昨日、クリニックの待合室でKindle版「三体」のサンプル版を読み始めたのですね。
そしたらもう止まらなくなって、帰宅後すぐにAmazonでKindle版を購入。
昨日と今日と丸二日かけて第一部を読了したところです。
「三体」(劉 慈欣著 早川書房刊)
いやあ、すごいSFが登場したもんだ。
さすが、白髪三千丈の中国。イメージもスケールも桁が違う。
(すでにネット上で散々書かれているので、あえて私が紹介するまでもないのですが、70代の私でも十分楽しめるSFです)
これ、Netflixで来年早々にドラマ化されるそうですが、楽しみ。
というか一体どんな映像が出来るんだろうか?
まず冒頭では、中国の文化大革命時代のシーンから始まります。
物理学者(後に主人公となる女性の父親)が紅衛兵に取り囲まれ、おまえは反動分子だ、と糾弾されるシーンです。
「アインシュタインは反動的学術権威だ!」てな具合に糾弾され、あっけなく殺されてしまう。
この人を父にもつ女性(葉文潔)の数奇な運命と、もう一人の主人公(汪淼)が巻き込まれるゲームの世界が平行して語られていきます。
中心となるのは、
「三体問題」
これ、数学の未解決分野だそうで、たとえば二つの物体間の動きは数学的に予想できるけれど、三つの物体間の動きは予想不可能である、というもの。
(数式は出てこないから大丈夫)
三つの太陽が頭上にあり、互いに予想不可能な動きをする惑星の話。
これ以上書くとネタバレになるのですが、
この三つの太陽を持つ惑星から、地球にコンタクトが来る。
しかも彼らが地球に到達するのは450年先であるという、いわゆるエイリアン襲来のストーリーです。
これが、中国の文革時代のすさまじい嵐と科学者たちの葛藤を交えて、過去と現代を行き来し、なおかつ「三体」という名前のゲームの世界まで巻き込んで展開する、実に壮大なスケールの物語です。
このゲームの世界が実にユニークでねえ・・
最後の方には、量子力学の量子もつれなんかも出てきて、一つの陽子を多次元で展開するととてつもない兵器になるとかいうとんでもない話でね、
この辺りはちょっとついていけなかったのですが、
でも、大体においてエンターテイメント色の強いストーリー展開で、もう一度読み始めたら目が離せなくなる。
しかも途中で休むと登場人物(やたら多い上に、中国語の名前は覚えにくい)やストーリーの進行がわからなくなりそうで、だから途中で止めるわけにもいかず、一気読み。
全5巻もあるのよ、どうしよう。困った。
とにかく、スケールがバカでかい。その上、面白い!
中国というのは、いろんな意味ですさまじい国、恐ろしい国だ、と思った。
私らの想像をはるかに超えている。
しかも隣国で、私らが大きな影響を受けてきた国でもある。
いやあ、とにかくすごい!
SF好きにはたまらない物語です。
興味ある人は、時間がある時に挑戦してみてください。
読み始めたら、しばらく何もできなくなると思うので、心して取り掛かるべし。
「三体Ⅱ黒暗森林(上)」もつい購入してしまったのだけど、どうしよう・・
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