透水の 『俳句ワールド』

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石田波郷・「波郷句自解」(十四)(十五)         高橋透水

2014年08月14日 | 俳句・短歌・評論・俳句誌・俳句の歴史
夜桜やうらわかき月本郷に        波郷

昭和十一年馬酔木同人達で、上野浅草麹町氷川町等の夜桜を見て歩いた。こ
れは上野から不忍越しに本郷の夜空を眺めた作、「本郷」といふ語感とうら
わかきといふ言葉はやゝ安易だ。

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寒林のガソリンにほふ方落暉       波郷

昭和十二年。かういふ名詞が幅をきかせた叙法は好まぬ。「寒木にひとをつ
れてきて凭らしむる」「夕映えて常盤木冬もあぶらぎり」と共に出来た。所謂
俳句臭を斥けんとする労作が見える。

  「波郷句自解―無用のことながら―」(有)梁塵社 より

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