すると彼はすぐに、
「かっこよくないです」とオウム返しに言います。
彼はあっという間に日本語をマスターするだろうと思います。
すでに四か国語をマスターしているというので、日本語ができるようになれば、五か国語を操る若者になります。
将来が楽しみです。
日本人の若者たち、いえ、若者に限らずすべての人たち(かく言う私もですが)、
彼に見習って外国語にトライしてみてはいかがでしょうか。
四月になり、新しい生徒さんが入ってきました。
ベルギー人のJさん。一か月前に日本にやってきたばかり。
彼はバックパックで東南アジアの国々を巡ってきたといいます。
日本のアニメが大好きで、できれば日本に住みたい。でも日本語しゃべれない。そこで日本語レッスンを受けようと決心したそうです。
日本語のレッスンは「ひらがな」から。
ひらがなが読めないと、テキストに入れません。
でも、ひらがなは難しい。
「は」と「ほ」、「ろ」と「る」、「わ」と「れ」、「め」と「ぬ」
とても区別がつきにくい。
「に」は「にんじん」の「に」
と教えたら、
「忍者」の「に」と嬉しそうにいいます。
「も」は「桃」の「も」と教えたら、
「モモの助」の「も」
モモの助、というのはアニメ「ワン・ピース」に登場する人物です。
以前、日本のアニメで日本語を勉強したというイギリス人に会ったことがありますが、
ほぼ完ぺきなイントネーションで日本語を話していました。
日本のアニメ、恐るべし。
日本語のテキスト「みんなの日本語」に登場するのは、
彼らが全く知らない、ワンさんだったり、タワポンさんだったりしますが、
アニメの人物にしたら、きっと勉強がはかどると思います。
それはともかく、外国人に日本語を教えていて、いつも思うのは、
彼らが決して教師のいいなりにはならないということ。
私が「こうしましょう」と提案すると、必ずといっていいほど「こっちのほうがいい」あるいは、「私はそうは思わない」などと言ってきます。
一方、私はNOVAで英会話の勉強もしています。(生徒の方です)
グループレッスンではいろんな人たちと一緒になりますが、
ほとんどの人が黙々と教師の言う通りにしています。
誰一人として、
「それよりこっちの方がいいと思う」とか「こっちのやり方でやってほしい」などと言いませんし、
もしも誰かがそんなことを言いだしたとしたら、白い目で見られること請け合いです(笑)。
なんという違いだろうか。
外国人に日本語を教えるたびにそう思います。
彼らはとても積極的だし、教師だからといって、全てをすんなりとは受け入れてくれません。
自分の意見をはっきり言うし、時に(日本語知らないくせに)こっちのほうが正しいと思う、みたいなことを平気で言ったりします。
人にコントロールされることを嫌う。
誰かの言いなりにはならない。
必ず主張をする。
なんという違いだろうか!
では、そういう人たちに教えるのは厄介かというと、
そんなことは全くありません。
むしろ、一緒に考えながら授業をするのは楽しい。
意見をはっきり言うので、何が足りないかもよくわかる。
相手が何を考えているのか、わからないほうがずっとやりにくいと思います。
NOVAの先生たちはやりにくいだろうなあ。
もっとも日本に長く居れば慣れているでしょうけど。
今回のJさんも例外ではありません。
ひらがなカードを使った簡単なゲームを提案したら、
「ぼくはこうする方がいいと思う」といってちょっと違うやり方を提案しました。
とても積極的。
そして、彼は日に日にひらがなを覚えていき、文章が読めるようになり、
覚えたばかりの日本語で日本人に話しかけます。
「ぼくはかっこいいです」
「ぼくはかっこいいじゃないです」
すると誰かが、「かっこよくないです」と指摘します。すると彼はすぐに、
「かっこよくないです」とオウム返しに言います。
彼はあっという間に日本語をマスターするだろうと思います。
すでに四か国語をマスターしているというので、日本語ができるようになれば、五か国語を操る若者になります。
将来が楽しみです。
日本人の若者たち、いえ、若者に限らずすべての人たち(かく言う私もですが)、
彼に見習って外国語にトライしてみてはいかがでしょうか。