ないない島通信

「ポケットに愛と映画を!」改め。

「エッセイ集 樹下聴風の記」寒河江淳二著

2022-12-23 09:09:33 | 

前回の長尾重武氏に続いて、明眸社のエッセイの会から、

「エッセイ集 樹下聴風の記」寒河江淳二著(明眸社 1980円)

が出版されました。

私家版ですが、今回からAmazonで販売されることになったそうです。

私の「ないない島」も近いうち、Amazonで紙の本が購入できるようになるそうなので(現在はKindle版)、

その節はお買い上げのほど、よろしくお願いします。「ないない島」も私家版で残部わずかなので早い者勝ちです。

寒河江淳二氏は、建築家で彫刻家、美術評論家で声楽家、日展の審査員もされているという、多方面で活躍されている方です。

明眸社のエッセイの会はなかなか優れた方たちが多く、私なんていつも味噌っかすで末席を汚しておりますが、

こういう方たちと同席すると学ぶことが多いと実感しています。

その中の一人である寒河江淳二氏による、8年間のエッセイをまとめたのがこの本です。

彼の専門である彫刻や美術方面のエッセイには、素人の私もつい引き込まれる魅力があります。

専門的なことが多いのですが、文章が読みやすくわかりやすい解説なので、へえ、そうだったのか、

という発見が多数あり、なかなかエキサイティングなエッセイ集です。

もちろん、美術関係ばかりではなく、

「スモウアズナンバーワン」とか、彼が最近ハマっている韓国ドラマから韓国と日本の歴史について思いを巡らせたり、はたまた地球温暖化は事実なのか、と彼独自の説を披瀝したりと、ただのエッセイではなく、物事の本質をどんどん掘り下げていき、神髄に迫ろうとするその姿勢が何より面白く、興味深く、また読むたびにすごいなあと感心させられます。

寒河江淳二氏は、明朗快活で健啖家、お酒もけっこうイケます。

暑気払いや忘年会の席ではいつも美声を披露してくれますし、エッセイの会の仲間で旅行に行った際には、長尾氏と共に建築家として詳しい解説などもしてくださるので、

本当にこういう方と一緒だと興味の対象が広がっていき、世の中ってこんなに面白いのねと想像も広がっていきます。

上下2段組で340ページという大部ですが、一つひとつが短編のエッセイなので、好きなところから読み始めることができます。

興味のある方はぜひAmazonからお買い上げくださいませ。

 

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