越川芳明のカフェ・ノマド Cafe Nomad, Yoshiaki Koshikawa

世界と日本のボーダー文化

The Border Culture of the World and Japan

ロベルト・コッシーのサッカー部長日記(9)

2015年06月03日 | サッカー部長日記

5月18日(土)  

5月18日(土)  今週も、授業の合間に、いろいろなことがあった。  

火曜日(12日)の午後には、丹羽詩温(しおん)君(文3)が、和泉キャンパスにきてくれた。アジア史専攻に所属し、トルコ史が専門の江川ひかり先生のゼミに入っている。ふたつの講義の前に、明大の集中応援日になっている、きょうの早稲田戦の集客のために告知を受講生たちにおこなった。  

その夜に、駿河台キャンパスで、明大体育会の監督・部長会議があり、神川総監督と出席。折りわるく、季節外れの台風が関東地方に到来。家に帰る直前に大雨に襲われ、ずぶ濡れになった。  

金曜日(15日)には、講談社に書評を送る。依頼されたのは、高橋源一郎の新作『動物記』(河出書房新社)。イソップをはじめとする動物寓話に見られる「教訓」を笑い飛ばすアンチ寓話の傑作。25日(月)に発売される『週刊現代』に載る予定。  

さて、きょうは第9節、早稲田大戦。西が丘サッカー場11:50キックオフ。これまでのところトップグループは、国士舘(勝点16)、流経大(15)、順大 (14)の3校。第2グループは、勝点12で慶応、明治、法政の3校がつづき、勝点11で中大と駒沢がつづき、開幕直後は絶不調だった専大も勝点10で追い上げ体勢。  だから、きょうの試合は、首位に追いすがるいいチャンス。集中応援日とあって、会場入口には、明治大学のブースも出ている。 

 

きょうのテーマは、「献身的な90分」「強いメンタリティ」「サイドからのくずし」「本質の追求」と、盛りだくさん。  

メンバーは、ゴールキーパーに、服部一輝(法3)が抜擢される。DFとMFは前回と同様。FWは、和泉竜司(政経4)、藤本佳希(文4)、三苫元太(政経4)の4年生トリオ。システムは前回と同じ3-4-3。  

前半は、いつもより出足はよい。開始直後、高橋諒(文4)が左から切り込み、早く低いセンタリングを放つが、わずかにFWのヘッドと合わず。その後も20分頃まで、高橋や室屋成(政経3)の攻め上がりがあったり、藤本佳希(文4)がシュートを放ったり、いいリズムで戦いを進めている。こういうときに、点が入るといいのだが。しかし、20分すぎから、早大も攻撃に出て、40分までに4度のコーナーキックを与え、この時間帯、明治は守備を強いられる。が、集中を切らさず、得点を与えない。前半ロスタイムに、小出悠太(政経3)がイエローカードを切られる。これで通算3枚目。  

「攻めに行ったときに、正しいポジションをとってリスク管理するように」「高いボールがあがったとき、相手選手の横から当たると抜かれる。しっかりゴールを背にして当たれ」と、ハーフタイムでの指示。  後半は、開始直後、明治には、早稲田のGK後藤雅明君(国学院久我山出身、3年)に弾かれる惜しいヘッディングシュートがあったが、一進一退。だが、20分すぎに、カウンターをくらい、早稲田の10番山内寛史君(国学院久我山出身、3年)にゴールを決められる。その1分後にも、同じ映像をみているかのように、山内君にゴールを決められ、あっという間に2点差がつく。ただちに、岩田拓也(商3)、早坂龍之介(法3)、木戸皓貴(文2)を投入し、30分、36分と左からFKを得る。特に2度目のときは、差波のキックがゴール目指していいところに飛ぶが、またもやGK後藤君の必死のパンチングで、惜しくもゴールは決まらず。  

しかし、41分には、キャプテン和泉竜司(政経4)が木戸からのクロスをヘッドで合せてゴール。ようやく1点。1点差に詰め寄るも、時すでに遅し。  きょうは、皆、気持ちの入ったプレーで、足もよく動いていたと思うが、後半の真ん中あたりで、ぽっかり穴があいたように、取り返しのつかない連続失点を喫してしまった。  

攻撃も内容は悪くないが、最後のフィニッシュが決まらないもどかしさが募る。  

とはいえ、サッカーの神様には、見放されていなかった。上位校も星を伸ばすことができなかったからだ。1位の国士舘は専修大に3-0の完敗(専大のパスまわし、GK福島君からのロングフィードによる速攻がさえた)。2位の流経大は神大と引き分け、勝点1を積み上げただけ。3位の順大は駒大に敗れ、4位の慶大は中大と引き分け。というわけで、国士舘と流経大が勝点16で並ぶ。明治との差はまだ4つ。希望はある。  いまは順位や勝敗に一喜一憂する必要はない。大事なのは、「明治のサッカーを極めることだ」(栗田監督)。「明治のサッカーを極める」とは、「三原則」(走力、球ぎわ、切り替え)、堅守速攻、サイド攻撃など、だ。


ロベルト・コッシーのサッカー部長日記(8)

2015年06月03日 | サッカー部長日記

5月9日(土)  

第8節、駒沢大学戦。西が丘サッカー場にて、午後13:50キックオフ。  

ふだんはサイドバックの高橋諒(文4)と室屋成(政経3)を前に出して、3-4-3の新システム。GKは前回につづき、長澤祐弥(政経1)。DFは、小出悠太(政経3)、小池佑平(4)、河面旺成(3)。MFには室屋成(政経3)、差波優人(商4)、柴戸海(政経2)、高橋諒(文4)。FWは、和泉竜司(政経4)、藤本佳希(文4)、木戸皓貴(文2)。  

きょうのテーマは、「三原則を実行して、セカンドボールを奪取」  

前半は、正面スタンドから見て左から右へ攻める明治のペース。木戸や柴戸がシュートを放つ。室屋や高橋が盛んに攻め上がる。25分には、右30メートルでFKを得る。差の波シュートはGKのパンチングで逃げられる。そこから3度のコーナーキックを立て続けに得るも、得点にはいたらない。30分を過ぎてからも、室屋や柴戸がシュートを打つが、GKに弾かれたり、浮いたりして決まらない。  

ハーフタイムでは、「ためすぎ」との指摘が栗田監督からあった。いいコース、いいチャンスになるまで「ためる」と、ディフェンスもし易い。相手が予想していないタイミングでシュートを打つなり、パスをだすべきだ、と。それと、残り45分を走りまくれ、と  

後半は、開始後に敵陣でFKを与え、駒沢の選手がすばやくリスタートして、明大陣営深くにロングボールを蹴り、受けた選手にそのまま持っていかれ、パスを通されて、ゴールを奪われる。あっけない失点。せっかくいいリズムで戦っていたのに、残念。  

すぐにベンチは、体調のすぐれない高橋の代わりに道渕諒平(農3)を、木戸の代わりに三苫元太(政経4)を投入し、反撃に出る。道渕が入ってから30分間に猛攻を繰り返し、5度のコーナーキックを得るも決まらない。40分には、差波に代えて、早坂龍之介(法3)を投入。藤本のシュートがはずれたり、柴戸のヘディングがバーに当たったり、運に見放された感もあった。が、早坂から右サイドの室屋へいいパスが出て、室屋がアーリークロスをあげ、三苫元太がまたも土壇場で同点ゴールをあげてくれた。後半43分だった。明治は攻撃の手をゆるめず、逆転勝ちを狙ったが、非情の笛が鳴る。  

辛くも勝点1を奪った。それにしても、三苫は頼りになる男である。