懐かしいこの顔、京王井の頭線を走っていた3000系だね。学生時代にずいぶんお世話になりました。
両端に運転台を取付け1両で走行できるよう改造された電車が、ガタゴトと吉原駅に入線してきた。
吉原を出発した単行電車が沼川を渡って右へ90度大きくカーブを描くと、視界正面に富士の高嶺を捉える。
静岡県東部地方が快晴の天気予報を聞いた週末、岳南電車で呑もうと朝から東海道線に揺られてきた。
過去2回はことごとく富士に嫌われたけど、今回は上出来な艶姿を見せてくれている。
ジャトコ前駅を発車して来た電車はサンタクロースの顔が描かれて、朱のボディーが富士を背景に映える。
電車はロングシートかつ短い旅だけど、SAPPORO “静岡麦酒” を開ける。プシュっと小気味いい音が響く。
岳南原田駅を出ると、サンタクロースは日本製紙の工場に吸い込まれていく。煙突と電車の朱のコラボだ。
岳南富士岡駅にはホームに沿って何本かの引き込み線が広がり、旧型電気機関車が留置されている。
2012年までは貨物輸送があって、比奈駅から吉原駅まで製紙ロールの輸送に活躍していたらしい。
マルーンに塗られたED402号機は松本電気鉄道、奥の凸型ED501号機は上田温泉電気軌道の出身。
信州から出て来たってことは呑み人とは同郷になるね。ED402号機に至っては年頃も一緒かも知れない。
須津川を渡ったサンタクロースは、緩やかな下り勾配を終点に向かってラストスパートをかける。
斜面には茶畑が広がり、背景で裾野を広げているのは旧い成層火山の愛鷹山(あしたかやま)だ。
東海道新幹線の高架を潜る。たった1両の電車の頭上をシュッと音を立てて16両編成が矢のように駆けていく。
っと終点の岳南江尾駅、わずかに9キロ20分の旅は終わる。学生時代の思い出は陽だまりの中で折り返しを待つ。
吉原駅から歩いて30分、田子の浦港を回り込むと「漁港食堂」がある。
雪を纏って扇のように裾野を広げた富士が美しい。まさに『田子の浦に うち出でてみれば 白妙の』の情景だね。
田子の浦といったらやはり「生しらす」その甘くてプリプリを味わなければ帰れない。
でもその前に地酒を一杯、富士宮は牧野酒造のその名も “富士山”、漁港を眺めながらいただくやや辛の本醸造。
生しらすの漬けはほんのり赤みを帯びて、これ “赤富士丼” って味付け卵黄は火口のお鉢を表現しているのかな。
最初は生姜を溶いて本醸造の肴に、後半は卵黄を割ってマイルドな丼を堪能する。美味い。
冬の澄んだ空の下、今日は富士づくしの岳南鉄道小さな旅、『富士の高嶺に 雪は降りつつ』なのだ。
岳南電車 吉原〜岳南江尾 9.2km 完乗
<40年前に街で流れたJ-POP>
愛の中へ / オフコース 1981
今度の正月は大阪に帰省予定。往復の新幹線から富士を眺めるのが楽しみです~
田子の浦からの富士山絶景!!!
初めて見た時は声も出ませんでした。
ここが日本の首都にふさわしい港じゃなかとまで思ってしまいました。
噴いたらアウトだけど。。
私も電車で行くのだ!!!
久しぶりに綺麗な富士山を見ました。
8合目あたりにかかる一朶の雲も趣がありました。
大阪行のときも晴れるといいですね。
コメントありがとうございます。
信州育ちの私が裾野を広げる富士を見たのは大きくなってから。
やはりあの感動は忘れませんね。同感です。
一朶の雲が流れている姿も、
雄々しく、高さが強調されていいものです。
コメントありがとうございます。
サンタクロースの顔がカワイイ♪
富士山とナイスショットですね。
眺めているだけで楽しい気分(*^^*)
生しらすは美味しいですよね~
お酒がすすみますね(*^^)v
オフコース「愛の中へ」
聴き入って思い出に浸ってしまいました。
呑み人さんの優しさが伝わりますね。
この電車、サイドにもサンタやトナカイが遊んでいて、
楽しい車両に仕上がっていました。お子さんは楽しいでしょうね。
漁協の食堂ですから長居はできませんが、
新鮮な魚と一杯、愉しいひとときです。