妹の電話はいつも明るく元気だった
明日 墓参りへ行く時間は何時? 花は買って置くからね
例年 こんな電話があって 父母の眠る墓参りに行く
大きな墓地である 整然と並ぶお墓に ズラリと-墓参の花が並んでいる
黒が基調の墓石の列に 花の色が際立って見える
私の父母はクリスチャンの為 別に彼岸でなくとも良いが この中にそこだけ花が無いのは寂しい
墓参りは墓石を洗い 花を添えても ものの数分で済む
昨年はハーモニカを持参して 墓前で ま白き富士の根 を演奏もして見た
その後は 妹の連れ合いも一緒だから 途中のファミレスで食事をして帰る
今年の春の彼岸もそうだった
何故か 娘が私の父母のお墓を見ておきたいと 20数年ぶりに墓地を訪れる
まあ あいかわらず綺麗ねなんて 妹が久しい再会を喜んでくれた
その時が 娘と妹の最後の顔合わせで有った
今まで 娘は墓参りは行ったことが無い 久し振りの同行に私も素直に喜ぶ
不思議な 見えない導きが 私たちを合わせたのだろう
昨日 墓前の花を買った 私が買うのは初めてである
一緒に行く妹の姿はもう幻である
同じく 昨日 うたごえの仲間から 信州の巨峰が一箱送られてきた
見事な巨峰 自分では絶対買えない高価なものである
こんなに一人では食べられない 勿体ない気もするのである
そう言う時 いつも 車で飛ばして妹の家に持って行く
つれあいも含めて わぁ 美味しそう と喜んでくれるのが私には嬉しい
今日 この巨峰を 妹にも食べさせてあげたいが 白木の箱に入っているだけだ
それでも 連れ合いも居ることだし 墓地へ行く前に 寄って行こうと決めている
最後までお読みくださいまして有難うございました m(_ _)m