永い間 仕事も含めて旅に出ると 不思議なことに遭遇することもある
これは 3週間ほど前に 東伊豆の宿に泊った時の事である
宿はオーシャンビュー 遠くに伊豆大島から新島など 伊豆七島の幾つかが見える
大好きな海鮮料理を堪能して 風呂に入って心地よく寝た
明け方 誰かが私を起こす
ねぇ もう起きてよ
ねぼけまなこで声の方向を見た
枕元に 浴衣姿の女性が二人 正座している
一人は 幼児か小学生くらい
別に恐怖も何も感じない
軽い調子で 寝たまま片手を 子供の手に触れた
指が軽く触れた
瞬間 幻は消えて おぼろげに眼が覚めた
薄暗い部屋の中に 遮光カーテンから一条の赤い光が映っていた
カーテンを開けると まさに日の出の瞬間だった
伊豆大島の南側から 赤い太陽が大きく登り出す
カメラを取り出して 日の出を撮る
ほんの2.3分で 海から完全に姿を現す
今度は見ているうちに雲の中に あっという間に隠れてしまった
以後 太陽は雲に隠れ 当日はくもり空だった
あの 見事な日の出の光景
ほんの数分の出来事を あの二人が私に教えてくれた
ところで誰なんだろう?
顔も判らないが 知っている人では無い
浴衣姿であることは 妙に意識している
多分 ここで亡くなられた方かも知れない
でも 子供連れ?
私は霊感がある方ではない
むしろ 鈍感の方である
だから こんなことがあっても 有難うねという気持ちのほうが強い
部屋から出る時 心の中で挨拶した
さようなら
着いて来てはダメだよ
旅の宿での不思議な出来事であった
今日の誕生花 にがうり
花言葉 強壮
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