ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

レヴェナント 蘇えりし者

2016-05-04 16:11:13 | 映画
「レヴェナント 蘇えりし者」
久しぶりに映画館で見てきました。
この映画はとにかく劇場で見てほしい作品です。
映画の醍醐味をとことん味わわせてくれます。
映画を見たというより体験したという感じ。ほとんどアトラクションに近いかもしれない。

何しろ、自然が美しい、そしてすさまじい。
ただ一面の雪の原、凍り付いた大地、川、雪崩。
その中で繰り広げられる人間たちの死闘。

話はシンプルです。
息子を殺された父親の復讐劇。それに尽きます。
父親(グラス)を演じるのは、今回初めてアカデミー賞を受賞したレオナルド・ディカプリオ。
そして仇討ちの相手フィッツジェラルドを演じるのがトム・ハーディ。
映画自体もアカデミー賞を受賞したので、
ストーリーその他はいろんなサイトで紹介されていますね。

何よりすごいのは、これが実話に基づく映画だということ。
19世紀初頭のアメリカの西部開拓時代。
バッファローの毛皮を商売にする白人たちとインディアンたちの話。
主人公のグラス(ディカプリオ)は白人ですが、インディアンの妻と息子と一緒にインディアン居留地で暮らしていました。
ところが、白人に襲撃され、妻を殺害され、息子と二人で逃げのびます。
そして、毛皮商人の一行の道案内に雇われるのですが、その中の一人フィッツジェラルドに息子を殺されてしまうのです。

しかも、彼は野生のグリズリーとの格闘で瀕死の怪我を負い、ほとんど死にかけています。
けれども息子の殺害を目の当たりにして、グラスは瀕死の状態から自力で蘇えり、フィッツジェラルドを追うわけです。
過酷な自然が彼に追い打ちをかけます。
散々な目にあいながらも、彼は決してあきらめず、どこまでも仇を追い続けます。
120キロもの道のりを、たった一人で。

この物語は、聖書のヨブ記を思い起こさせます。
過酷な自然は、厳しい神を連想させます。
何という試練を神は人間に与えるのだろうか。

寒さ、熊との死闘、いつ襲い掛かってくるかわからないインディアン、白人だって味方とは限らない。
とにかく全編息つく間もなく、手に汗握り、画面に見入り、すっかり肩が凝りました。

こんな人たちと戦争なんかして勝てるわけがないよなあ、
と、またもや思ったことです。
でも、この執念深さ、どこまでも相手を追い詰める執念、そしてタフさ。
人間の力、生命力というのは、果てしないのだなあとも思いました。

いろんな意味で興味深く、ただ興味深いばかりでなく、考えさせられる骨太の映画です。
興味ある方はぜひ劇場で御覧になることをお勧めします。
コメント
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