透水の 『俳句ワールド』

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【COSMOS】俳句会  高橋透水

2024年06月06日 | 俳句・短歌・評論・俳句誌・俳句の歴史
●俳句2021年1月の俳句です。
己が影
寒夕焼ムンクの叫ぶ皇居かな
投身の海は渦巻き野水仙
マスクして目力強き女来る
独楽止まり「平和」の文字現れる
人日や墓石に移る己が影
熱燗やタマとペテンとオッパイと
巣篭りの句作の日々や春を待つ

【エッセイ】
●記憶は存在する
まだ文字の読めない幼児には、書物や
新聞紙は価値もなくおもちゃにもならな
い。少し文字が読めるようになっても書
物は紙に文字といわれる何か規則ありそ
うな記号がインクで印刷され並んでいる
だけだ。が、やがてその規則やコードか
らコンテクストを読み取り情報を得るこ
とができるようになる。なかにはフィク
ションもあればフィイクニュースもある。
こうした情報は果たして存在していると
考えてよいのか。哲学者のマルクス・ガ
ブリエルの考えによればそれら物語の事
物もバーチャルも存在することになる。
 俳句も文字となったものや音声に接す
ることで鑑賞者の頭脳や精神に刷り込ま
れ記憶として存在することになる。が、
時間と共に多くの記憶は消え去り、記憶
に残り存在できるのはやはりインパクトの
ある名句・秀句と言われるものだ。
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