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夕方には、セントロから45分くらい満員のバスに揺られて
郊外のマリアナオ地区に行き、
ガビーの「代理娘」(守護霊がオチュン)である若い女性のために、
ごみで汚れた川のそばでオチュンに雌鳥の血を捧げる儀式をした。
生け贄にした雌鳥はそのまま川にながして、持ち帰らなかった。
これが、ほぼ一週間の出来事である。
はたして、あの「死者たちに捧げるカホン」の夜に、
サンテロが死者の霊に代わって私に語ってくれたことは、真実なのだろうか。
ーーー将来にわたって、おまえには金が儲かる仕事が入る。
キューバにはこういう諺がある。
「真実は、嘘つきが語ったものでも、なんとも信じがたいものだ」と。
真実とか嘘とか、そうした二分法にとらわれるとハムレットのように解決策のない泥沼におちこむ。
真実であれ嘘であれ、ともかく私はあのサンテロのことばを信じることにして、
先祖の霊にろうそくと花を捧げることにした。(了)
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