昨日見てきました。宮崎駿監督のジブリ最新作、
「君たちはどう生きるか」
えーと、これねえ、何ていうかあ・・
退屈だった。
途中で寝落ちしそうになった。
最初はとてもいいんです。
第二次大戦中の日本、母を失くした少年が軍需工場を営む父と田舎で暮らすことになる。
そこには、少年の新しいお母さんがいて・・
これ以上書くとネタばれになるのでやめますが、
そこから先こそが宮崎駿が描きたかった世界なのでしょう。
少年は突然異世界に入っていき、ファンタジーの世界が広がります。
「不思議の国のアリス」がうさぎ穴に落ちるみたいに。
物語の混乱具合も「不思議の国のアリス」にそっくり。
あと、宮崎駿が強く影響を受けたという「王と鳥」も彷彿とさせます。
「王と鳥」はポール・グリモー監督による1980年のフランスのアニメです。1952年制作の「やぶにらみの暴君」を改作したそうです。「やぶにらみの暴君」は子どもの頃映画館で観て強い印象を受けたのを覚えています。
鳥がたくさん出てくるのは、まさに「王と鳥」でしょう。
「気をつけたまえ、この国は、罠だらけだ」
という「王と鳥」の中の台詞も登場します。
そして、アオサギは手塚治虫でしょう。
つまり、この映画は、宮崎駿の自伝的要素も兼ね備えた集大成ともいうべき映画で、これまでの宮崎作品のいろんなシーンを彷彿とさせるシーンがモザイクのようにちりばめられていて、ジブリファンには楽しいかもしれない。
でも、宮崎駿の独善性もまた顕著になった映画だといえるでしょう。
若い人たちに伝えたいことがあるなら、もっとわかりやすく伝えてほしい、
と私は思います。
こんなにごちゃごちゃにして詰め込まなくても、伝えられるだろうにと。
いくら美味しいチョコレートの詰め合わせでも、溶けてドロドロになったものでは、美味しさはちゃんと伝わらない。
もしかすると彼自身、自分のメッセージが何なのか、どう伝えればよいのか、わからないのかもしれない。
そうも受け取れます。
とにかくわかりにくい。
でも、それぞれのシーンは美しい。さすがジブリです。
1940年代の日本も実によく描かれている。
背景にあるのはやはり、戦争です。
でも安易に戦争はいけない、などと言ってはいない。
少年のトラウマの向こうに戦争が透けて見える、
というのは「パンズラビリンス」(ギレルモ・デル・トロ監督)の世界観にも似ていますが、
「パンズラビリンス」はもっとわかりやすかったなあ。
ともあれ、エンターテイメントとして見るとがっかりするので、覚悟して見た方がいいかも。
でも、覚悟して見なきゃいけないような映画は、私は好きじゃありません。
やっぱり映画は楽しくなくちゃね!
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